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桑田 桂子 議員
令和5年11月定例会 12月8日(金) 本会議 一般質問
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内容
会議録
令和5年11月定例会
12月8日(金) 本会議 一般質問
公明党岡山市議団
桑田 桂子 議員
1 避難所としての小・中学校体育館への空調設備設置について
2 高齢者補聴器購入費助成事業について
次は,順序に従いまして桑田議員。
〔15番桑田桂子議員登壇,拍手〕
◆15番(桑田桂子 議員) 皆様おはようございます。公明党岡山市議団の桑田桂子でございます。
それでは,質問に入らせていただきます。
大きい1番,避難所としての小・中学校体育館への空調設備設置について。
本年10月,公明党会派で神戸市へ体育館空調設備設置状況の視察に行ってまいりました。
まず,神戸市の学校施設全体の空調設備の整備状況について御紹介いたします。
令和5年度における神戸市内の小学校161校,中学校80校,義務教育学校2校が対象です。全校について,普通教室と特別支援教室は全室整備済み,特別教室は窓を開けることのできない教室と科目専門教室は整備済み,多目的室は利用実態に応じ整備中です。体育館につきましては,中学校体育館は令和2年に整備済み,小学校体育館は令和5年度完了予定となっています。
次に,神戸市が体育館の空調設備設置に至った経緯と背景を御説明いたします。
神戸市では,平成30年7月の豪雨,同年8月・9月に発生した台風20号・21号の襲来が大きく影響していました。特に神戸市の被害が大きかった台風21号発生の折には各小・中学校体育館に避難所が開設され,被災された多くの方々が避難。避難所では不安と異常な猛暑で眠れない夜を過ごされたそうです。この災害を通し,市民の皆様から「全ての体育館に空調設備を設置し,避難者が少しでも快適に過ごせるようにすべきである」との声が多く寄せられました。
あわせて,災害があった平成30年の暑さは,気象庁が災害レベルであると発表するほどの酷暑でした。この酷暑についても,市民の皆様から「異常な猛暑は災害そのものである。異常高温から子どもたちを守るため,体育館の空調整備は急務である」という御意見がありました。
以上の点から,神戸市は,災害発生時における避難所として体育館の空調設備の設置は必要であるとの結論に至り,教育委員会が全小・中学校の体育館に空調設備を設置する取組をスタートされました。
そして,災害の翌年,平成31年から,まずは中学校体育館への整備が開始し,令和2年に完了,令和3年から小学校の体育館の整備が開始し,今年度完了予定となっています。
では,具体的にどのような空調設備がどういうふうに設置されているのか,お手元の資料を御参照ください。両面になっております。
神戸市の体育館は,全館空調ではなく,業務用のつり下げ型,壁かけ型等の空調設備を,体育館の広さや形状に応じて台数を決めて設置しています。加えて,冷やす戦略として,スポットクーラーやサーキュレーターを併用して使用されているとのことでした。
全館空調にするには,多額の費用と期間が必要になり,電源設備も考えなくてはなりません。しかし,このような様式を取ることで,空調設備設置費用や電気設備等の工事費用も抑え,工事期間も短縮することができます。
次に,経費ですが,令和2年度までに整備が完了した中学校等82校の合計金額が決算ベースで約8億5,000万円で,1校当たり約1,000万円で設置ができた計算になります。あわせて,その財源は,国が創設している緊急防災・減災事業債,いわゆる緊防債を活用されていました。
この緊防債は,東日本大震災を教訓として,喫緊の課題である防災・減災対策のための地方単独事業を全国レベルで早急に進めることができるように創設された地方債で,充当率は100%,元利償還金に対する地方交付税措置率が70%と手厚い財政措置となっており,自治体の実質的な負担は30%で済みます。
神戸市の体育館の空調設備設置は,災害時の避難所としての施策であることから,この緊急防災・減災事業債が活用できたのです。この緊防債を活用すれば,例えば10億円の経費だったとしても,自治体の負担は3億円で済むということになります。
神戸市の実例で申しますと,1校当たりの自治体の負担が約300万円で済んだという計算になります。その後の物価上昇等は鑑みる必要がありますが,予想以上に安価で設置することができるのではないでしょうか。
しかしながら,注意しなければならないのは,この施策も期限が設けられており,令和7年度までの時限措置となっていることです。
また,体育館空調設備の使用基準については,明確な使用基準は設けていないとのことでしたが,マニュアル,ガイドラインを用いながら,学校現場における判断を尊重されているとのことでした。
(1)災害時の避難所についてお伺いいたします。
本市の避難所として,小・中学校はどのように位置づけられていますでしょうか。御所見をお聞かせください。
(2)本市の財政の負担軽減からも,防災対策については,緊急防災・減災事業債の活用は非常に有効な手段だと思います。
そこで危機管理室が行っている事業についてお尋ねいたします。
ア,緊急防災・減災事業債の活用について御所見をお聞かせください。
イ,本市として緊急防災・減災事業債を活用した取組は何かされていますでしょうか。
ウ,今後検討されている施策はございますでしょうか。
(3)本市でも,昨今の気象状況の変化や近い将来発生が予測されている南海トラフ巨大地震などの大規模災害や毎年の酷暑に対する備えが急務と考えます。
これまでの議会の御答弁で,小・中学校の体育館への空調設備の整備は教育上直ちに必要ないとのことでしたが,毎年夏になると岡山市消防局管内でも熱中症による救急搬送者数が急増し,消防局からも注意喚起がされます。
岡山市のホームページでも,熱中症の予防のポイントとして,水分補給と暑さを避けることが大切と記載があるとおり,室温を下げる施策は重要です。また,本年の防災訓練の折にも,体育館に多くの市民の皆様が避難したときに,暑さを回避できず,体調不良者が続出し,二次災害が発生するのではないかとのお声もありました。
以上の点からも,避難所としての観点から,小・中学校の体育館に空調設備は必要だと考えます。本市の負担を最大限に軽減するため,緊急防災・減災事業債を活用し,空調設備設置を御検討されてはどうでしょうか。御所見をお聞かせください。
大きい2番,高齢者補聴器購入費助成事業について。
超高齢化社会を迎え,認知症対策が喫緊の課題となっています。団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われており,加えて認知症の前段階の軽度認知障害の方を含めると約1,400万人に達すると予測されています。
本年,共生社会の実現を推進するための認知症基本法も成立し,基本理念に基づき,認知症施策を国,地方が一体となって講じていくという強い意志が示されました。認知症対策とは,認知症になる前にいかに予防できるかも重要ではないかと思います。本市でも,真剣に認知症対策に取り組み,具体的な施策を検討すべきだと考えます。
2019年にWHOは認知症予防ガイドラインを発表し,このガイドラインには難聴が認知症のリスクになり得ると記載されています。また,様々な研究から,難聴は認知症の危険因子であり,難聴への介入は認知症予防として最も有効であることが明らかになっています。
加齢性難聴をはじめとする聴覚障害も超高齢化とともに急増しており,70歳を超えると約半数の方が難聴になると言われ,補聴器工業会の調査によると,日本における難聴者数は約1,430万人とも言われています。重ねて難聴を自覚している人も含めると,難聴者は2,000万人以上いるとも言われています。難聴になると相手の言葉が聞き取れず,会話が難しくなり,人と関わることを避け,家族や社会から孤立し,生活の質や生きる意欲まで低下すると言われています。
聴覚は言語及び思考,情動にも深く関わっており,コミュニケーション機能の中枢として極めて重要な感覚であり,ほかの感覚に比べて認知症との関係が強いと考えられています。さらに,認知症の約8割は難聴の放置が背景にあるとも言われています。したがいまして,軽度認知障害の時点で難聴がある場合は,できるだけ早く補聴器の装着など対策を考える必要があると考えます。
(1)本市での認知症予防,認知症対策についてお伺いいたします。
ア,現在,本市で取り組まれている認知症予防の施策,啓発等を教えてください。
イ,認知症基本法の成立を受け,今後予定されている施策はございますか。
(2)加齢性難聴者についての状況をお伺いいたします。
ア,本市で把握されている加齢性難聴者の方は何名でしょうか。
イ,本市の加齢性難聴者の方で補聴器を使用されている方は何名でしょうか。
ウ,日本の難聴者数は世界で3番目に多いと報告されています。しかし,補聴器の普及率は欧米諸国に比べて極めて低く,欧米諸国の普及率は30%から40%,日本は難聴者人口の13.5%だそうです。
補聴器を御利用されている方にお話を伺ったところ,効果は高いが,価格もひどく高いと言われていました。補聴器を購入したくても高額で買えない状況の方も多くおられ,補聴器が普及していない理由の一つに挙げられます。
他都市では,認知症予防の観点から補聴器の購入費助成制度が次々と創設されています。本市でも,認知症対策として加齢性難聴者に対しての補聴器の購入費用の助成を御検討されてはどうでしょうか。御所見をお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。
御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
○田口裕士 議長 当局の答弁を求めます。
◎荒木昭彦 危機管理監 1,避難所の小・中学校体育館への空調設備設置についての項に順次お答えいたします。
まず,避難所としての小・中学校の位置づけについてです。
市立の小・中学校は,避難者が災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在できる指定避難所として地域防災計画に位置づけております。
次に,緊急防災・減災事業債についての所見,活用事例,今後の取組についてです。
緊急防災・減災事業債は,非常に有利な財源であると認識しております。これまで緊急防災情報システムや備蓄倉庫の整備事業などに活用しています。今後も可能な限り活用してまいりたいと考えております。
次に,緊急防災・減災事業債を活用して空調設備の設置を検討してはとの御質問についてです。
避難所は小・中学校等の既存施設を災害時に使用するものであり,避難所の暑さ対策として現在全ての市立小・中学校等にスポットクーラーを配備しているところでございます。
なお,避難所において,その環境に対応が困難な方が生じた場合には,状況に応じて空調設備のある避難所や協定先のホテルなどへ移送することとしております。
また,避難生活が長期化した場合には,避難所にレンタル等による空調機器の設置や避難所を空調設備のある施設へ集約するなどの対応を行うこととしております。
一方で,避難所のさらなる環境改善は必要と考えており,神戸市の対応も参考にしながら引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
◎後河正浩 保健福祉局長 2番,高齢者補聴器購入費助成事業についての項,順次お答えいたします。
まず,認知症予防の施策,啓発等についてですが,認知症施策推進大綱や第8期介護保険事業計画等を踏まえまして,あっ晴れ!もも太郎体操,介護予防教室など通いの場への参加の促進や,フレイル対策事業の充実,認知症早期発見のためのチェックリスト配布や,認知症サポーター養成講座実施を通じた正しい認知症に関する知識の普及啓発など,様々な取組を行っているところでございます。
次に,認知症基本法の成立を受け,今後予定する施策についてでございます。
認知症基本法の施行に向けて,国が策定する基本計画の内容を踏まえまして,認知症施策の推進に取り組んでまいります。その中でも,特に認知症高齢者の家族に対する家族介護者支援を推進してまいりたいと考えております。
次に,本市での加齢性難聴者の状況について,難聴者数,それから補聴器使用者数の2点についてでございます。
岡山市としての数字は持ち合わせてございませんが,国の推計によりますと,全国70歳以上の高齢者のうち,日本聴覚医学会の基準に基づく25デシベル以上の音でないと聞き取れない難聴のある方は6割を超えるとされております。
一方,岡山市でも令和4年度に実施いたしました高齢者実態把握調査におきまして,外出を控えている方にその理由を尋ねましたところ,聞こえに問題があることを理由とした方は,要支援・要介護認定者で16.1%,それ以外の元気な高齢者の方でも4.9%といった結果が出ております。こうしたことから考えますと,本市でも加齢性難聴者は,一定数いるものと推察しております。
また,御紹介ありました一般社団法人日本補聴器工業会の推計では,全国65歳以上の難聴者のうち,補聴器を使用している方は17.1%となってございます。これらのことから考えますと,補聴器使用者数は,本市においても,いまだ少数にとどまっているものと推察しております。
次に,補聴器購入費用助成の検討についての所見ということでございます。
本市における補聴器購入費用助成につきましては,身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害のある方に対し,障害者総合支援法に基づく補装具費といたしまして,購入費用の助成を行っております。
一方,身体障害者手帳をお持ちでない加齢性難聴者に対して独自に助成制度を設けている市町村が,御紹介ありましたように1割程度あることも承知しております。
現在は,指定都市等で構成いたします会議を通じまして,国による制度創設を求めているところでございます。現時点で本市独自で新たな助成制度を設ける考えはございませんけれども,国の「補聴器の装着の有無による認知症の発症率の差に関する研究」,こういった研究結果も注視ながら,他自治体の先行事例などについても研究してまいりたいと考えております。
以上です。
〔15番桑田桂子議員登壇〕
◆15番(桑田桂子 議員) 御答弁ありがとうございました。
何点か再質問させていただきます。
避難所としての小・中学校の体育館への空調設備設置についてですが,まず教育長にお伺いいたします。
神戸市では,最終的に教育委員会の判断の下,設置されておりました。教育長の御判断としては,避難所としてどのようにお考えになられているか,また空調設備設置についての御所見をお伺いできたらと思います。
また,将来的に避難所として,また子どもたちの学びの環境を整えるという観点で空調設備の可能性があるのかどうかというところも御所見をお伺いできたらと思います。
また,先ほどスポットクーラー等を配備,また状況によっては避難者の移動ですとか,空調設備のレンタル等のお話もございましたけれども,実際に大規模災害が起きたときに,そのようなレンタルとか,移動というのが実際に可能かどうかというのも,私はちょっと疑問かなと思っております。そのあたりの御所見をお伺いできたらと思います。
あと,高齢者補聴器購入費助成事業についてですけれども,本市での加齢性難聴者に対しての現状把握がまだまだ足りていないのではないかなというのが,私の正直なところでございます。今後の施策につなげていくためにも,実態把握にぜひ努めていただきまして,加齢性難聴者に対して寄り添う施策をぜひ具体的に進めていただければと思います。そのあたりの御所見もお願いいたします。
以上です。
○田口裕士 議長 当局の答弁を求めます。
◎荒木昭彦 危機管理監 2つの質問をいただきました。
まず,避難所へ空調設備の設置の可能性があるかというお尋ねですが,やはり避難所になるからというだけの理由で空調設備を設置というのは厳しいかなと,やはり通常利用も考慮しながら判断する必要があると考えております。
あと災害時にレンタルが可能かというお話ですが,方法としてレンタルの場合と全国的に総務省所管のネットワークができておりまして,必要な設備というのは要請するようになっております。なので,近傍のレンタル業者から導入できない場合でも,そのあたりは手配していただけるものと考えております。
以上です。(「できるもんか」と呼ぶ者あり)
◎後河正浩 保健福祉局長 私のほうからは補聴器購入費助成でございますが,施策化するためにも実態把握がという再度の御質問でございます。
加齢性難聴に関しましては,種々御紹介ございましたように,国際機関をはじめ国とか医療機関,機器メーカーあるいは業界団体などから様々な調査結果なり論説,データが発出されております。これらで示された数値というものは基本的には全国的な動向を示していると認識しておりまして,市としても昨年度高齢者実態調査を実施して,こうした傾向を補完するデータもつかんでいるところではございます。こうしたことから,現時点で直ちに市として独自の実態調査をするという考えはございませんが,見えてくる課題としましては,加齢性難聴が生活の質にどういうふうに影響するのかといったようなところの正しい理解,認識が十分に浸透していないのではないかと考えております。
実際,先行した事例でも,導入しても想定した申請件数に届いていないという事例も承知しておりまして,まずやっぱり正しい知識の啓発を進めながら,他の助成制度の内容だけではなくて,実績なり,執行上の課題などについても精査していきたいと考えております。
以上です。
◎三宅泰司 教育長 体育館の件ですが,今,特別教室のエアコン設置を最優先で進めておりますので,まずはそちらが優先されると考えます。熱中症対策で,この議会でもいろいろ答弁しましたが,学校現場に指数計があって,それで運動場,体育館などの熱中症指数を測りながら,高くなったときには体育の授業を中止したりしております。もし体育館でエアコンが必要となるということは,熱中症指数の数字をかなり下げることができるような機能がないといけないのかなと私は思っています。神戸市の場合,緊急的につけられているということを聞いているんですが,このタイプでどれくらい部屋全体が冷えるのかというのは,効果を知った上で研究していきたいと考えます。
以上です。
○田口裕士 議長 以上で桑田議員の質問は終わりました。(拍手)
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