録画中継

令和6年6月定例会
6月14日(金) 本会議 一般質問
懐かしい未来
森山 幸治 議員
1 岡山城西の丸周辺広場整備
2 多様な学びの保障
3 生活者としての外国人受け入れ,共生
4 スケートパーク社会実験
 次は,順序に従いまして森山議員。
     〔24番森山幸治議員登壇,拍手〕
◆24番(森山幸治 議員)  皆さんおはようございます。傍聴席にもたくさんお越しいただいて,本当にありがとうございます。
 質問に入ります。
 岡山城西の丸周辺広場の整備について。
 当該エリアは岡山城を核に近隣周辺に後楽園,表町商店街,文化施設等が集積する,言わば岡山を代表する文化観光ゾーンであり,市民アイデンティティーを象徴するものであると思います。このたびの整備方針について,広場としています。広場に法的概念はなく公園に人が集まる,その状況を広場と呼ぶのであって,そのための仕掛けが必要です。整備のベースになる今回の案に出ている芝生化というのも,そのパーツの一つだと考えます。
 まず,公園とはどうあるべきでしょうか。どんな公園をイメージしていますか。コンセプト,その骨格についてお聞きします。
 施設の運営と公園維持管理について,いつ頃どのように決めていきますか。設計が来年からになっていますが,時間がないように思います。いかがですか。
 サウンディング調査で事業者への聞き取りをしたものの,まだまだ幅広い市民への説明,対話は不十分だと感じています。これまでの取組実績はどうでしたか。今後のさらなる取組の必要性についてお聞きします。
 都心全体の回遊性の拠点を目指すならば,学識者,有識者によるいわゆるアドバイザリーボードのようなもの,これが必要ではないでしょうか。
 市民会館における,市民の文化活動という歴史の継承,レガシーについて,これをどのように反映していこうとお考えでしょうか。
 これまで約10年間,この当該エリアの中にある旧内山下小学校,石山公園において,にぎわいを創出することをテーマにした社会実験を展開してきました。これについての評価,総括をお聞きします。
 市長の御英断もあり,一昨年旧内山下小学校の校舎の存続を決められました。この10年余り,旧内山下小学校の利用をしたいと多くの声をいただいています。今のまま一部の関係者による利用,そして使えても暫定利用という状況をどのように考えますか。暫定活用のルールなど決めていく必要がありませんか。
 次,多様な学びの保障について。
 昨年度,この本会議場において,教育長から来年度中には総合的な見地から施策事業の棚卸しをするとおっしゃいました。
 昨年度どのような検証されて,今年度取組されますか。
 児童生徒支援教室の検証結果,本年度からの改善計画についてお聞きします。
 開室2か月足らずで既に利用者が14名(うち市内10名)ある岡山御津高校の中にある中学生が通うMyPlaceについて御所見を願います。本市の支援教室と何が違うんでしょうか。なぜ本市の支援教室は子どもたちに選ばれないのでしょうか。
 民間フリースクール利用について,出席扱いを認めるにもかかわらず保護者は金銭的な負担を強いられています。この矛盾について,どうお考えですか。
 子どもたちはなぜ困っているのか,学習障害など外部の専門家によるアセスメント(見立て),これが必要なのは先生や保護者にとっても有効なことは明らかです。
 スーパーバイザー制度など,その仕組み化についてお聞きします。
 次,生活者としての外国人の受入れ,共生へ。
 2023年度末には,在留外国人は341万人,本年4月末時点で岡山市においては1万5,753名,これは大体地域に換算すると町内会,クラスに1人は外国人の方がおられるというような数字です。過去最高を記録しています。国籍,言語や習慣,在留資格,活動や権利,年代世代,3世代から今日まで集住から散住,経済格差,外国人といっても一くくりにはできない,ここにも多様化が進行しています。
 地域日本語教育推進事業について,4月に出された岡山市日本語教育基本方針についてお聞きします。
 本市における日本語教育の現状と課題をどう捉えますか。市が主体となって地域での日本語教育を推進する総合的な体制づくり,その仕組みについてお聞かせください。
 学校教育,学校現場においての指導状況,体制,また雇用の条件,今後の想定についてお聞きします。
 来年開設します夜間学級での支援体制をどう考えますか。また,地域日本語教室との連携,日本語教師等を具体的にどのようにお考えでしょうか。
 夜間学級の案内リーフレットに,日本語だけを学ぶ学校ではありませんと特記があります。これは削除できませんか。日本語を話せない人に対して,排除をイメージする文言だと思います。その前文に,必要に応じて日本語の支援しますという表記があるので,それで十分ではないですか。日本語が分からなければ教科も分からない。そもそも日本語は国語じゃないんですか。
 やさしい日本語に伝わる発信を。
 外国人や関係団体との交流事業,日本語教育,多言語での情報提供,子どもへの教育支援,外国人のための医療,保健,福祉サービスなどトータルで分かるサイトを本市は持ち合わせていません。
 東京都の港区は,やさしい日本語による専用ページ,Minato City Living Guideを開設して暮らす上で必要な情報を端的に伝えるもので,ルビの有無,100言語対応で大変なことが起きたときなど目的別に見出しを立てて,欲しい情報にアクセスしやすいように工夫されています。本市でも取組を考えませんか。
 さんかく岡山の今後の充実へ向けて。
 4年前に20年ぶりの事業の棚卸しをされて,新たな方針を掲げ取り組まれようとしています。
 課題解決へ向けて,どのような取組をされていますか。今日的社会参画のテーマは,外国人の方々への生活支援も必要だと考えますし,この立地についても,さんかく岡山のある場所についても中心市街地のど真ん中でアクセスに優れ表町商店街ということもあり,多様な団体との連携が可能だと思いますが,御所見をください。
 そして最後,スケートパークについて。
 2020東京オリンピックを契機として,スケートボードはアーバンスポーツとして認知される一方で,負のパブリックイメージや実際の問題が解消されないまま今日に至っています。この問題を解決に導きつつ,建設的な効果やその外部性を生み出す方向への転換は,まさに今だと思います。
 持続可能な都市を目指すために,ユースカルチャーを象徴するスケートボードという文化的な活動から文化的な価値,社会的な価値を生み出す,これを文化資本として有効に機能させていくことが必要だと思います。どうお考えですか。
 2022年,岡山市民のスポーツ意識調査において日常的に気楽にできるスポーツ施設についてアーバンスポーツを望む声が上位に入っています。かつ球技の中で一番要望が高いのがアーバンスポーツという結果が出ています。スケートボード場として整備された施設は市内に幾つあるのでしょうか。
 西中島での社会実験を昨年度から今年度にかけてされましたが,その結果について分析評価を踏まえて今後の取組についてお聞きします。
 以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  それでは,森山議員の質問にお答えいたします。
 私は,まずは岡山城西の丸周辺広場の整備ということで,どんな公園をイメージしているのかということであります。
 まず,西の丸周辺広場は旭川の河畔や石山公園に隣接しております。都心の中で貴重な緑のオープンスペースの確保が可能である,そういう必要な空間ということになっているのが一つであります。
 それから,何といっても江戸中期の3大名君と言われた中の1人,池田光政公の隠居所にもなったところでもある西の丸です。この岡山城の歴史を語る上でも重要な場所であり,国指定重要文化財の西手櫓,そして旧本丸の石垣の存在,天守閣も臨めるということで,コンセプトとしては歴史を感じる憩いの広場という形にさせていただいたわけであります。
 その中で,旧内山下小学校の暫定利用という状況をどう考えるか,暫定活用のルールを決めるべきではないかということであります。
 現在の使用状況もよくこれは森山議員御承知のように,相当老朽化している。耐震性も問題がある。また,消防法上も制約があるということで,限定的な使い方になっているのは御承知のとおりであります。
 ただ,これからもそれを暫定活用していくということを我々も決めたわけですから,どんな活用にしていくのかということは議論していかなきゃならない。今のままでいいのかどうかも含めて,そこはもうおっしゃるとおりだろうと思っております。どのような使い方ができるのか,関係部局集まっていただいて再度整理していかなきゃならないと思っております。
 以上です。
◎吉田元紀 政策局長  岡山城西の丸周辺広場整備の項,市長答弁以外にお答えします。
 まず,施設の運営と維持管理をいつどう決めるのか,設計までの時間がないのではという点についてです。
 飲食・物販等の便益施設については,民設民営方式のPark-PFI制度を,公園全体の維持管理については指定管理者制度を考えており,令和7年度から令和8年度にかけて民間事業者の公募の準備をすることとしております。広場の設計につきましては,できるだけ早く供用開始できるよう令和7年度の着手を目指したいと考えております。
 次に,市民への説明の実績,さらなる必要性,学識者,有識者によるアドバイザリーボードの必要性についてです。
 令和4年度に整備方針を検討する中で,市民等を対象としたワークショップを4回行いまして幅広い世代の100人を超える方々に御参加いただきました。ワークショップでのアイデアは,整備方針にも取り入れております。今後も事業の進捗に合わせて,市民や有識者の方からも御意見いただきながら,整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に,市民会館のレガシーについてです。
 市民の文化活動の場はハレノワに引き継がれるとともに,当地においても広場に様々な人が集い文化活動を楽しむという形で市民会館の歴史が継承されていくと考えております。また,市民会館のメモリアルとして特徴的なモザイクガラスなどについて広場に整備する施設の一部等に使用し,八角形のデザインについては広場整備に反映できるか設計段階で検討したいと考えております。
 次に,旧内山下小学校や石山公園における社会実験の評価についてです。
 旧内山下小学校につきましては平成26年度から平成29年度にかけて社会実験を行いまして,延べ3万人を超える方に来場いただくなど,にぎわいの拠点となるポテンシャルを有したエリアであることが確認できたと考えております。石山公園につきましては,平成27年度から行っている社会実験などを通じて,オープンカフェの設置や各種イベントを実施しておりまして,多くの方に来場いただくなど憩いとにぎわいをもたらす重要な場所であることが確認できたと考えております。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  多様な学びの保障についての項,順次お答えします。
 まず,児童生徒支援教室の検証結果と改善計画についてです。
 昨年度,児童生徒支援教室の支援の在り方や交通の利便性などについて検証を行い,今まで集団活動を重視し過ぎていた側面があったことが見えてきました。また,近くに公共の交通機関がなく保護者の送迎が必要になる中学生がいるというケースもあります。社会的自立に向け,個々の通室生の興味,関心に合わせた活動内容を充実させるとともに,交通の面で通室が難しい場合はオンライン相談などを実施し,利用者が相談しやすい環境を整えてまいります。また,より過ごしやすい施設となるよう,通室生や保護者にもアンケート調査を実施し改善に努めてまいりたいと考えております。
 次に,岡山県教育支援センターと岡山市児童生徒支援教室の違いについてです。
 岡山県教育支援センターMyPlaceは高校進学を目指す中学生を対象としており,活動を自分で決められるという特徴があると認識しております。
 一方,岡山市の児童生徒支援教室は小学生を含む児童・生徒を対象としており,高校進学希望者だけでなく社会的自立を目指した支援を目的としているため,どの施設を利用するかは個々の実態に合わせて選択できます。
 岡山市の児童生徒支援教室は,それぞれの施設の特徴を生かし目的を持ちながらニーズに応じた支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に,民間フリースクール利用時の保護者への経済的支援について,今後の連携についてです。
 民間フリースクールは,学校と異なるよさや特徴を生かした多様な学びの場であり子どもの居場所の一つになることから,岡山フリースクール協議会を通じるなどして,教育委員会や学校が連携することで子どもにとってよりよい支援につながると考えておりますが,民間フリースクール等へ通う子どもを持つ保護者への経済的支援につきましては引き続き国の動向や他都市の状況を注視しながら研究してまいります。
 この項最後に,スーパーバイザー制度の仕組み化についてです。
 昨年度までは,専門的知識のある大学教員等に学校において障害による学習上または生活上の困難を抱える児童・生徒の支援を考える会議に参加していただき,個々の児童・生徒の支援について助言をいただきました。今年度からは,会議への参加に加え学校現場への視察に同行していただき,より実態に即した助言をいただいているところです。今後は,その効果を検証し,取組の充実につなげてまいります。
 以上です。
◎田中哲也 市民協働局長  生活者としての外国人受入れ,共生の項,順次お答えいたします。
 まずは,岡山市地域日本語教育の現状と課題,市が主体となって行う総合的体制づくりの取組についてです。
 本市の地域日本語教育は,日本語教育に関わる様々な関係機関がそれぞれの目的に応じて個別に活動しており,全体として地域の日本語教育がうまく機能していない状況にあります。4月に策定した岡山市日本語教育基本方針における目指す姿は,総括コーディネーターを中心として日本語教育に関係する各機関と横のつながりを築き相互に連携し一体となって総合的な体制を整えていこうとするものです。この方針に基づき,6月9日に福浜公民館で日本語教室をスタートしました。参加された13人の外国人の方からは,楽しかった,また参加したいなどの声が寄せられました。9月からは,万富公民館でも日本語教室を開設いたします。これらの日本語教室が,日本語学習だけではなく外国人住民の居場所や地域とのつながりの場といった多文化共生のプラットフォームとなるように取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,外国人に必要な情報を端的に伝えるため,やさしい日本語専用ページによる取組について考えてはどうかについてです。
 市ホームページでは,外国人市民の方に向けた情報の入り口としてトップページにバナーを掲示しており,くらしの便利帳の情報を自動翻訳機能により14言語で閲覧していただくことが可能となっております。やさしい日本語での情報発信や対応言語の拡大,欲しい情報にアクセスしやすい工夫などにつきましては,今後担当部署と検討してまいりたいと考えております。
 次に,さんかく岡山の課題解決に向けた取組,また表町商店街といった好立地を踏まえた外国人の支援や多様な団体との連携についてです。
 さんかく岡山の現在の課題として,男女共同参画社会の実現を目指して活動している登録団体の減少や利用者の固定化等があり,地域の様々な団体との連携やSNSを活用した情報発信等の取組を行っているところです。男女共同参画については,性別や国籍等に関係なく全ての市民に向けて啓発が必要であることから,外国人市民や外国人を支援する団体などにもさんかく岡山を知っていただき,さらには活用していただけるよう周知に努めてまいりたいと考えております。さんかく岡山には,自由に使えるスペースもあり学生や市民の方が多く利用されていることもあり,外国人の方にも同様に利用していただくことで身近な場所として知っていただくことができるとも考えております。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  同じ項,学校教育での日本語指導状況,体制,雇用条件,今後の想定についてです。
 日本語指導が必要な児童・生徒に対しては,学校生活に適応できるよう日本語指導担当教員の配置や日本語指導支援員の派遣により個別に対応しています。日本語指導支援員は学校からの要望に応じて教育委員会が派遣するもので,教員免許状を所有した者や日本語教師養成講座を修了した者が週1回2時間程度派遣先の日本語指導担当教員と連携しながら初期の日本語指導を行っております。
 なお,日本語指導の必要な児童・生徒の増加に伴い日本語指導支援員の派遣がより必要になると考えており,今後も関係各所と連携しながら人材確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に,夜間学級での支援体制と日本語教室との連携についてです。
 夜間学級での学習指導については,多様な生徒に対応するため1人の教員で授業を行うのではなく,複数の教員で生徒の学習支援を行い授業を進めていくように考えているところです。また,夜間学級に入学される方で日本語指導が必要な方には,日本語教室等と連携し学校生活や教科教育等が円滑に進められるように支援してまいります。
 次に,夜間学級の案内リーフレットの特記について,日本語は国語ではないかについてです。
 夜間学級は学び直しを目的としており学習指導要領に基づいて各教科の学習を進めていくため,国語科において日本語の学習を行うことはありませんが,日本語の支援が必要な外国籍の方がおられる場合は学校生活や教科学習を進めていく上で必要な日本語の習得について支援を行う予定です。リーフレットへの記載は,その趣旨をお伝えするためのものではありますが,次回作成を行う際には議員御指摘の点も踏まえ,記載内容の見直しを検討してまいります。
 以上です。
◎岩田修 市民生活局長  スケートパーク社会実験について順次お答えいたします。
 まず,スケートボードという活動を文化資本として有効に機能させていくことが必要だと思うがについてです。
 スケートボードなどのアーバンスポーツは,将来を担う若者に活躍の舞台を提供し夢や希望を与える存在であるとともに,観光誘客やまちの活性化,シティブランディングの推進に寄与するものであると考えております。そういった視点の下,本市では昨年度スケートボードを楽しむ場を充実させるため,山田グリーンパーク内の一部を舗装しスケートボードができるエリアを拡充しました。本市としては,アーバンスポーツの振興を目的とし経済団体,競技団体と連携協定も締結しており,引き続き可能な支援に取り組んでまいります。
 次に,スケートボード場として整備された施設は市内にあるかについてです。
 岡山市内でスケートボードができる施設は,山田グリーンパーク,百間川緑地,東区神崎にあるみどりの広場の3か所があります。
 以上です。
◎林良太郎 都市整備局都市・公園担当局長  同じ項,西中島での社会実験と今後の取組についてお答えします。
 西中島での社会実験は,旧城下町エリアのさらなるにぎわい創出と回遊性の向上,低未利用地の有効活用を目的として公募を実施し,事業者から提案されたスケートボードパークの運営が行われました。しかし,4月,5月結構雨が多くて天候に恵まれず延べ5日間しか実施できなかったことから,本事業の効果や課題の検証が十分にできなかったため,広く子どもから大人まで参加でき楽しむことができるイベントの開催や日常的に訪れたくなる取組について引き続き社会実験を実施するための事業者募集を検討してまいります。
 以上です。
     〔24番森山幸治議員登壇〕
◆24番(森山幸治 議員)  御答弁ありがとうございました。
 再質問に入ります。
 まず,市長からお答えいただきました西の丸周辺広場です。
 ここは本当にもうこれ以上ないという,私たちの岡山市の大切なエリアです。どこにでもあるような標準だったり均一的な開発は,もう要りません。ここにしかないものをつくるためには,やっぱり地域固有の歴史文化,これまで培ってきた蓄積をいかに醸成させて発酵させるための仕組みが本当全てだと思います。何をつくるかということではなくて,何をつくらないかというものを考えながら,この持続可能な都市開発をしていくべきだと考えています。
 その中で,改めてこのゾーンを見たときに,今回岡山市さんが出されたイメージ図になります。もちろんこのイメージ図はあくまでイメージですし,これからいろんな市民の声を聞いたり事業者の声を聞きながらこの広場を整備していくということなんですけども,だからこそこれだけ何というのか,できるだけ無地のキャンパスにしておく必要があったので,こういう簡素というか,シンプルというか,そういうものになっていると思いますけども,このゾーニング,ゾーンを見てみると,改めて歴史は何なのかといったときに,西手櫓は西の丸庭園遺構の江戸時代の静かな風情を感じる。旧内山下小学校からは明治,大正,昭和,平成等,長年にわたってこの学びをたたえた教育の歴史がある。市民会館は形はなくなれど,戦後復興における市民文化の活動拠点の記憶がある。そして,石山公園はこれまでの10年ほとんど使われていなかった公園がパークマネジメントの導入によってにぎわいの拠点としています。
 こういうエリアの中で,私が改めて市長にお聞きしたいのは,やっぱり歴史というのはその連続,重層性が大事だと思っていて,江戸時代からこの令和まで歴史をたたえる施設であり,その土地というのか,場所の記憶もあるわけですよね。だから,そこをいかにうまく使って,仕組み化しながらやっていくという取組がそもそも必要なのではないかなと思います。そして,ここはオープンスペースとか広場という名前が出ているので,ちょっと分かりづらい面もあるんですけど,公園なんです。公園でにぎわいをつくっていこうとすると,やっぱり遊具を造ったり,あるいは野外ステージです,そういうステージを造ったりというようなやり方があるかと思います。いろいろ感じるところはあるんですが,端的に言うと迷うことなく今ある歴史建築物を生かすしか私はないと思います。
 例えばこれまで入場数が少なかった岡山城,これやっぱりあそこに仕掛けを施された,このことによってこれまでかつてないほどの入場者があって多大な経済効果を生んでいる,これがもうその証左だと思うんです。だから,岡山城は,あのままで残しておけばよいということであれば,こんなにぎわいは起きなかったわけです。
 となると,そのグリーンインフラで芝生を造る,飲食店を造るというのは,私は二の次だと思うんですよね。ここにしかない固有の歴史物を生かし,そしてこのまず1年でやっぱりいろんな声を聞いて広場の土台となるものを造っていく必要があるんじゃないか,仕組みを造っていくわけじゃないか,となると来年の設計というのは私は到底間に合わないとも考えますので,改めてここ市長のほうから御所見いただきたいと思います。
 先ほど改めて公園を広場化するための仕掛けについて,例えば野外ステージの存在,これについてどのようにお考えですか。残念ながら,岡山市はその野外ステージを持った公園がないんです。唯一言うと瀬戸町のびのび広場にありますが,これは瀬戸町時代に造られたもんですから,岡山市の中でしっかりとした野外ステージがないんですけども,そういうものも踏まえてその可能性について御所見をください。
 そして,内山下小学校と石山公園の効果検証,局長ほとんど中身に触れられませんでしたが,特に内山下小学校については岡山市を代表する芸術交流,そしてユネスコ創造都市ネットワークに関する文学フェスティバル,これの拠点になっているんですよね,内山下小学校。もうこれはまごうことなく岡山の文化拠点,文化芸術を支える施設であるということの根拠を担っていると思います。それ以外にも多くの市民の皆さんがこの10年でさっき数字を言われなかったけど,内山下小学校も10万人ぐらいの方があそこを訪れているわけですよね。だから,そこをしっかり踏まえて,改めて検証を,やっぱり深い検証していただきたいと思います。
 そして,不登校,これについてはやっぱり私もちょっとだけ関わっていく中で,親も先生も最近すんなりと容認するところがあるんですよね。本当にそれでいいのかなと,誤解を恐れずに言いますけども,何かそれはもう誰も責任を取っていないんじゃないかなという私自身の葛藤もあります。その多様な学びの場をつくる,誰一人取り残さない,それは果たして個の尊重なのか,子どもたちは息苦しい,外部に出ていきたい,だから家にいて部屋にいる,でもそこに私たちが行政として体制側として,いやいや,学びの多様をつくるためにどんどん行政で網をかけていく,それは追いかけていくことにもなるんじゃないかなと思う。なので,何か不登校についてメッセージをお聞きします。
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  まず,西の丸周辺の話ですが,江戸時代から今日に至るまでの,ちょっと訂正してもらいたいのは,やっぱり戦国時代からですね,岡山のまちができたのは宇喜多直家,秀家の時代からであり,そこを忘れてもらっちゃ困るなと思います。でも本当に私も今その宇喜多家の顕彰というところに少し力を入れているところでありますが,この江戸時代のいわゆる名君と言われる,先ほど言いましたけど池田光政公というのが水戸光圀とか,そういったところは保科正之とか,非常に割と名前が通って,世の中全体に,池田光政公はあれだけ承応の大洪水の対応とか奥さんから江戸幕府から相当額お金をもらってきてやったとか,そういったところの何というか,発信はちょっと少ない。もちろんねねもそうなんですけど,少ないんじゃないかなと思うんです。だから,この西手櫓というのは,池田光政公の隠居所だったというのは非常に大きい。そういった歴史をどうやって感じさせていくのか,一つそれが人を集める吸引力になってくるんだろうと,そういったものをどうやって使っていくのか,そこはこれからもやりながら知恵を出していかなきゃならない。それから野外ステージですか,私も昨日初めて聞いたところで,それに対しての是非を言える段階ではないんですけれども,いろいろな話があっていいし,やはり特徴的な広場にしていかなきゃならないというのはそのとおりだろうと思います。岡山城に観光局長も随分力を入れてくれていますけれども,そういったなぜ岡山城がうまくいったのかという,これは磯田道史さんにお願いしながらも我々も一生懸命コンセプトを考えていった。いろいろそういったことを振り返りながらこの広場をよりいいものにしていくということに関しては大賛成であります。スケジュール感については,随分今までも話を聞いているところであり,今後の予定というのは進めていかなきゃならないとは思っているんですけれども,様々な意見交換をしながらいいものにしていくように,ぜひともこの道に関して森山議員,相当の力もあるわけでございまして,ぜひ力をお貸しいただきたいと思います。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  不登校についてです。
 不登校については先週政令市の教育委員・教育長協議会がありまして,テーマは1点だけで不登校でした。そのときにいろいろ議論したんですが,森山議員もいろいろ思われるところがあると思うんですが,私も言葉が難しいなというところがありまして,不登校についての対策,数字を減らすほうがいいのは決まっているんですけど,一方で居場所づくりをする,最終的には学校に来たほうがいいんですけど,来なくてもいいみたいな……どういうんですか,両方に振り切ってはいけないんですけど,なかなかジレンマがあります。改善とかよくすると言ったときに,じゃ,不登校は悪いことなんかということになりますよね。そうじゃないですよね。そのあたりで世間体があって,本当に学校現場にいるときにはお母さんも悩まれていて,子どももあした行きますと言って行けれんのが苦しいですよね。これの繰り返しをしている毎日もありました。それが悪いことではない,あるがままを認めていった結果,自分で力が出てきて学校へ来れた,社会的自立ができたというところなんですけど,これなかなか画一的な数字で評価するとか難しいなというのがありまして,地道に本当にもう学校現場もしているし我々も個々一人一人に合った形を見つけていくしかないなというのがあって,そのあたり時間がかかるのもジレンマだし,本当にこうしたらぱっと解決するというのはないのもジレンマなんですけど,そこはやっぱり我々も子どもたち,保護者が安心できるような形で今できること,していること,さらに新たなできること見つけていきたいと思っておりますんで,よろしくお願いします。
 以上です。
○森田卓司 副議長  以上で森山議員の質問は終わりました。(拍手)
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