録画中継

令和6年6月定例会
6月17日(月) 本会議 一般質問
公明党岡山市議団
平元 道隆 議員
1 こども総合相談所の体制について
2 市立幼保連携型認定こども園の整備後の対応について
 次は,順序に従いまして平元議員。
     〔25番平元道隆議員登壇,拍手〕
◆25番(平元道隆 議員)  皆さんこんにちは。公明党岡山市議団の平元です。
 通告に従いまして質問させていただきます。
 1,こども総合相談所の体制について。
 令和5年度の虐待通告件数は,昨年度と比較し,微減となったものの高止まりの状況と言えます。令和4年1月に本市で発生した被虐待児童死亡事例を受け,外部有識者から成る市児童福祉審議会による提言等を受け,こども総合相談所の体制強化に取り組まれています。
 そのような中,児童相談所,一時保護所のさらなる業務の質の向上を図ることを目的に第三者評価を受審され,先日,令和5年度岡山市こども総合相談所の第三者評価の結果が公表されました。
 報告書の中で,よいと評価された事項については,多様な専門職の配置が行われていること,一時保護における積極的な外部機関への委託保護の活用や居室の個室環境等が評価されています。
 また,職員への評価として,業務量の多さのみに打ちひしがれることなく,若手も含めた各セクションの所員が,その時々の子どもへの対応をチャイルドファーストの視点で実践し,子どもについて的確に語ることができており,高く評価しますとされています。
 これらの評価は,様々な相談に対して職員の方々が懸命に対応していただいていることの証左であると思います。
 その一方で,課題とされた事項については,職員配置は国の基準を満たしているが,業務量が膨大であり,適切な調査や支援を行える数を大幅に超えているとの指摘や,産前産後の休暇や育児休業の代替職員に関しても確保できていない等の職員実働数の不足が指摘されています。
 そのほかにも,地域こども相談センターとの役割分担が不明瞭,相談受理から終結までが適切に構造化されていない等が指摘されています。
 今回の報告書は,基本的にはこれまで市児童福祉審議会からの検証報告書による指摘事項と同様に,組織,人員体制の見直しなどが指摘されている内容となっていると思います。当局として,既に認識している課題を第三者機関による評価により,市として逃げることのできない課題とし,改善していくとの決意を示すための受審であったと受け止めたいと思います。
 以下,お伺いします。
 (1)職員実働数の不足について,適切に調査や相談支援を行える数を大幅に超えているとの指摘や,専門職の育児休業代替への課題について,どのように取り組んでいるのかお聞かせください。また,増員した職員の継続性についてもお聞かせください。
 (2)地域こども相談センターとの役割分担については,これまでも指摘されてきました。どのように整理して進めていかれるのかお示しください。
 (3)業務の負担軽減について,どのように取り組んでいるのかお聞かせください。また,ICT推進はどの程度進んでいるのかお聞かせください。
 (4)虐待死亡事案を受けて,様々なガイドラインの策定により,その事務処理と情報共有に忙殺されているとの指摘は考えさせられるものがあります。現状認識とその対応についてお聞かせください。
 (5)今回の第三者評価は,児童相談部門と一時保護部門の言わば内部的な評価であると思います。今回の評価に加え,児童養護施設等の外部の関係機関との情報共有などの連携についても,検証や評価が必要ではないかと思いますが,御所見をお聞かせください。
 (6)令和6年4月施行の改正児童福祉法により設置が努力義務とされたこども家庭センターについて,体制整備の検討状況についてお聞かせください。
 (7)今回の報告書を受け,岡山市として子どものことを思った体制の強化,質の向上をどう前に進めていくのかが大切であると思います。御所見をお聞かせください。
 2,市立幼保連携型認定こども園の整備後の対応について。
 本市では,限られた人員や財源で将来にわたり安定的に良質な就学前教育・保育を提供することなどを目的に,36中学校区に1園ずつ市立幼保連携型認定こども園の整備を進めています。
 令和6年4月現在で22園が開園し,令和11年4月までに30園が開園の予定です。
 保護者や地域関係者の中に入って,民営化や統廃合等の難しい交渉や調整に御尽力されている職員の方々に改めて感謝を申し上げます。
 こども園整備が進められる中で,統廃合の対象となった園の保護者,地域関係者の方から相談をいただきました。
 その学区にあった園は,小学校と同一敷地内にあり,園と小学校の交流が日常的に行われていました。例えば,園の年長と小学5年生との交流など,園児にとっては,来年度,自分たちが通う小学校のお兄さん,お姉さんと交流ができ,また小学5年生にとっても最高学年の6年生になるんだとの意識を自覚する機会として行われてきました。
 しかし,その園は新設の認定こども園として移転したことにより,同一敷地内ではなくなり,交流が難しくなっているとのことでした。新設のこども園までは片道2キロあり,歩いていけない距離ではありませんが,行くとなれば交流の時間より移動の時間のほうが長くなってしまう可能性もあります。
 現在,こども園ではなく小学校のほうで何か方策はないかと準備していただいているようですが,実施は確定していません。旧園から新設のこども園に通園している園児もいる中で,昨年度までは当たり前のこととして行われていた行事を現在の年長児にも経験させてあげたいとの御相談でした。
 現時点で園と小学校の交流の実施が確定していないことは残念ですし,万難を排して実施していただきたいと思います。また,そもそも就学前保育・教育と小学校教育との接続については,これまで岡山市が大切にしてきたことではないかと思います。
 こども園整備を進めていく中で,保護者や地域関係者への説明では,今まで市立園が行っていた地域との交流や小学校との連携等については,可能な範囲で継続していく旨の説明をされています。
 以下,お伺いします。
 (1)統廃合の対象となった園について,新設のこども園へ移行後,それまで行われていた地域との交流や小学校との連携等の現状についてお聞かせください。また,保護者や地域関係者へ行った可能な範囲で継続していくとの説明を当局としてどのようにフォローされているのかお聞かせください。
 (2)就学前保育・教育と小学校教育との接続について,岡山っ子育成局の御認識をお聞かせください。
 (3)本来は,園と小学校の交流については,各園,各学校で行っていくものだと思いますが,こども園整備に由来するものは,市として責任を持った対応が必要であると思います。
 保護者や地域関係者との信頼関係で整備を進めてきた経緯からも,岡山っ子育成局が園と学校の間に入り,調整をすべきではないかと思いますが,岡山っ子育成局の御認識,御所見をお聞かせください。
 (4)新しい園と距離がある場合,交流時にバス等の手段が必要になることもあると思います。移動手段の確保等の費用負担についても,こども園整備に由来するものは同様に考慮する必要があると思いますが,お考えをお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  それでは,平元議員の質問にお答えします。
 私は,こども総合相談所の体制についてということで,第三者評価の報告書を受けての所見ということであります。
 平元議員,この質問をつくられる過程,話はしておりませんけれども,多分大きく報道された新聞等々のものを見て心配されたんだろうと思います。こういう第三者評価が出るときに,担当者からもすぐに,こんな評価が出ますという話をされました。それが真愛ちゃん事件の後に第三者の評価をきちっとやったほうがいいんではないかといった狙いはきちっと当たっているということは一つ言えるんではないかなと思います。我々緊張感を持って,そういう児童虐待に対してどうしていくかということを常に考えていかなければならないということだろうと思います。
 中身はもう聞かれていると思います。第三者評価が行われたのは令和5年9月でありますけれども,評価時点では,産休等の職員が7名と多く,職員63名のうち実働数が56名となっていたということで,実働数の不足が指摘されております。これではまずいということで体制強化して,10名の正規職員の増員を確保して,さらに児童福祉司の指導を担うスーパーバイザーを4名として体制強化を図ったわけであります。
 ただ,去年の9月にそうであったという事実は紛れもない事実でありますので,我々は反省しながら,こういうことがないようにきちっと今回行ったような強化をして,万全を期してまいりたいと思います。
 以上です。
◎榎並義忠 岡山っ子育成局長  1番,こども総合相談所の体制についての項,市長答弁以外について順次お答えします。
 まず,職員実働数についてです。
 令和5年の第三者評価受審後,育休職員への対応や組織の体制強化に向け,専門職を中心に10名の正規職員を増員しました。今後も必要な人員確保に向け,関係部局と協議してまいります。
 次に,地域こども相談センターとの役割分担,業務負担軽減とICT推進,ガイドライン策定による事務処理等について一括してお答えします。
 地域こども相談センターとの役割分担については,令和6年度から役割分担の明確な判断基準を定めたガイドラインを基に,両機関が共通のアセスメントシートを活用し,情報共有しながら,適切な役割分担の下でケースの支援を行っているところです。
 これにより一定の業務が増加した部分もございますが,アセスメントシートの様式の見直しや児童相談システムの改修による資料作成の効率化を行い,対応しているところです。
 次に,児童養護施設等との連携についてです。
 今回の第三者評価では,児童養護施設入所後の対応,連携が不十分であるとの課題が指摘されました。その指摘を受けて,こども総合相談所では現在,児童の幅広い情報の収集や施設への提供,施設への定期的な訪問や意見交換に努めているところです。
 今後も引き続き児童養護施設等の外部機関とのさらなる協働体制の構築に取り組んでまいります。
 次に,こども家庭センターの体制整備についてです。
 こども家庭センターにつきましては,令和6年3月に国からガイドラインが示されました。これを踏まえ,現在はこども家庭センターの具体的な役割や業務について,関係部局と定期的な協議を重ねております。支援が必要な妊産婦や児童に応じたサポートプランの作成など,一部業務については年内の施行を目指しているところです。
 次に,2番,市立幼保連携型認定こども園の整備後の対応について,順次お答えします。
 まず,こども園移行後の連携についてです。
 市立こども園の移行後における地域との交流や小学校との連携の現状については,こども園や小学校のカリキュラムなど様々な状況を踏まえ,従前どおり実施しているものや見直したものがある状況です。
 また,開園後2年間は本庁職員がこども園を定期的に訪問し,職員から聞き取り等行いながら運営全般について情報交換や支援を行っており,その後も必要に応じ,随時支援を行っているところです。
 次に,就学前保育・教育と小学校教育との接続についてです。
 乳幼児期の子どもの発達や学びは,小学校以降の生活や学習の基盤となるものであり,就学前保育・教育と小学校教育との円滑な接続は重要であると考えております。引き続き教育委員会とも連携し,就学前施設と小学校とが対話や協働しながら,幼児教育と小学校教育の接続が円滑に進むよう努めてまいりたいと考えております。
 次に,こども園と小学校の交流について,また移動費用について一括してお答えします。
 市立こども園と小学校の交流については,各学校・園が実情を踏まえて実施内容や移動手段を検討した上,実費負担が必要な場合には保護者負担になるのが原則です。
 また,整備された市立こども園と小学校の間に様々な調整事項が生じた場合には,岡山っ子育成局としてできる限りの調整をしてまいりたいと考えております。
 以上です。
     〔25番平元道隆議員登壇〕
◆25番(平元道隆 議員)  御答弁ありがとうございました。市長もありがとうございました。
 1番のこども総合相談所の件については,一番最悪な時期の評価で,今は改善しつつあるという認識を共有させていただけたらと思います。今後も子ども第一とした上で,専門職の方の確保であるとか,業務負担の軽減を図るというのは継続して行っていただきたいと思います。
 1個この1番で再質問だけさせてください。
 一時保護所の第三者評価については義務化されていると思います。児童相談所部門については,任意だと思いますので,これは今後どのようにされるのか,引き続き私は受けたほうがいいと思いますけど,受けていかれるかどうかというのをお聞かせいただければと思います。これが1つ。
 2番目のこども園のところでございます。結構冷たい御答弁だったと思いますが,地域の関係者の方は,このこども園整備で本来負わなくてもいい責任を負っていると思います。たまたまこども園を整備する時期にそこに住んでいて,その会長とかの役に就いていらっしゃる,それだけだと思います。でも,地域で関わってきたことなどの過去からの経緯がある中で,自分たちが決めたくはないけど,その地域の子どもたちのことを思って関わって決断してきたという部分も大いにあると思います。
 その人たちがこれまでできていた行事とかができなくなって,あんたらが決めたけえこうなったんじゃがと少なからず言われる,その方々が。説明会とかでは,これまで行ってきた行事は継続しますという説明をずっとされてきた,それを信じてみんな動いてきた部分があります。何も変わりませんと。いざ開園して,当然行われるだろうと思っていた行事は,実は難しいんですと言われる。担当課は,説明した担当課から今度は違う担当課に変わっている。園にも言おうと思うけど,開園したばっかりでばたばたしていてとても相談できる状況にない。今局長が御答弁いただいたように,岡山っ子育成局からは,基本的にはやるようになっていないんで難しい,そういう一言が予想されるような形になっている。言葉が悪いですけど,結局泣き寝入りするような格好なんじゃないかと。あんまりなんじゃないか,そういうお声もありました。
 場所が物理的に変わっているのでもちろんできるとか,できないとか当然あると思います。まずは,僕が思うには,地域の方の思いの部分にしっかり寄り添っていただいて,一緒に考えていく姿勢というのが必要なんじゃないかなと思います。その部分を踏まえて,もう一度局長のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
◎榎並義忠 岡山っ子育成局長  2つ再度の御質問をいただきました。
 1つ目は,第三者評価を今後も行うかどうかということでございますが,こういった第三者評価を受けますと改善点が浮かび上がってきて,組織の改善にプラスになると思いますので,今後も定期的に,毎年とは言いませんが,受けていきたいと思っております。
 それから,もう一つ,先ほどのこども園の関係の件でございますが,地元の方の御意見も十分聞かせていただきますし,我々も丁寧に説明させていただこうと思っております。今回のような具体的事案のようなお話も聞いておりますので,これからしっかりできる限りの調整に入らせていただこうと思っております。
 以上でございます。
     〔25番平元道隆議員登壇〕
◆25番(平元道隆 議員)  局長ありがとうございます。ちょっと安心しました。
 最後,市長,もう一回だけ聞いてもええですか。今回の議会で新アリーナのことがたくさん取り上げられていると思います。本当に個人的な考えですけれども,市長の立場からすれば,しっかり将来のことを考えればやらないという選択肢も,こんだけ批判が,二分するような結果になるんであればやらないという選択肢もあった中で,将来の岡山市というか,岡山のことを考えてくださって御決断いただいて,あえて火の中に入っていただくような格好の決断をしていただいたことなんだと僕は思います。本当にすごいなと思いますし,僕自身も一緒にお支えしたいなと思っております。
 市長が就任されて,大森市政11年目でございます。このこども園整備というのは,これも大きな政策だったし,実績なんだと思います。なかなか手をつけにくい部分にあえて手を突っ込んで来られて挑まれてきた,その結果だと思います。
 今回質問させていただいたのは,こども園整備もいよいよ仕上げのときに来ているんだろうと思います。どんなにいい政策も,この最後の仕上げがうまくいかないと,どっかで敵を取られるというか,そういうことになってしまうと思うので,統廃合された園の今まで大切に関わってきた方々の思いも含めて,市長の最後御発言をいただければと思いまして,よろしくお願いします。
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  平元議員の御指摘であります。この10年間,11年間に近くなりましたけれども,私の市政のエナジーの相当部分,この子育て関係に注いだつもりであります。そういう面では,認定こども園もその一つであり,旧幼稚園部分と保育園部分を一緒にするわけですから,プラスも出てまいりますが,それなりの指摘もあるわけであります。特に今,平元議員が御指摘になっているところは,統合してそういうことになっているということであれば,様々な問題も生じ得るわけであります。
 そういう面で,実は我々,副市長とか総務局長と議論するときに,岡山っ子育成局のメンバー,今日は榎並が局長として答弁させていただいておりますけれども,地元の人たちと十分寄り添っていけるメンバーを集めてやらせていただいているところでもあります。御指摘の箇所も想像はできるところでありますが,そういったところでそれぞれの関係者の皆さんと十分話しながら,一番重要なのは子どもたちが健やかに成長していける,そういう環境づくりだろうと思います。それに向けて支障がないように対応していきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○森田卓司 副議長  以上で平元議員の質問は終わりました。(拍手)
 質問の途中でありますが,しばらく休憩いたします。
      午後2時52分休憩
ご利用について
  • この議会中継は岡山市議会の公式記録ではありません。
  • 録画中継は、会議の翌日から起算して、おおむね3日後(土、日、祝日を除く)からご覧いただけます。ただし、編集の都合上、配信が遅れる場合があります。
  • 映像配信を多数の方が同時にご覧になった際に、映像が正しく表示されない場合があります。
  • 「岡山市議会インターネット議会中継」に掲載されている個々の情報(文字、写真、映像等)は著作権の対象となります。岡山市の許可なく複製、転用等を行うことは禁止されています。