録画中継

令和5年6月定例会
6月22日(木) 本会議 一般質問
おかやま未来プロジェクト
中島 純 議員
*一問一答方式
1 待機児童について
 (1) 未入園児(613人)の現状
 (2) 未入園児が発生する原因の把握及び分析
 (3) 未入園児に対する今後の対策
2 手ぶら登園について
 (1) おむつのサブスク導入の提案
3 保育士の待遇改善について
 (1) 保育士の配置基準
 (2) 保育士の負担軽減及びなり手不足に対する今後の方針
4 岡山市教職員の働き方について
 (1) 岡山市教職員の働き方の現状
 (2) 岡山市教職員の時間外勤務状況についての把握及び分析
 (3) 岡山市教職員の時間外勤務状況の公開
 次は,順序に従いまして中島議員。
     〔4番中島純議員登壇,拍手〕
◆4番(中島純 議員)  皆様おはようございます。今期では岡山市議会内唯一の1人会派,おかやま未来プロジェクトの中島純でございます。
 いつまでも市民ファースト,市民目線を忘れずに,皆様の声をしっかりと代弁し,そして議員としての責務を全うするために,大森市長をはじめ執行部の皆様と共にこの岡山市をよりよいまちにするために精いっぱい頑張りたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 早速ですが,通告に従いまして質問させていただきます。
 1番目,待機児童について。
 岡山市において,かつては待機児童数849人と全国で2番目に多いとされておりまして待機児童問題が深刻化しておりましたが,徐々に待機児童数が減少し,本年4月時点における待機児童数は1名となり,待機児童問題はほぼ解消したと発表されたところです。しかしながら,希望する保育施設に入れなかった方々の声をよく耳にします。
 また,最近では,隠れ待機児童,潜在待機児童と呼ばれる待機児童数に計上されていない子どもたちの存在についても全国的に問題となっているところです。岡山市においても,未入園児613人のうち特定の保育所等を希望している子どもが238人もいる状況です。希望する保育施設に入れることは,子育て世帯の親の負担を少しでも軽くするためにとても重要で必要なことであり,特定の保育施設を希望することは決して保護者さんのわがままではないと私は考えております。取りあえずどこかの保育所に預ければいいという話ではありません。
 そこで質問です。
 1つ目,未入園児が613人と多く存在している現状について,岡山市としてはどのように捉えているのか,御所見をお示しください。
 2つ目,特定の保育施設を希望している人数が238人とのことですが,ここの数字が減少してようやく岡山市は待機児童問題が解消したと言えるのではないかと私は考えております。希望する保育施設に入れなかった子どもたちがどのような理由があって特定の保育施設を希望しているか把握,分析等は行っておりますでしょうか。
 3つ目,希望する保育施設に入れなかった238人の子どもたち,言わば隠れ待機児童の解消に向けて,岡山市として何か行う予定の各種対策等があれば,ぜひお示しください。
 続いて2番目,手ぶら登園について。
 保育施設に通うには,日々大量の荷物を持っていく必要があります。毎日使用するおむつ,お尻拭き,手口拭き,食事用エプロン,着替え等,これに加えまして週末には布団を家に持って帰って家で洗濯して,週明けには再度布団を保育施設に持ち込むといった行為は,保護者さんにとってかなり大きな負担になっているとお伺いしております。
 他の自治体の導入事例ですが,保護者さんの負担を軽減するためにおむつのサブスク(定額使い放題サービス)を導入している自治体もあるようです。この取組については,全国の自治体においても徐々に広まりを見せておりまして,既に50以上の自治体において導入されているようです。確認しましたら,来年度新たに制度の導入を検討している自治体も既に50以上あるそうで,これによると来年度以降は実施済み,検討している自治体を合わせても100を超える見込みだそうです。
 おむつのサブスクについては,保護者さん側のメリットとしては,持参するおむつの一枚一枚に名前を書くといった作業がなくなること,そもそもおむつ等の持参自体がなくなることが挙げられます。保育士さん,園側のメリットとしては,個別のおむつ管理がなくなることが挙げられます。手ぶら登園を実施することで,保護者さんと保育士さん両側の負担が軽減されることが見込まれまして,子育て支援かつ保育士さんの働き方改革にもつながると考えられます。
 そこで質問です。
 おむつのサブスクについては,導入コストも一切かからず,また保護者さん,保育士さん,園側の負担も軽減されることが見込まれるので,ぜひとも今年度中に実証実験を行いまして,来年度以降の導入に向けて動き出していただきたいなと思っているんですけれども,御所見をお示しください。
 3番目,保育士の待遇改善について。
 未来の日本を担う子どもの成長に携わる職業,保育士さんについて,社会の中でも非常に需要の高い職種であるにもかかわらず,慢性的な人手不足,時間外労働の多さ,低賃金等,職場環境,待遇がいいとは決して言えない状況になっております。その中でも国基準の保育士配置数(配置基準)について,実際の保育現場の実情からかなりかけ離れているんではないかなという声をよく耳にします。
 現在の配置基準では,ゼロ歳児については3人,1・2歳児については6人,3歳児20人,4・5歳児については30人に対して保育士さんを1人配置しなければいけないことになっております。私自身,1歳児を育てている親としては,ちょっとこの数字は子どもたちの安全を守るためにはかなり厳しい設定なのではないかなと非常に感じているところです。
 そこで質問です。
 1つ目,岡山市独自の配置基準等を設定しまして,保育士さんの負担を軽減する等はできないものなのでしょうか。
 2つ目,岡山市では保育士さんの負担軽減,成り手不足を解消するために様々な支援事業を行っておりまして,私立の認可施設における保育士数も年々増加傾向にあり,平均勤続年数も伸びているところですが,現在,国の動きとしてかなり賛否はあるところなんですけれども,こども誰でも通園制度等新たな制度の導入が検討されているところであり,保育士さんのニーズもより高くなることが見込まれますが,現在行っている各種支援事業を拡充していく考えはありますでしょうか。
 最後に4番目,教職員の働き方について。
 教職員さんの苛酷な労働状況については,岡山市において昨年10月に実施されました勤務実態調査によりますと,幼稚園では27.6時間,小学校45時間,中学校56.6時間の時間外労働が平均的に行われておりまして,そのうち80時間越えの方が11.5%,60時間越えの方が31.1%,45時間越え52.1%で,約半数の先生方が月に45時間を超える時間外労働を行っています。
 少しデータは古くなるんですが,令和3年度における精神疾患による病気休職者についても全国で5,897人と過去最多を記録しているようで,岡山市の状況においても精神疾患によって1か月以上病気休暇を取得した方が31人,病気休職者数が18人となっている状況であり,先生方が非常に苛酷な状況で勤務していることがこちらのデータからもよく分かります。
 教職員さんの苛酷な労働状況のしわ寄せについては,本人の心身的負担にとどまらず子どもにも向かってしまいます。生徒と向き合う時間が削られ,授業の準備不足等による教育の質も低下してしまうおそれがあります。教員不足や離職,若者の教職離れを防ぐ観点からも,迅速な労働環境の改善が求められているところです。
 そこで質問です。
 1つ目,このような教職員の労働状況について,岡山市としてはどのように捉えているのか,御所見をお示しください。
 2つ目,教職員さんの時間外労働の状況について,学校規模別,職種別,男女別,年代別,学校別等具体的に把握,分析等はしておりますでしょうか。
 3つ目,本年から岡山市立学校園における働き方改革推進方針を策定し,教職員さんの時間外労働の実態の公表を行っておりますが,これ何で10月分のみのデータしか公表がないのでしょうか。一月分のデータのみの公表では,慢性的に時間外労働が行われているのかどうかを一般市民の方は把握することができません。時間外労働の実態については,内部で情報をとどめておくのではなく,外部へしっかりと実態を周知していくことが課題解決に向けて非常に大切であると考えております。今後,10月分のみではなく,月次別の時間外労働の状況をホームページ等で公開していく意向はありますでしょうか。
 以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
○田口裕士 議長  当局の答弁を求めます。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長  それでは,まず1番,待機児童についての項をお答えしてまいります。
 未入園児613人の現状です。
 未入園児とは,認可保育施設に申し込んだものの入園していない児童です。その内訳は,待機児童のほか,企業主導型などの一定の質が担保された認可外保育施設に通っている児童,また育児休業を延長するなどの理由からすぐに保育を必要としていない児童となっています。さらに,特定の保育施設を希望する児童も含まれております。保護者の方々は,希望園に入れるまで入園を待ったり,育休復帰を急がないなど,様々な意向をお持ちであると考えております。
 次に,未入園児が発生する原因を把握,分析しているかでございます。
 未入園となった児童の保護者には,希望園以外に通園可能な園を紹介するため,入園の申込みのとき,さらに紹介した園を保護者が検討しないときにも特定の園を希望する理由をお尋ねしております。そこでは様々な理由が上がりますが,保護者に寄り添って園の紹介を継続して行ううちに希望が変わっていくことも多く,はっきりとした理由が捉えづらいのが現状でございます。
 次に,未入園児に対する対策でございます。
 市は,これまで保護者が安心して子どもを預けることのできる環境を整えることが重要であると考え,認可,認可外にかかわらず一定の保育の質が担保された受皿を整備してまいりました。現在,保育コンシェルジュが保護者の意向を丁寧にお聞きし,通園可能な園を紹介できるようになっております。今後は,現在の量的に安定した保育環境を維持しつつ,障害など個別の事情がある児童も受け入れられるように質の向上に引き続き努めてまいります。
 続きまして,2の手ぶら登園についてです。
 おむつのサブスク導入についてのお尋ねですが,早野議員に御答弁したとおりです。
 次に,3番の項,保育士の待遇改善についてです。
 岡山市独自の配置基準を設定してはとのお尋ねですが,6月に国から示されたこども未来戦略方針において,職員配置基準を見直す方針が示されております。安全面等の保育サービスの質を確保するための職員配置基準は,国において定められるべきと考えております。そのため,市としては,これまでも国に配置基準の見直しを要望してきたところです。
 この項最後に,今後保育士のニーズが高くなることが見込まれるが,現在行っている支援事業を拡充してはとのお尋ねです。
 国が示す新制度の創設や配置基準の見直しについて,現段階で具体的な内容が示されていないため,これらに伴う保育士ニーズを見込むことは困難です。岡山市の保育士確保策の拡充等につきましては,今後の待機児童の状況や国の動向を見ながら必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  岡山市教職員の働き方についての項を順次お答えします。
 まず,岡山市教職員の働き方の現状のお尋ねです。
 教育委員会においては,令和4年度に働き方改革推進方針を策定するなど,これまでも計画的に教職員の負担軽減に取り組んでおります。教職員の時間外労働は,令和元年度以降,中学校は減少傾向にあり,小学校は横ばい傾向です。また,月45時間以上の職員は半数以上存在しています。教育の質の向上を図るため,働き方改革をさらに進めていく必要があると考えています。
 次に,岡山市教職員の時間外勤務状況についての把握及び分析のお尋ねです。
 教職員の勤務条件については,打刻システムなどで把握し,学校規模別等様々な分析を行っております。
 この項最後に,岡山市教職員の時間外勤務状況の公開のお尋ねです。
 教職員の時間外労働の実態については,経年比較による働き方改革の状況を把握するため,毎年10月に勤務実態調査を行い,その結果を公表しています。教職員の働き方改革の状況を示すには,月次別の表など様々な指標があり,公表する情報や組合せについて検討を行い,今後分かりやすくお示ししていきたいと考えております。
 以上でございます。
     〔4番中島純議員登壇〕
◆4番(中島純 議員)  御答弁いただきありがとうございました。
 すいません,時間もちょっと短いもんで,早速なんですが再質問に入らせていただきます。
 2番の手ぶら登園についてなんですけれども,昨日の早野議員に対しての答弁については,制度の導入に対しての答弁であって,実証実験の部分については特に触れられていなかったかなと思うんですけれども,導入前の実証実験についてはどのようにお考えでしょうか。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長  実証実験につきましても,制度について,より研究を深めた後に実証実験の部分も検討していきたいと思っております。
◆4番(中島純 議員)  すいません,ありがとうございます。
 じゃあ,実際に実証実験等導入に向けて検討されていくということなので,具体的にどのような点をどのような方法で検討されていくことをお考えでしょうか。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長  現在,御案内のようにたくさんの事業者さんがおむつのサブスクをされていて,他都市がされていることも承知はしております。まず,この様子を聞き合わせなどしていきたいと思っておりますし,指定都市の検討状況なども把握したいと思っております。
 以上です。
◆4番(中島純 議員)  ありがとうございました。
 では,どれくらいの検討期間をイメージされているのか,お伺いできればと思います。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長  保護者の利便性,そして現場の負担軽減については様々なことを今検討して,実行に向けて準備しております。おむつの園廃棄もそうですし,現金徴収のキャッシュレス化や登降園システムの全園導入などを今頑張っているところでございます。これを進めながら,さらに保護者の利便性の向上と現場の負担軽減のために何が必要なのかというところを全体として考えてまいりたいと思いますので,この1点についての期限は考えてございません。
 以上です。
◆4番(中島純 議員)  ありがとうございます。
 この項については最後に,実際に検討した結果どういったものを判断基準にして,どのような結果が出たら導入に向けて動き出すのか,それとも不採用になるのか,またその判断を最終的にどなたが行うのかというのをお伺いできればと思います。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長  先ほどの御答弁とも重なりますけれども,保育現場の負担軽減のために何が必要なのか,また保護者の方には何がサービス向上につながるのかといったことを全体として考えていきたいと思います。その結果としてこの項目が必要であれば,その候補の一つとして検討していきたいと思います。
 以上です。
◆4番(中島純 議員)  御答弁ありがとうございました。
 最後の再質問になりますが,3番の保育士さんの待遇改善についてなんですけれども,岡山市として独自に配置基準を設定するというのはやっぱり難しいということで御答弁いただいたかなと思うんですけれども,では保育士さんの配置数,人的支援を増やさずにしてどのように保育士さん1人当たりにかかる負担を実際に軽減されていくのか,具体的にお考えでしたらお示しいただけるとありがたいです。
 以上で質問を終わります。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長  保育士さんの負担軽減というのは様々市においても国においても考えておりまして,国においても書類作成,保育の計画であるとか,そういったものを平易にしていくといった動きもございます。市としましても,いろんな手続,現金の取扱いであるとか,子どもの見守りであるとか,保育士さんでなくてもできる仕事を資格のない方に補助者として入っていくなどの様々な方策を検討し実行しているところです。
 以上です。
○田口裕士 議長  以上で中島議員の質問は終わりました。(拍手)
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