録画中継

令和5年6月定例会
6月26日(月) 本会議 一般質問
懐かしい未来
川上 智美 議員
1 高齢者の生活支援について
2 がん対策について
3 図書サービスについて
 次は,順序に従いまして川上議員。
     〔12番川上智美議員登壇,拍手〕
◆12番(川上智美 議員)  皆さんこんにちは。懐かしい未来の川上智美でございます。
 本日はたくさんの傍聴の方にお越しいただきまして本当にありがとうございます。
 私たち新人12名が加わった新しい岡山市議会,いよいよ本日最後の質問となりました。今日まで様々な議論が行われてまいりましたが,私も市民の皆様の声をしっかりと市政に届けていく,その思いで質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 それでは,通告に従い質問させていただきます。
 1,高齢者の生活支援について。
 本市における高齢者人口は,令和2年の約18万9,000人(高齢化率26.2%)から団塊の世代が75歳以上となる令和7年には約19万5,000人(高齢化率27%)まで増加する見込みです。地域によっても高齢化率に差があり,南区でも興除,藤田,灘崎など30%を超える地域もあり,特に小串小学校区においては48.6%と住民の約半数が高齢者という地域もあります。
 選挙期間中にも高齢の方から今は元気だが,今後体力が落ちると日常生活が送れるか不安との声をたくさんお聞きしました。年齢を重ねても住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには,行政と地域が連携し,日常生活上の支援体制を充実し,支えていくことが重要だと考えます。
 本市でも,生活支援体制整備事業として地域の方々が中心となり,通いの場づくりや困り事支援など,様々な活動が行われていると伺っています。この活動を地域に根づかせるためにも行政のサポートが必要だと考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)活動の運営費について。
 地域や団体によって活用している助成金が違うと伺っています。社会福祉協議会の切山基金,地域の未来づくり推進事業や区づくり推進事業などが利用されていますが,助成額や期間も異なっています。また,取扱いの窓口も異なっています。
 例えば,地域の未来づくり推進事業を利用している団体は,5年間の期間が終わった後には自立するように求められていると伺っています。本来,困っている方に手を差し伸べる支え合い活動において収益を求めることは必要なんでしょうか。持続可能な支援を提供するために,どの団体でも継続的に利用できる,そういう助成金が必要ではないでしょうか。新設の予定はありませんか。御所見をお聞かせください。
 また,困り事支援をされている団体の方にお話を伺うと,ニーズの高いものとして買物や病院への移動の付添い,ごみ出し,植木の剪定などがあるとお聞きします。特に移動支援やごみ出しは困っている方が多く,学区外からの依頼件数が増えていると伺っています。
 そこでお尋ねいたします。
 (2)買物や病院への移動支援について。
 近所の商店に買物に行きたい,かかりつけの病院へ行きたいなど,近距離の移動にも困難な方のサポートとして年々ニーズが高まっています。しかし,支え合い活動では支援する方も高齢の方が多く,運転手の確保が困難など,ニーズに応えることが難しくなっていると伺います。
 本年2月議会のおかやま創政会小林議員の代表質問でも,生活支援体制整備事業の枠組みなどでの地域の支え合いによる移動支援も確立していく必要があるのではとの質問がありました。それに対し,移動手段の確保も含め,日常生活における困り事の問題を住民互助により解決しようとすることは,持続可能な取組とする上で重要であると認識している。課題としては,運転手やマッチングを行う調整役などの担い手の確保であると考えている。支援のノウハウについては他都市の取組事例や地域のニーズも把握しながら,どのような手法で支援していけるか検討していくとの答弁がありました。その後どのような検討がされたのか,具体的な進展があったのか,御教示ください。
 また,学区内の一部しか運行不便地域でない場合でもデマンドタクシーの導入が可能なケースもあると伺いました。支え合い活動の団体にも情報提供していくことが必要だと考えます。御所見をお聞かせください。
 (3)ごみ出し支援についてお尋ねいたします。
 ごみステーションまで約900メートルあり,歩いてごみ出しは困難,高齢者の2人暮らしで在宅で介護をしている,おむつが大変重く,1人で持っていけないなどの声も伺いました。支え合い活動が行われていない地域や,活動団体があってもニーズに合ったサービスが提供されていない地域では,行政が支援を行う必要があると考えています。
 例えば,高齢者のみの2人世帯でお一人が本市のふれあい収集制度の対象になる場合で,地域ボランティアなどによる支援が受けられない場合でもふれあい収集の制度の対象にはなりません。そのような方には福祉の視点でごみ出し支援に柔軟な対応をしていくことが必要ではないでしょうか。お考えをお尋ねいたします。
 次に,2,がん対策についてお尋ねします。
 日本人の2人に1人ががんになり,3人に1人ががんで亡くなる時代です。私も6年前に乳がんになりましたが,早期発見で適切な治療を受け,病気を克服することができました。誰もががんになる可能性が高いからこそ,一人一人に寄り添う支援が必要だと考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)がん対策の現状と今後の対策について。
 岡山市では,1,がんの予防,2,早期発見の推進,3,緩和ケア・在宅医療の推進,4,がんとの共生を4本柱とし,令和7年までは2の早期発見の推進と4のがんとの共生を重点的に取り組んでいるとお聞きします。本市におけるがん対策の現状と今後の対策についてはどのようにお考えでしょうか,教えてください。
 (2)早期発見の取組について。
 本市におけるがん検診の現状と今後の受診率向上の対策についてはどのようにお考えでしょうか。
 尾道市では2007年から独自に腹部エコー検査を実施されていると伺います。症状が現れにくいがんを早期発見するために,岡山市でも実施してはいかがでしょうか。
 また,受診率向上のため6月9日には岡山駅にて啓発活動が行われたと伺いました。今後このような活動を継続していく御予定はありますでしょうか,教えてください。
 (3)がんとの共生。
 アピアランスケアについてお尋ねいたします。
 今年度から始まったがん患者の方のウィッグ購入費用助成制度ですが,どのような方法で広報や周知をされているでしょうか。また,現在の申請状況と年間の申請件数を何件で想定しているか,御教示ください。
 笠岡市では,ウイッグの購入費用だけでなく人工乳房や医療用下着の助成も検討されると伺いました。ぜひ本市でも助成されるよう検討していただけないでしょうか。お考えをお尋ねいたします。
 続きまして,3,図書サービスについてお尋ねいたします。
 (1)将来的にICTを活用して図書サービスの充実を図る予定はございますでしょうか。市立図書館や移動図書館,公民館やふれあいセンターなど貸出しの拠点がありますが,連携は取れているでしょうか。
 岡山市立図書館の本が公民館でも借りられますが,インターネットで申込みをした本が受け取れるのは高松,福田,高島,吉備,操山,上道の各公民館です。ほかの公民館で取り寄せるには紙の申込書への記入が必要となります。
 市内全域での図書サービスを連携させることで市民生活の満足度が上がると考えます。インターネットで申し込んだ本を近くの公民館で受け取るなど,サービス全体の見直しをしてはいかがでしょうか。また,その御予定はありますでしょうか,御教示ください。
 (2)県立図書館の利用申込みについて。
 県立図書館の本をインターネットで申込みをし,近くの図書館で借りられると伺いますが,利用者カードの作成は県立図書館でしかできないと伺っています。倉敷市や玉野市など,岡山市周辺の地域は各地域の図書館で県立図書館の利用者カードの作成手続が可能と伺います。ぜひ岡山市でも取り組んでいただけないでしょうか。御所見をお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終わります。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
◎吉田元紀 政策局長  1番,高齢者の生活支援についての項,活動の運営費についてのうち,地域の未来づくり推進事業に収益を求める必要があるのかについてお答えいたします。
 地域の未来づくり推進事業補助金は,地域の課題解決に資するコミュニティービジネスを支援するということを目的としておりまして,事業の立ち上げに必要な費用の一部を補助しております。補助期間が終了した後,ビジネスとして継続していくことが重要でありますので,事業で一定の収益が得られることを前提としております。
 以上です。
◎後河正浩 保健福祉局長  同じ項,2点の御質問について順次御答弁申し上げます。
 まず,活動の運営費についてのうち,助成金の新設についてでございます。
 生活支援体制整備事業で活動していただいている団体は,どの団体も既存の支援制度や町内会からの助成を活用するなど工夫しながら活動いただいていると認識しているところでございます。
 現在,新たな助成制度について考えてはおりませんけれども,活用できそうな支援制度につきましては今後も機会を捉えて情報提供してまいりたいと考えております。
 次に,買物や病院への移動支援についてのうち,2月議会以降の状況及びデマンドタクシーの情報提供についてということでございます。
 現在,住民互助による移動支援を実施している支え合い活動団体に対しまして,活動状況について聞き取りに伺いまして運転手の確保や移送の範囲,運営経費など様々な課題について意見交換を行っているところでございます。
 生活交通導入の取組との整合性を図りながら活動団体に対してどのような支援ができるか,今年度策定する予定の第9期地域包括ケア計画の中で検討してまいりたいと考えております。
 なお,生活交通の導入につきましては,活動団体に随時情報提供させていただいております。
 以上です。
◎見平孝行 環境局長  同じ項,ごみ出し支援についてです。
 ふれあい収集制度の利用には一定の要件がありますが,ごみを出すことが困難な理由は世帯により様々であることは承知しております。一律に制度の要件を緩和することはできませんが,真に支援が必要な方にサービスが提供できるよう,個別にしっかりと御事情をお聞きしながら制度利用の可否を検討してまいります。
 以上です。
◎宮地千登世 保健福祉局感染症対策担当局長  2番,がん対策について順次お答えいたします。
 まず,現状と今後の対策をどう考えているかについてです。
 重点取組のうち,早期発見の推進につきましては受診率が指標として挙げられます。令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響によってがん検診受診率が低下し,以降昨年度までの受診状況は横ばいの状況であることから,まずはコロナ前の受診率に戻るよう受診勧奨等を進めていく必要があると考えております。
 次に,がんとの共生ですが,本年4月には施設所管課の協力の下,市有施設83施設の男性トイレにサニタリーボックスが設置されました。また,本年度からアピアランス事業としてウイッグ購入費用の助成を始めております。今後は治療と仕事の両立支援を進めるため,労働局等と連携を深めてまいります。
 次に,早期発見の取組,がん検診の現状と今後の受診率向上対策,腹部エコー検査の実施,受診率向上のための今年度の啓発活動はについてです。
 がん検診の現状につきましては,先ほど御答弁したとおりです。
 がん検診の受診率向上の対策については,これまでも対象者を絞った受診勧奨や患者会など関係する団体と共に啓発活動に取り組んでおります。
 今後,7月1日から岡山駅東西連絡通路等のデジタルサイネージを活用した啓発などを実施いたします。また,新たな取組として7月8日には包括連携協定を結んでいる生命保険会社などと共にがんに関する市民公開講座を開催する予定となっております。
 検査項目につきましては,本市では科学的根拠に基づくがん検診に取り組んできたところであり,国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に沿って実施しております。同指針以外の検診の予定はございません。
 この項最後,がんとの共生,ウィッグ購入費用助成制度の広報や周知の方法,現在の申請状況と年間の想定件数,人工乳房,医療用下着の助成も検討しないかについてお答えします。
 がん治療を行っている医療機関や病院内にある美容院,患者会など計80か所で当事者向けのチラシを配布しているほか,市民のひろば5月号で事業の開始を周知しております。
 申請状況については,6月21日時点で49件の申請を受け付けており,本年度は240件の申請を想定しております。
 また,アピアランス事業を制度設計する際に何を助成対象とするか検討いたしましたが,乳房再建術や医療用下着については医療保険適用となっていることから対象外としたところです。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  3,図書サービスについての項,まずICTを活用した図書サービスの充実についてのうち,市立図書館,移動図書館等との連携とインターネット予約本の受け取りサービスの見直しについてのお尋ねです。
 公民館やふれあいセンターなどの図書コーナーへは各施設へ出されている予約カードに加えインターネット予約された本も中央図書館などから各施設へ配送しております。
 また,移動図書館につきましては各団体等からの要望に基づき希望に添った本を中央図書館において準備し,所定の場所へ専用車を配送,貸出しを行っております。
 また,インターネット予約図書は現在6公民館で実施しておりますが,現行の図書館システムの更新時期に合わせ業務のDXをさらに推進し,市民サービスの向上を図ってまいります。
 次に,県立図書館の利用申込みについてのうち,市立図書館で県立図書館利用者カードを作成しないかとのお尋ねです。
 現在,岡山市立図書館では県立図書館利用者カードはなくても市立図書館カードがあれば市が所蔵していない本を県立図書館から借り受け,市立図書館から利用者に貸出しできるサービスを行っております。
 また,市立図書館でも年々インターネットでの予約は増加しております。
 一方,県立図書館の本をインターネット予約するためには県立図書館利用者カードが必要となります。これらのことを踏まえ,今後は図書サービスの利便性向上に向けて岡山市立図書館における県立図書館利用者カードの発行について県立図書館と協議を進め,できるところから始めたいと考えております。
 以上です。
     〔12番川上智美議員登壇〕
◆12番(川上智美 議員)  御答弁ありがとうございます。
 図書サービスについて,非常にいろんなことが進んでよかったなあと思っています。本を読むということは小さな子どもさんから大人,高齢の方まで皆さんが楽しめる娯楽であり,すごく大事なことだと思うので,その貸出しできる仕組みというのは時代に合ったものに変えていく必要もあると思いますので,ぜひ次のシステムの見直しのときにはその時代に合った借りやすい仕組みに整えていただければと思っています。ありがとうございます。
 続いて,がんのことについてなんですけれども,私もがん患者の一人として今年度から岡山市でもウイッグの購入補助が始まったというのは非常にうれしいことです。多分まだ知らないという方もたくさんいらっしゃると思うので,ぜひ周知を広げていってウイッグのことで悩む方が一人でも少なくなるようにお力を貸していただけたらと思っています。
 そういう中で,これから申請する方が増えていって想定の件数を超えるケースがあったとしても,ぜひ寄り添った支援をお願いしたいと思います。これは要望です。よろしくお願いいたします。
 最後に,生活支援について質問させてください。
 今議会でも公共交通の整備であったり,デマンドタクシーのことなど,高齢者の方の移動支援についてたくさん意見が出ました。それだけ皆さん困っていますし,これからの時代にとって必要なことだと思っています。
 幾ら整備を整えてもそこから漏れてしまう方がいらっしゃる中で,それを支えていくのが地域の支え合い活動だと思っています。今回いろんな方のお話を伺う中で,まず地域が団体をつくったらそれを支えますというお考えを伺ったんですけれども,地域の体力によってはできない地域もあります。そういう方が本当に困ってよその地域に頼んで,隣の地域の方がもういっぱいあふれて大変な中,それでも必要だからといって頑張っていらっしゃいます。団体ができるのを待つのではなくて,一歩進んでその団体の立ち上げのところから支援していただきたいと思いますが,そのあたりいかがお考えでしょうか。御所見をお聞かせください。
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
◎後河正浩 保健福祉局長  今回,議会での議論を通じて様々御指摘をいただいております。地域の団体を支えていくということにおきましては,ただいま答弁申し上げましたように実際に体力の問題とか組織力の問題はいろいろあると思います。ただ,私どもとしましても,いろいろ条例とか規則とか要綱をつくった上でそれぞれの活動の内容でありますとか目的に応じて様々助成,支援をさせていただいているところでございます。そういったところを前提に置きますと,具体的に立ち上がりからこの形でということをお示しすることは難しいとは思うんですけれども,支えていくという姿勢については御答弁申し上げているところでございます。どういう形ができるかということは,先ほど申し上げたとおり今後様々計画も策定する予定にしておりますので,その中で考えていければと思っております。
 それからもう一点,今回の議論でも縦割りの弊害というようなお話もあったと思うんですけれども,例えば先ほどの支援でありますとか助成制度につきましても,窓口になった部署は他の支援制度とか助成制度とかも含めて御相談に乗れる,情報提供できるというようなことも大切だと思っておりますので,そのあたりの運用につきましても御指摘も踏まえてしっかり対応できるように努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○森田卓司 副議長  以上で川上議員の質問は終わりました。(拍手)
 以上で一般質問を終わります。
 つきましては,日程第1の案件はお配りいたしております付託案件表のとおり,それぞれ所管の委員会に付託いたします。
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○森田卓司 副議長  この際御報告申し上げます。
 本定例市議会において受理いたしました陳情につきましては,お配りいたしております文書表のとおり,それぞれ所管の委員会に付託いたします。
      ─────────────
○森田卓司 副議長  お諮りいたします。
 委員会審査のため,明6月27日から7月4日までの8日間,本会議を休会いたしたいと思います。
 これに御異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田卓司 副議長  御異議なしと認めます。よってさように決定いたしました。
      ─────────────
○森田卓司 副議長  次の本会議は,7月5日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
 御苦労さまでございました。
      午後2時27分散会
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