録画中継

令和6年2月定例会
3月5日(火) 予算特別委員会
日本共産党岡山市議団
宿女 和子 議員
■甲第3号議案 令和6年度岡山市一般会計予算について
1 岡山市こども計画策定について
2 保育士確保対策について
3 子育て環境の施設整備推進事業について
4 農業関連の予算について
 (1) 農業全体の予算について
 (2) 活力ある農業の振興事業について
 (3) 子ども食農体験事業について
■甲第3号議案 令和6年度岡山市一般会計予算について
■甲第11号議案 令和6年度岡山市介護保険費特別会計予算について
5 地域共生社会の推進について
■甲第11号議案 令和6年度岡山市介護保険費特別会計予算について
6 介護事業について
 次は、順序に従いまして宿女委員。

◆宿女和子 委員  こんにちは。日本共産党市議団の宿女和子です。よろしくお願いします。
 まず、一般会計についてから質問します。
 1つ目、岡山市こども計画策定についてです。
 第3款民生費第10項児童福祉費中、委託費400万円は岡山市こども計画策定に関する予算です。
 これに関して以下、お尋ねします。
 (1)予算編成に当たって、計画策定の業務委託をどういう内容で行うことを考えているか、御説明ください。
 計画策定の際、子どもや若者の声を聞くことが求められていると理解していますが、業務委託の中でどう位置づけられているか、あわせて御説明ください。
 また、この業務委託以外に計画策定に関する予算があればそれについてもお示しください。
 (2)こども計画について、何を目指してどういう内容の計画とするのか、岡山市の様々な計画の中ではどういう位置づけになるのか、まず御説明ください。
 よろしくお願いいたします。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 岡山っ子育成局長  1番の項、岡山市こども計画策定について、第3款民生費第10項児童福祉費の中についてお答えいたします。
 まず、業務委託の内容、子どもや若者の声を聞くことは委託の中でどう位置づけられているか、また委託以外の予算についてでございます。
 委託する主な内容は、まず今年度実施したアンケートの調査結果を踏まえた現状の把握及び課題整理の補助、次に骨子案、素案の作成補助、また計画のレイアウトのデザインやグラフ、図表の作成などを行い、最後に計画の印刷を行うなどでございます。
 市としては、骨子案作成の段階で子どもや若者などの意見を聞く機会を設けるとともに、素案についてのパブリックコメントなどを予定しており、受託者は市が実施するそれらの取組での意見を基に、市の方針に従ってそれぞれの段階で修正作業を行います。
 計画策定に関係するこのほかの予算ですが、計画の審議をする子ども・子育て会議について、計画以外の案件分も含めて委員報酬が90万円及び議事録作成委託料が32万7,000円、こども計画に包含される岡山市子どもの貧困対策計画策定のアドバイスを受ける有識者への報償金10万5,000円がございます。
 次に、岡山市こども計画の内容とその位置づけでございます。
 岡山市こども計画は、岡山市第六次総合計画を上位計画とする子ども・子育てに関する分野別計画に位置づけられるとともに、こども基本法に基づき策定するこども施策についての市町村計画でございます。
 この計画は、差別の禁止や子どもの最善の利益など、子どもの権利の尊重や子育てに伴う喜びを実感できる社会環境の整備など、こども基本法の基本理念にのっとり策定し、既存の保育所などの利用についての量の見込みと確保方策を定める岡山市子ども・子育て支援事業計画や岡山市子どもの貧困対策計画、岡山市子ども・若者計画などを包含する総合的な計画となります。
 以上です。

◆宿女和子 委員  ありがとうございました。
 今お答えいただいたように、こども大綱に勘案してこども計画を進めていくということで、こども大綱はこどもまんなか社会の実現を目指しています。ただ、それは子どもや子育て世帯のためだけではなくて、結果的に少子化や人口減少の流れを大きく変えて社会経済の持続可能性を高め、全ての人にとって社会的価値の創造や幸福追求につながると、そういったことも明記されています。まず、岡山市の認識としてこのこども計画がとても重要な計画なんだということをここにいる皆さんと共通認識にしていただければと思います。
 そして、この基本資料となるために今年度中高生世代にアンケートを行っていますが、その回答率について教えてください。
 また、その回答率に対する評価もあわせてお示しください。
 お願いします。

◎ 岡山っ子育成局長  今回計画策定に当たって初めて行った中高生世代に対するアンケートの回答率でございます。
 現在、集計しておりまして、暫定値でございますが、約44%となっております。この後集計いたしますので、重なった部分とかが減っていくということになると思います。国の調査を見ましても大体4割程度でございますので、低くはないと認識してございます。
 以上です。

◆宿女和子 委員  対象者が2,000人中の44%であるということです。様々な状況の立場の方々がいる中で、まだまだ把握には足りないかなと思っています。先ほども、これからもヒアリングをしていくということでしたが、国もこのこども大綱検討段階で様々な手法を用いて子どもや子どもに関わる多くの方からヒアリングされています。そういった国の姿勢はぜひ見習っていただきたいと思いますが、具体的に何かお考えがあればお示しください。
 よろしくお願いします。

◎ 岡山っ子育成局長  作成に当たっては先ほど申し上げた有識者の意見なども様々聞いていくこととしてございますが、まずは骨子が固まりかける、あるいは固まる前の段階で子ども、若者の声を聞いてみたいと考えております。この方法についてはまだ検討中ではございますが、方向性を岡山市として考える段階でまずは声を聞いてみたいと考えているところです。
 以上です。

◆宿女和子 委員  ぜひ骨子案の前にもたくさんの声を聞いていただければと思います。
 その際になんですが、なかなか大人が書く文章を子どもが理解するのは難しくて、子どもが見て分かる資料を別でつくっていただいて、子どもたちからも意見を伺ってほしいと思いますが、そのあたりいかがでしょうか。

◎ 岡山っ子育成局長  子どもの声を聞く際に、子どもに分かりやすい方法ということだと思いますが、これにつきましては私どもの局に教職員のOBがたくさんいらっしゃいます。小学生、中学生、それぞれに接した経験を生かして、そこの中の人たちで意見をまずは聞いて、それで文案をこなしてから意見を聞きたいと思っております。
 以上です。

◆宿女和子 委員  ありがとうございます。ぜひ市民の声をたくさん聞いて計画策定をお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 保育士確保対策についてになります。
 第3款民生費第10項児童福祉費の中の保育士確保策についてお尋ねします。
 (1)2024年度予算で事業費が4億700万円で、今年度当初の4億3,200万円から少し減っています。事業の目的と内容及び今年度からの変更点について御説明ください。
 (2)事業の中で特に民間保育士等の賃金改善について、平均2%上乗せする予算の財源についてお示しください。
 (3)事業の前提となる民間保育士の給与について、市内の現状がどうなっているか、2020年度以降の推移とあわせて御説明ください。
 よろしくお願いいたします。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 岡山っ子育成局長  2番の項、保育士確保対策について、第3款民生費第10項児童福祉費の中でお答えいたします。
 まず、保育士確保対策につきまして、事業の目的と内容、今年度からの変更点についてです。
 この事業は、待機児童の解消及び保育の質の向上を図る上で、保育士の確保を推進するため4つの事業を行っております。まずは、民間保育士等を対象とする処遇改善事業、2つ目に新たに採用した保育士等を対象とした宿舎の借り上げを実施する保育事業者に対する補助、3つ目に民間保育施設等に採用された保育士等の奨学金返済のための補助を返済から36月行うもの、最後に民間保育士等の業務負担軽減のため、保育士資格を持たない保育支援者を配置するための経費を補助するものでございます。
 事業内容や制度に今年度から来年度に向けての変更はございません。予算額が比較として減っている主な理由としましては、奨学金返済事業の新規受付を令和4年度までで終了しており、この対象者が減ったためでございます。
 次に、保育士確保対策に係る処遇改善の財源でございます。
 これについては全て一般財源でございます。
 この項最後に、民間保育士の給与について、市内の現状と令和2年度以降からの推移とあわせてということでございます。
 民間保育士等処遇改善事業は、平成29年度から実施しております。事業開始に当たりましては、平成26年度に実施した国補助事業である保育士等処遇改善臨時特例事業の実績から岡山市内民間保育士平均賃金月額を算出し、補助額を算定しております。その額を基礎として、制度を変更しながら継続しているものです。
 市内の民間保育士等の給与はその後調査を行っておりませんが、厚生労働省が発表する賃金構造基本統計調査では全国の保育士平均給与は上昇しており、これを基に試算しますと岡山県の保育士の平均給与月額は、令和2年度は27万1,000円、令和3年度は29万3,100円、令和4年度は33万800円と推移しております。
 以上でございます。

◆宿女和子 委員  今お答えいただいたように、待機児童解消のためにこの制度導入をされています。今年度から来年度にかけて市の保育士の加算は変わってはいないんですが、これが導入された当初は3%ありました。希望した園にまだまだ入れていない未入園児が多いことや、保育士の配置基準の見直しで先生1人で見れる園児の人数も減ってきます。まだまだ保育士確保のための対策は必要であると考えています。
 また、先ほどお示しいただいた岡山県の平均給与は上昇しているということでした、令和4年度は33万800円ということなんですが、それでもまだ400万円に届かないんですね。その実態が県のもので、岡山市の実態にどれだけ沿っているのかは分かりません。
 国税庁の令和3年度の民間給与実態統計調査というものでは平均が約433万円というところで、保育士の給与がまだまだ低い状態にあるというのも分かります。減らされて困るという声も民間事業者の方から聞いているところです。物価が上がる中で、保育士がやりがいを持って仕事を続けていくためにも安定した報酬が必要です。再度改善のために見直しをして3%の処遇改善に戻していただきたいと思いますが、御所見をお願いいたします。
◎ 岡山っ子育成局長  処遇改善の積み増し分につきましては、最初平成29年度に2%で始め、令和2年度に3%に上げました。そして、令和4年度に待機児童が解消できたという状態を達成できたことから見直しを行い、見直しを行った上でまだ余裕があるほどには保育士確保はできていないということで、これを収束させるのではなくて2%の状況で続けようという判断をしたものでございます。この状況については来年度も同じ状況ということで、新年度予算には同額をお願いしているところです。
 以上です。

◆宿女和子 委員  まだまだまだ足りていない状況の中で、岡山市の民営化でたくさんの受皿を担ってくれている民間の保育士さんたち、その状況を岡山市がしっかり把握していくためにも一度給与状態を調査してみてはどうかなと思いますが、いかがでしょうか。

◎ 岡山っ子育成局長  給与の積み増しは、保育士確保のために行った事業でございます。現在のところ、待機児童が発生していないという状況を達成できておりますので、保育士は確保できるものと認識しております。このために個別の給与の状態を調査する考えは現在のところございません。
 以上です。

◆宿女和子 委員  待機児童がいないというところが根本的に未入園児にも目を向けていただきたいと思っているんですね。入りたくても入れないという方が令和3年も令和4年も600人以上いるというのも岡山市の抱えている課題だと思いますので、よろしくお願いします。
 次の質問に移ります。
 3つ目、子育て環境の施設整備推進事業について。
 第3款民生費第10項児童福祉費の中で認可保育園施設への入所と市立保育園、幼稚園の廃止と市立認定こども園に関する予算に関してお尋ねいたします。
 (1)子育て環境の施設整備推進事業について、前年度から2号、3号の定員の増減人数を公立園と民間園それぞれお示しください。
 (2)市は、2023年4月に待機児童はほぼ解消したと言われましたが、2月末に2次募集の結果を申込者に連絡しておられます。2024年度の見通しをどのように考えて予算を編成されましたか、教えてください。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 岡山っ子育成局長  3番、子育て環境の施設整備推進事業について、第3款民生費第10項児童福祉費についてお答えいたします。
 2号、3号の定員の前年度からの増減人数を公立園と民間園それぞれを示せ。また、市は待機児童をほぼ解消としているが、2024年度の見通しをどう考えて予算を編成したか、2点につきまして一括して御答弁申し上げます。
 子育て環境の施設整備推進事業の内容ですが、市立こども園の整備としては令和7年4月開園予定の(仮称)西大寺認定こども園の園舎建築及び(仮称)足守認定こども園の開園準備ほか6園の園舎建設や詳細設計を行うものです。
 また、民営化による私立こども園整備としては令和7年4月開園予定の(仮称)加茂こども園、(仮称)馬屋下こども園ほか2園の施設整備補助等を行うものです。
 令和6年度に本事業を推進することにより、令和7年度の2号、3号認定子ども――これは保育要件の子どもさんですが――この定員は前年度と比較して民営化による私立こども園で103人分増加する見込みです。
 一方で、市立園につきましては、移行前の施設の在園児数や教育・保育提供区域の待機児童等の状況を勘案し、開園の前年度に設定することから、現在はお示しすることができません。
 令和6年4月に向けた定員は、令和4年度に出生数の減少を反映して見直しを行った子ども・子育て支援事業計画(計画年度令和2年度から令和6年度)に基づいて提供区域等の需給バランスを見ながら適切に設定しております。
 令和6年度の企業主導型保育事業等の認可外施設を含めた保育の受皿は、申込みの見込みを2,000人分以上上回っており、引き続き保育コンシェルジュによる丁寧な支援をすることで、令和6年4月にも待機児童の解消をほぼ達成できている状態が継続できるものと考えております。
 以上です。

◆宿女和子 委員  この事業費なんですが、岡山市がこれまで進めてきた公立園の統廃合、民営化に関わるもので、これまでも日本共産党市議団が反対してきたものでもあります。先ほどもおっしゃっていただきましたが、今年初めて認可施設の受入れ定員が申込み人数を上回りました。それはすごいことだと思うんですが、それでも未入園児が減っていないという状況は問題だと思います。
 未入園児が減らない理由として、市は保護者が記入する希望園が少ないことを挙げられていましたが、私はその背景には統廃合で公立園が減ったことや、大規模園が増えて子どもを通わせたいと思える園が減ったことも要因ではないかなと思いますが、このことについてお考えを聞かせてください。

◎ 岡山っ子育成局長  岡山市としましては、保育園に入りたい方に対して保育が必要なときに一定の水準が担保された保育施設に預けられる、そういった環境が整っていることを目指して様々な事業を進めてきております。ですので、市民の方、保護者の方が望んでいる、預けたいときに預けられるという状況がかなえられているものと認識しております。
 以上です。

◆宿女和子 委員  この数年間で公立園の定員を減らして、民間にその受皿を大幅に増やして今のような受皿がたくさんある状態になっています。でも、今後子どもの人数が減っていく中で、民間園は定員を抑えて赤字を避ける傾向になってくると思います。経営難になれば急な撤退もあり得ます。全体の受入れ人数に余裕を持たすことができなければ申込みのミスマッチを解消することができず、未入園児の解消も難しいと思います。このことについては市はどのように考えますでしょうか。

◎ 岡山っ子育成局長  定員が今の状態とどう環境が変わっていくかというお尋ねだと思うのですが、先ほど御紹介いただいた1人当たりの子どもさんに対する配置の状況や、新しい保育制度の変更などもございまして、今後の必要な数というのは把握はできないところはございます。けれども、保育環境を持続的に提供するための定員設定の考え方につきましては、こども園があるエリア、また新たに開園するエリア等その周辺を含めた地域全体の需給バランスを見ながら、まずは公立園の定員減を中心に検討していくという方向性をお示ししているところでございます。
 以上です。

◆宿女和子 委員  そうなってくると、民間園はぎりぎりの減らした見込み人数になってくるのかなと思います。
 今岡山市は中学校区に1つこども園ということで進めているんですが、中学校区に1つとなると広域で過疎な地域や要保護世帯の多い地域の受皿がなくなってしまうのではないかと思うんですね。安定的に良質な就学前保育にしっかりと岡山市がこれからも責任を持っていただくことを要望として、次の質問に移らせていただきます。
 子ども関係のことについて今回はいろいろ声を聞きました。
 農業関係の予算についてになります。
 第6款農業水産業費第1項農業費に関して以下、お尋ねいたします。
 (1)農業全体の予算について。
 ア、金額と主な内容及び2023年度に比べて額が減っている要因について御説明ください。
 イ、2025年度までの農業振興アクションプランを踏まえて、岡山市の農業における現状と課題、どう認識して2024年度の予算を編成されましたか。2024年度予算編成の中で重視した点を含めて御説明ください。
 (2)活力ある農業振興事業について。
 ア、活力ある農業振興について、2024年度予算の各事業の額及び前年度から減った理由について、こちらも御説明ください。
 イ、2024年度予算の中で燃料費、肥料代、機械等の修理や更新の費用などに使える補助について、事業内容や予算額を御説明ください。
 ウ、就農サポートセンターについて、運営費用を幾らと見込んで予算編成されましたか。あわせて、予算の積算根拠の一つとなるセンターにおける相談や就農件数について、2024年度見込みと2022年度、2023年度の実績をお示しください。
 (3)子ども食農体験事業について、2024年度予算の額と積算根拠をお示しください。
 積算根拠については事業実施の学校・園の数を2024年度見込みと2023年度実績及び2015年度の実績との比較も含めてお示しください。
 よろしくお願いいたします。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 産業政策担当局長  大きい4番、農業関連の予算について。
 第6款農林水産業費第1項農業費について順次お答えいたします。
 (1)農業全体の予算について、ア、金額と主な内容及び2023年度に比べた減額要因、イ、農業における現状と課題をどう認識して2024年度予算を編成したかについてお答えいたします。
 農業費の予算額は66億5,942万円余で、農業費の中で最も多くを占めるのは農地費の51億2,045万円です。予算減の主な要因は、農業振興費が1億1,713万円余減少したためです。本市においても、担い手不足や高齢化が急速に進んでいることから、新規就農者の確保、意欲ある農業者等への支援を行うとともに、農産物のブランド化を進めることで持続可能でもうかる農業の実現を目指し、2024年度予算を計上しております。
 同じ項、(2)活力ある農業の振興について、ア、活力ある農業の振興について、2024年度予算の各事業の額及び前年度から減った理由についてお答えいたします。
 活力ある農業の振興の予算は新規就農サポート、意欲ある農業者への支援、農産物のブランド化、環境保全型農業の推進の4分野をまとめたものであり、予算額は新規就農サポートと意欲ある農業者への支援を合わせて1億3,680万円、農産物のブランド化が1,930万円、環境保全型農業の推進が2,620万円です。
 2024年度予算の主な減額理由としては、2022年度、2023年度と農地の集約化、大型化のための施設、機械の導入に対し農業者からの補助金申請要望が多くありましたが、2024年度はそれらが落ち着いてきたことなどから補助金の予算額が6,460万円減少したことです。
 (2)のイ、2024年度予算の中で燃料費、肥料代、機械等の修理や更新費用などに使える補助について、事業内容や予算額についてお答えいたします。
 コロナ禍や資源、エネルギー高を受けて燃油、肥料、農業用資材など高騰対策として補助制度を創出して対応してまいりましたが、ここのところ肥料価格が下落するなど価格が落ち着いてきたことなどから、2024年度予算には計上しておりません。
 同じく(2)のウ、就農サポートセンターの運営費用を幾ら見込んだか、センターにおける相談や収納件数について2024年度見込みと2023年度実績についてお答えいたします。
 就農サポートセンターは、2009年度から農林水産課内に設置しており、専門の相談員と農林水産課の職員が連携し、就農相談やフォローアップの業務を行っております。運営費用としては東京や大阪で開催される就農相談会の参加に係る費用として会場使用料88万円と旅費58万円余を予算措置しております。
 2023年度実績は、年度途中のためお答えできませんが、2022年度の相談件数は219件、就農者数は39人、2024年度は就農者数50人を目標に新規就農サポートを行ってまいります。
 この項最後に、(3)子ども食農体験事業について、2024年度予算額と積算根拠。積算根拠については事業実施の学校・園数を2024年度見込みと2023年度実績及び2015年度実績との比較も含めて示せについてお答えいたします。
 予算額は227万円余で、90の学校・園で事業実施を見込んでおり、内訳は指導者に対する謝礼として209万円余、堆肥の助成に係る費用が18万円余となっております。
 また、2023年度に実施した学校・園数については年度途中のためお答えできませんが、2015年度は84でした。
 以上でございます。

◆宿女和子 委員  ありがとうございます。
 農業費全体の予算についてなんですが、岡山市全体の予算はどんどん上がっている一方で、農業に関わる費用割合が2015年は全体の2.12%だったのに対して、それでも少ないと思うんですが、来年度は予算は僅か全体からの1.7%に減少しています。岡山市は政令市の中でも農地が多い地域です。そのポテンシャルをぜひ生かした政策をしてほしいんですが、残念ながらどんどん農業事業者は失われていっています。私たちの食を支えてくれている農業に割かれる予算があまりにも少ないことを指摘します。
 これから先の食を支えていくためにも、農産物の価格保障や燃料や肥料代の補助、またこの春から水道料金の値上げ、この影響はお花の栽培や苗の販売をしている農家さんにお伺いしたところ、現時点でも2か月で28万円の請求が来ている、そういった事業をやっている中で、下水道が通っていない地域なので、全額その値上がりの部分なんですね。その価格転嫁は難しいので、赤字となる事業はやめなくてはいけないと本当に切実に困っておられます。こういった営農を続けていくための補助をもっともっと充実させていくべきだと思いますが、いかがでしょうか、御所見をお願いします。

◎ 産業政策担当局長  生産者やJAの方々など、関係者と協議しながらどのような対策が必要なのか、協議しながら我々としては事業を行ってきているところと認識してございます。
 以上です。

◆宿女和子 委員  生産者さんの声をどのように聞かれているのでしょうか、教えてください。

◎ 産業政策担当局長  生産者さんの声というのはそれこそ市議会議員の皆様を通して聞くこともありますし、JAさんを通して聞くこともありますし、我々生産部会のほうにも足を運んでおりますので、そういったところでお聞きしています。
 以上です。

◆宿女和子 委員  そういうところに声が直接農家さんのほうから届いていないところに関しては、なかなか把握ができない状況なのではないかなと思います。自助努力だけでは農業がなかなか難しい部分もあると思いますので、その実態を市としても積極的に把握していただければと思います。
 先ほどお答えいただいた中で、就農サポートの事業でたくさん相談に来られているようなんですが、なかなか就農に至らなかった方もいらっしゃるようです。断念した方の課題、どうして断念したのかということが分かれば教えてください。また、その解決策、来年度に向けてどのように解決を考えているか、教えてください。

◎ 産業政策担当局長  就農サポートセンターに相談に来られる方々って、今にも始める、直前までできているような方々とか、いろんな方々がいらっしゃいます。それで、スムーズに移行される方々と、それから例えば農業に漠然としたイメージがあって、農業をやってみたいんだけど、どんなところに行ったらいいんですかねというような、そういった御相談のほうも受けさせていただいています。
 宿女委員がおっしゃるように、途中で断念したというよりは相談が200件幾らあって大体30名から40名前後、新規就農者が岡山市に来てございますけれども、やってみたいんだけどというフェーズの方々には1日農業体験であるとか、農業を知ってもらうためにこんなところに行ったらいいですよとか、それからあと新規就農希望者の体験研修、市として独自に体験研修も受けていますので、そういったところでライトな層というか、これから本当にどうやって始めていこうかという層はそういう対応をさせていただいています。
 それから、真剣に例えばじゃあ補助をもらってやっていきたいという方々に対しては伴走支援というのをやっていますので、相談の途中で挫折というか、やめたというよりは、そういうことで件数とそのニーズの差があるのかなと我々としては認識しているところです。
 以上です。

◆宿女和子 委員  最後、農業で体験事業についてもっともっと担い手育成のためには子どもたちが農業に触れ合うときを増やしていただけたらなと思います。農林のほうでもさらに進めていただきたいです。
 そして、教育長にお伺いするんですが、中学校の職場体験でも農業を選択肢に入れていただけたらなと思いますが、御所見をお示しください。

◎ 教育長  中学校2年生の職場体験でということですが、学校がやっている取組ですので、どういうことができるか、研究していきたいと思います。
 以上です。

◆宿女和子 委員  ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。
 すいません、5つ目の項目については飛ばさせてください。
 6つ目の介護事業については、介護保険費特別会計予算についてになります。
 第5款保険給付費第1項介護サービス等諸費第1目居宅介護サービス給付費についてお聞きします。
 (1)2024年度予算では、今年度に比べて約17.5億円減っています。このたび見直す第9期計画の中では訪問介護の利用者が増え続ける、そういった状況なのになぜこういった額になるんでしょうか、その理由をお示しください。
 (2)国が介護報酬のうち訪問介護サービス事業所への基本料減額を決定しました。このことが2024年度予算にどう影響しているか、御説明ください。
 お願いします。

◎ 保健福祉局長  6番、介護事業についての項、介護保険費特別会計予算、第5款保険給付費第1項介護サービス等諸費のうち、居宅介護サービス給付費の予算のほうが今年度と比べると減っている理由ということでございます。
 介護給付費の予算は、介護保険事業計画における介護サービス給付費の推計に基づいて計上しておりますが、令和5年度を含む第8期の計画期間中には新型コロナウイルス感染症の流行がございまして、通所介護が減少した一方で訪問介護が増加するなど、介護サービスの利用に変化が生じたところでございます。その結果、令和5年度の給付実績は計画値の約95%で推移している状況でございまして、こうした介護サービスの利用の動向の変化や介護報酬改定等も踏まえまして、来期、第9期――令和6年度から令和8年度なんですけれども――この計画期間における給付費を見直した結果といたしまして、令和6年度の居宅介護サービス給付費が令和5年度より減少したものでございます。
 次に、国が訪問介護サービスの基本料を減額したが、令和6年度の予算にどう影響しているかということでございますが、このたびの予算編成に関わる介護サービス給付費の推計に当たっては、介護報酬改定率プラス1.59%を各サービス給付費に一律に反映させて見込んでございますので、予算への影響という意味ではございません。
 以上でございます。

◆宿女和子 委員  この件に関しては、日本共産党市議団としてこれまで繰り返し介護従事者への不足に根本的な解決として処遇改善を求めてきたところです。しかし、残念ながら新しい計画の中で市の対策として訪問ステーションの見学や体験を主とする短期研修の機会を設けるのみにとどまっています。介護事業従事者の不足は課題となっているところです。
 国が決めた訪問介護サービス事業所への基本料金の減額は、特に一軒一軒時間をかけて訪問する事業所が経営難になってしまうということです。処遇加算があったとしても、それが職員の賃上げになるとは限らないという声も聞いています。あるケアマネさんは、ヘルパーは整備の整った施設での介護とは違って様々な利用者さんのお宅へ一軒一軒伺って本当に大切な、介護の中でも大変な仕事だと話されていました。そういった仕事をされている方を大切にしていただきたいと思っています。
 これからの介護人材に備えて岡山市独自で報酬、介護者への処遇加算が必要だと考えますが、御所見をお聞かせください。

◎ 保健福祉局長  岡山市独自でということでございますけれども、そのような考えについては今のところございません。
 以上でございます。

◆宿女和子 委員  国の改定に沿ってやっている事業所なんですが、自助努力ではどうしようもならない部分がたくさんあります。岡山市は人ごとにはせずにぜひ状況を把握していただきたいと思います。個々の状況の把握をお願いします。

◎ 保健福祉局長  実際、各事業者について設備とか人員基準、運営基準等について確認、指導を行う機会というのはございますけれども、財務状況とか経営状況ということにつきましては、社会福祉法人の場合を除いて基本的には基準等はございませんので、把握というのはなかなか難しいところではございます。ただ、我々としても先ほどからあります報酬改定の経営への影響については、これは当然課題認識を持っておりまして、指定都市間でも情報共有させていただきながら国のほうに対しても将来にわたって継続した介護サービスの提供を可能とするような適切な単価、当然財政的な分も含めてなんですけれども、要望活動も行っているところでございまして、我々が持っているチャンネルでどの程度情報の感度を上げて拾えるかというところはあるとは思うんですけれども、状況については注視してまいりたいと考えております。
 以上です。

○則武宣弘 委員長  以上で宿女委員の質疑は終了いたしました。
 質疑の途中でありますが、午後1時まで休憩いたします。

    午前11時59分休憩
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