岡山市議会
会議録検索サイトへ
文字サイズの変更
標準
大
録画中継
トップ
/
議員名でさがす
/
田中 のぞみ 議員
令和5年2月定例会 2月28日(火) 本会議 個人質問
会議名でさがす
議員名でさがす
会派名でさがす
操作方法について
※用語の検索は会議名、議員名、会派名、発言通告(質問項目)を対象としています。
1倍速
1.2倍速
1.5倍速
2倍速
内容
会議録
令和5年2月定例会
2月28日(火) 本会議 個人質問
日本共産党岡山市議団
田中 のぞみ 議員
*一問一答方式
1 児童虐待とDVについて
2 暮らしと子育て支援について
次は,順序に従いまして田中議員。
〔27番田中のぞみ議員登壇,拍手〕
◆27番(田中のぞみ 議員) お疲れのところ皆さんこんにちは。日本共産党市議団の田中のぞみです。
今日最後の質問者になります。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,通告に従いまして質問に入らせていただきます。
1番,児童虐待とDVについて。
昨年1月に発覚しました痛ましい被虐待児死亡事件について,10月に岡山市の児童福祉審議会から検証報告書が示されて,議会でも何度も何度も取り上げられてきました。超党派の女性議員有志が参加しているDV防止サポートシステムをつなぐ会・岡山という市民団体でも先日再発防止に向けた提言書を市長に提出しました。
来年度の予算編成ではその大きな特徴の一つに児童虐待防止の推進が掲げられて,様々な施策が前進していることはありがたく,ほっとしています。
以下,幾つか質問させていただきます。
(1)今回の報告書に関して一番気になっているのは,児童虐待とDV(力による支配)です。この関係性をどのように認識しているかがはっきり見えなかったという点です。それは母親も被害者ではないかという視点です。母親が交際男性の心理的な力の支配下にある場合,我が子に危害を加えられていてもSOSを出さない,出せない可能性が高くなり,加害の事実を隠し,逆に加害の一端を担うということが指摘されています。その場合,母親に幾ら育児不安をヒアリングしたり,育児指導しても根本解決にはなりません。母子共に保護が必要です。
報告書では交際男性を保護者として指導の対象と扱わなかった点を課題として出されていますが,保護者や実父であるかどうかということよりは,母親が心理的支配を受けているかどうかの判断が小さな命を守る上では大変重要だと考えます。誰がこの家族に最も影響を与え,コントロールしているのかということです。なぜなら,もしDV関係にあると認識されていればDV加害男性を安易に指導の対象としたり,反省の態度を見せたからといって被害者を保護状態から解放するということは絶対になされないはずだからです。
DV加害者の更生プログラムは簡単ではありません。力の支配関係は簡単に消滅しません。2018年目黒区の船戸結愛ちゃん,2019年千葉県野田市の栗原心愛ちゃんのケースでも父親や養父が加害者であり,母親が逆らえない状態にあったDVが大きくクローズアップされました。その検証結果が,その教訓が,今回のケース判断に生かされなかったことが本当に残念なのです。
岡山市に転入当初から交際男性から本児への暴力があるという虐待通告が複数回入っていました。当初から交際男性の存在とその暴力を認識できていました。母親が,保護者以外の者による虐待を防ぐことができないと判断していたにもかかわらず,虐待の種類を母親のネグレクト(放置)のみとしていたことからも,DVの視点が欠落しています。
質問です。
ア,今回のケースで母親と交際男性との関係についてはどのように整理しましたか。
イ,DVの視点について,今後の職員研修やアセスメントのメニューに入れるとのことですが,もう少し具体的にお示しください。概念として研修するだけでしょうか。こういう兆候があればDVを疑えなど,具体的事例やポイントが分かるようになっているのでしょうか。
ウ,母親へのDVが疑われる場合はどう対応することになっていますか。安易に加害者に指導すると事態が悪化して転居等する可能性が高くなる,こういう指摘があります。
(2)もう一点,気になっているのは一時保護所の体制と役割です。中区の墓地で全裸で叱責を受けている現場を警察に通報され,一時保護に至った後に母親と交際男性が反省の態度を見せたことにより一時保護を解除しています。そもそもなぜきょうだい全員を保護しなかったのか,本児も一時保護中に信頼関係を築けていたらもっと本音が聞けていたのではないかと誰もが思わずにはいられません。
本来,一時保護所は生命と身体の安全を保障し,心から安心できる場であるべきです。今後も児童の意見表明権を大切にしていくという点は前進ですけれども,まず本人がリラックスでき,大人への信頼を回復できる場でなければ,その効果は発揮できません。
報告書によると,一時保護所の体制や状況によりきょうだいの受入れを断念したように読めます。岡山市の一時保護所は,定員は2歳から18歳までの25名とされていますが,その職員体制は主に正規保育士5名,児童指導員6名と非正規職員たちが3交代制を組んでおり,夜間は学生アルバイト2名に職員1名体制と聞きました。保育士は新卒も配属されており,ベテラン保育士は数名しかおらず,職員の心身状態も不安な状況があると伺います。
一時保護される児童は心に深く傷を負い,また発達障害などの場合も多々あり,一人一人に懇切丁寧な対応が必要です。さらに,プライベートスペースが少なく,高学年以降の子にはストレスフルな環境になっているとも伺います。一時保護所には明確な人員等の基準がないため,現在国が整理しているということですが,できることから早急な改善に取りかかる必要があります。
ア,一時保護所の体制について,来年度に第三者の評価を入れ検討していくとの答弁がありましたが,誰が何をどう評価するのでしょうか。
イ,来年度の人員配置について何か対応できることはありませんか。経験者を厚くするべきだと考えます。
ウ,夜間体制の見直しは早急に図っていただきたいが,どうでしょうか。
エ,ハード面の課題をどのように考えていますか。改修や増設が必要ではありませんか。
(3)来年度の新規事業として,地域のNPO等と連携し,地域で見守り体制を強化するとあります。今回のケースでは,当初何度も通告したり見守ってきた中区の住民や市民団体は,引っ越しさえしなければ絶対に命を守れたと,この話になると涙が出て仕方がないと言われます。同事業について,いつからどのようなNPOと連携を進めてどう地域で見守っていくのか,具体的にお示しください。
(4)支援の必要な家庭に対しての家事支援援助が新規事業化され歓迎しますが,困難な家庭ほど市の介入を嫌がる傾向もあると思います。従来の事業との違いや工夫などあれば御説明ください。
大きな2番,暮らしと子育て支援について。
長引くコロナ禍と先の見えない物価高騰は,市民の生活に大きく影響しています。電気代は1年前から倍以上になり,家族のいる世帯では3万円から4万円電気代が超えてきたという話をよく聞きます。一方で,年金は上がらず,実質賃金は下がり,生活保護も段階的に引き下げられたままです。
厚労省の社会保障審議会では,NPO法人キッズドアが昨年末に行った,ファミサポに登録している家庭に行ったアンケート結果で多くの子育て家庭がコロナ禍による減収から回復していないことが判明している中,さらなる物価高騰を受けて子どもと保護者の健康が脅かされている,特に子どもへの影響は深刻で,進学などにも影響が出始めているとの報告がなされています。
家庭の行動変化として肉や魚などの食費を減らし,子どもの教育にかけるお金が切り詰められている実態が明らかにされました。
今日お手元に資料をお配りしておりますが,①,②,③,そして出されたコメントなどもここに載せさせていただいております。昨日は子どもに次のステップの自転車を買うことができないという相談も私のところにもありました。影響が出始めていると思います。
既に子どもの成長に悪い影響が出ているという回答が半数に達しているそうです。
では,質問(1)格差が広がっていると思います。実態調査をしませんか。来年度の新規事業に子どもの生活状況調査がありますが,どのような調査でしょうか。困窮状態も分かる内容でしょうか。
(2)速やかで継続的な現金給付が必要です。この2月補正の子育て世帯生活支援金3万円は大変ありがたいですが,世帯単位とのことです。多子世帯の厳しさ,ひとり親以外で就労して課税世帯でもぎりぎりで生活している多くの世帯が外れてしまいます。同アンケートでも,非課税という条件が厳しいとの声をたくさん寄せられていました。対象拡大の検討をお願いしたいが,いかがでしょうか。
(3)就学援助制度について,対象の収入を生活保護基準の1.3倍程度とされておりますが,所得換算とするか,1.5倍などへの拡大が必要です。その場合,どれくらいの世帯数と予算が増えるでしょうか。
(4)岡山市の就学援助制度は,私立学校や支援学校に入学すると対象外で,支給後であれば返金させられます。不登校児童の受入れなど,個別の事情で私立学校を選択する場合はあります。家庭の収入状況を見ず,一律に支援から除外するべきではありません。国は国立,公立,私立も対象にすることとしています。倉敷市では,私立学校も対象です。
今日の資料の④には国からの通知を載せさせていただいております。私立も対象のはずです。
(5)市立後楽館高校入学時のタブレット端末は6万円から7万円もするとのことです。県立高校で公費負担する都道府県は半数になります。せめて多胎児への補助などを検討しませんか。全額公費負担とした場合は幾らなのか,あわせてお示しください。
(6)子どもの医療費助成の拡大は本当にありがたいですが,何とか少しでも実施が早まらないでしょうか。
(7)一方で,今回の拡充にあっても障害や難病がある場合は医療にかかる機会は頻繁にあるのに,中学生から18歳までの通院は従来からの1割負担のままです。障害認定や難病認定がある子どもの通院を無料とする場合の予算はどれくらいになりますか。
今日,資料の⑤で現在の医療費助成でどれぐらいが限度額かというのを載せています。
(8)40代,50代で非正規雇用を繰り返し,ワーキングプアに陥っている相談が増えています。転職すると一定の無収入期間が発生する場合に前借りなどをしてしまい,その返済で自転車操業のような状況に陥り,生活を立て直せません。
体を壊せば即生活保護です。コロナが理由ではない場合,行政支援が受けにくい実態があります。こんなときだからこそ住居確保給付金,小口資金,一時貸付など利用条件を緩和し,働きながら自立する人を支える仕組みを強化してほしいが,御所見をお願いします。
(9)清輝橋の大学病院前通りのアーケードの破損状況が激しく,通行人に危険が及んでいます。市として危険への対応など,できることはないでしょうか。
(10)コロナ対応の緊急小口資金等の返済が始まっていると思います。返済対象や返済状況はどうなっていますか。差押え等に発展する可能性はあるでしょうか。延期や免除など柔軟に対応していただきたいが,どうでしょうか。
(11)は割愛いたします。
以上で1回目の質問を終わります。
よろしくお願いします。(拍手)
○和氣健 議長 当局の答弁を求めます。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 1番,児童虐待とDVについて順次お答えしてまいります。
まず,検証報告書に関して児童虐待とDVとの関係性をどのように認識しているのかが見えなかったが,今回のケースで母親と交際男性との関係についてどう整理したかでございます。
本件につきましては,当時DVについて推測はしておりましたが,客観的事実を把握することができておりませんでした。現在におきましても,客観的事実は把握できておりません。
次に,DVの視点について,研修やアセスメントのメニューに入れるとのことだがについてでございます。
共通アセスメントツールについては公明党を代表されての田尻議員に,また研修につきましては日本共産党を代表されての竹永議員に御答弁したとおりですが,研修については今年度もDVをテーマとしたものを行っておりますので,来年度のテーマについて今後検討してまいります。
次に,母親へのDVが疑われる場合,どう対応することになっているかについてですが,DVが疑われる場合は被害者に寄り添う形で聞き取りをしています。その中で,DVが確認できれば地域こども相談センター,DV関係機関及び警察などにつないでおります。
次に,一時保護所の体制と役割です。
一時保護者の体制について,来年度に第三者評価を入れるが,誰が何をどう評価するのかとのお尋ねです。
一時保護所の第三者評価は,子どもの権利擁護を図るための仕組みと考えており,一時保護所の環境及び体制整備のみならず,子ども本位の養育支援体制が整えられているかなどの評価を行い,一時保護における質の確保,向上を目的として実施するものです。
想定される評価者としては,この目的が達成できるよう他自治体での一時保護所の第三者評価の実績があるなど,子どもの権利擁護に精通した機関にお願いしたいと考えております。
同じく一時保護所の体制について,来年度の人員配置について何か対応できることはないか,経験者を厚くすべきでは,さらに夜間体制の見直しを早急に行うべき等について一括してお答えします。
一時保護所を含むこども総合相談所の体制強化については,関係局に対し要望しているところです。
夜間体制の見直しなどの一時保護所の体制強化に関しては,新たな国の一時保護所の設備・運営基準策定の動きを注視しながら検討してまいります。
次に,ハード面の課題です。
改修や増設が必要ではとのお尋ねですが,一時保護所の設備面に関しましては,インフルエンザなどの感染症児童と他の児童が完全には分けて生活できる環境にないこと,また個室や児童のクールダウンの部屋の充実などが課題と考えており,検討を進めております。国により一時保護所の設備・運営基準が示されれば,その内容とあわせて改修等について検討してまいりたいと考えております。
次に,来年度の新規事業,NPO等と連携した見守り体制強化についての内容です。
新年度に創設する要保護児童見守り等強化事業は,困難を抱えた子どもと家庭の訪問支援の実績を持つNPO法人等に委託し,要保護児童等の家庭を訪問して学習支援や生活相談などといった支援を行うことを想定しています。
事業者の選定要件や地域こども相談センターとの連携の仕方の整理,さらに事業者決定後の訪問員の研修など丁寧に準備を進める必要があるため,支援の開始は本年秋を予定しております。
この項最後,来年度の新規事業の家事支援は従来の事業とどう違うのかです。
育児,家事等の不安,負担を抱える家庭にヘルパーを派遣する子育て世帯訪問支援事業は,これまで行ってきた養育支援訪問事業に代わるもので,利用可能日・時間を拡大し,これまでの家事・育児援助に保育所などへの送迎支援を追加いたしました。これにより,例えば幼いきょうだいの世話をするなど,ヤングケアラーとなっている児童の生活負担も取り除くことができると考えております。
以上です。
◎福井貴弘 保健福祉局長 2つ目の暮らしと子育て支援についての項,子ども医療費助成の拡大の実施が早まらないかについてです。
現時点では,まずは令和6年1月実施に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
次に,中学生から18歳までの障害認定や難病認定がある子どもの通院を無料にした場合の子ども医療費の予算についてです。
障害認定や難病認定を受けている方の一部の医療情報しかないため,全体の試算は困難であります。
次に,住居確保給付金,小口資金,一時貸付など利用条件を緩和し,働きながら自立する人を支える仕組みを強化してほしいがについてです。
住居確保給付金については,令和2年度より市独自で国の基準を緩和して支給しているところです。小口資金の一時貸付は,急な一時的出費で生活に困っている世帯へ貸付けする制度であり,相談される方の生活実態を丁寧に聞き取り把握し,実態に寄り添った運用に努めているところです。
次に,新型コロナ対応の緊急小口資金等の返済対象,返済状況,差押え等に発展する可能性,延期や免除など柔軟な対応をしていただきたいがについてです。
岡山県社会福祉協議会によると,令和5年から返済が開始する対象は,緊急小口資金が1万423件で,そのうち3,522件が返済免除となっております。また,総合支援資金は8,905件で,そのうち3,140件が返済免除となっております。どちらの制度においても,差押えについて直ちに行われるとは聞いておりません。
なお,返済が困難な場合には,本制度の中で返済の猶予や免除を行うことも可能と聞いております。
以上です。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 同じ項,2点お答えいたします。
まず,子どもの生活状況調査は困窮状態が分かる内容かについてです。
来年度実施を予定している子どもの生活実態調査では,世帯収入やひとり親家庭,2人親家庭など,家族形態別に生活実態や保護者,児童の意識等を比較し,困窮世帯の実態と課題の把握を行いたいと考えております。
次に,子育て世帯への支援金における非課税世帯等以外への支給対象の拡大についてのお尋ねです。
物価高騰が長引く中,2月補正予算に2回目の生活支援金の追加支給を計上しております。
支給対象ですが,低所得の子育て世帯ほど他の世帯より支出に占める光熱費,食料費の割合が高く,電気,ガス,食料品等の物価高騰の影響を大きく受けていること,また基準の明確性を勘案し,ひとり親世帯は児童扶養手当受給者等,その他の世帯は非課税世帯等を対象としたものでございます。
以上です。
◎三宅泰司 教育長 同じ項,就学援助対象を拡大した場合についてと私立学校や支援学校を対象にできないかについて一括してお答えします。
世帯の所得情報は申請に基づいているため,基準を拡大した場合の世帯数や予算額は把握しておりません。
就学援助は,経済的理由で就学困難と認められる世帯への援助と考えており,授業料等を伴う私立学校は対象外としております。
また,県立支援学校は県が特別支援教育就学奨励費の給付の対象としているので,市では対象外としております。
次に,多胎児への補助など後楽館高等学校の端末の公費負担に対する考え方とその想定額についてです。
端末の公費負担の考え方については,日本共産党を代表されての竹永議員に御答弁したとおりです。
なお,入学時の端末購入にかかった費用は,令和4年度の端末価格と入学人数で計算すると総額で約1,100万円となります。
以上です。
◎平澤重之 都市整備局長 同じ項,清輝橋の大学病院前のアーケードを市で撤去等,危険への対応はできないかについてです。
当該アーケードは民間が設置していることから,その管理は所有者が行うものです。しかしながら,アーケードの老朽化等によりその下を通行する歩行者等へ危険が生じる可能性がある場合は,道路管理者として所有者に対し修繕等の指導,命令を行ってまいります。
以上です。
〔27番田中のぞみ議員登壇〕
◆27番(田中のぞみ 議員) 御答弁ありがとうございました。
家事援助のところの送迎は非常に助かるなと思いました。保育園とか幼稚園にも行くことで不登校の防止にもなるので,ぜひ活用が進んだらいいなあと思いました。
DVのところなんですけれども,客観的な事実を把握できなかったと言われているんですけど,客観的事実って何ですか。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 まずは本人の申出あるいは外傷など目に見える状態だと考えています。
◆27番(田中のぞみ 議員) そうなんです。心理的なDVと社会的なDVには外傷がありません。そうすると,本人からのSOSしかないんですよ。本人は言わない傾向が強い。だから,客観的事実は難しいんです。
なぜ私たちがDVにすごくこだわるかというのが分かるかなと思うんですが,これ母親が逆らえない,無力化されているような力の支配がある場合は,母親本人が判断できないことが多いと言われている,SOSが出せない。だけど,これが一番危険なケースだと厚労省が既に示しています。情報を隠そうとするし,行政が介入すればするほど子どもへの虐待が苛烈化する。重大事件,死亡事件にこのケースが多いと厚労省が示しているんです。だから,DVかどうかを判断するのが大事だと言っているんですね。
だけど,この1年間答弁がいろいろ変わっていますよ。1年前は,第三者からの暴力を防ぐことができないネグレクトケース,このケースね,DVによる支配が疑われると認識しておりますと本会議で答弁した。しかし,11月議会では母親がDVの支配下にあったのではないかという認識がなかったと答弁した。そして,DVを確証づける情報がなかった,DVを客観的に判断する事実がなかったと答弁しているんだけど,客観的事実がなくても見極めなければならないということをぜひ認識してほしい。
厚労省は,そのチェックリストをちゃんと書いてあるんですね。厚労省が出しているガイドラインでは,こういう状況では,いいですか,支配的な関係性が生じている場合には,家族内の情報は得にくいことを念頭に評価や介入の方法を工夫することと書いてある。情報はない,本人は言わない,常に足りない中で見抜いていくという言葉を厚労省が使っているんです。分かりますか。
今回の一番のポイントは,第三者からの暴力を母親が防げないと分かっていたんだから,その時点でDVの可能性をしっかり認識すべきだったと思うんですけど,もう一度そこをどう思っているか,教えてください。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 DVが発見できなかった,対応できなかったということは,職員や組織的な能力の,機能の問題があったかと思います。
また一方で,母親がとにかくもう言わない状態の人で,どう質問して寄り添っていくかということは,DVを対応している県の女相さんとか,そういった関係の方に意見を聞きながら,こども総合相談所の機能を高めていきたいと考えています。
以上です。
◆27番(田中のぞみ 議員) ここ大事です。厚労省が一番最初にDVを判断しなさいと,チェックリストの項目も30ぐらいつくっております。その中に,交際している相手がいたり,パートナーが暴力的であったり,その付き合いによって子どもに対する不適切な養育,ネグレクトにつながっているというチェック項目がはっきりある。まさに今回のケースなんです。チェックリストがしっかりしていれば防げたんじゃないかと思いますから,必ずチェックリストに反映させていただきたい。どうでしょうか。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 どういった形になるかは検討させていただきますが,その趣旨については反映したいと思います。
◆27番(田中のぞみ 議員) なぜDVを見極めることが必要かというのは,危険だからということもあるんだけど,対応が大きく変わります。DVを受けている,力的な支配下にある被害者は,エンパワーメントといって本人が自分で判断して自分がDVから逃れたいと本人が自意識を取り戻さない限り何度でも加害者のところに戻るんです。ね,近藤局長。DV専門はそこですから。無理やり隔離しても難しいですね,母親は。だから,そこにいる子どもの命を守るためには,児相は子どもだけでも隔離しなきゃならないんです。DVで対応が変わる。だから,一番最初に判断してほしいということなんだけど,今回のこの検証報告書にはその危険性が一切なかったんです。この検証委員会にDVの専門家はおられましたか。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 DVの専門家というのが判断がつきかねますが,精神科医あるいは社会福祉の関係の有識者が検証委員さんでございました。
◆27番(田中のぞみ 議員) 報告書が出てから検証報告書に基づいて改善していくという答弁がずっと続いているから,ここに漏れているものがあるよということで今回私も取り上げさせていただきました。ぜひDVの専門家を最初の判断に立ち会わせてほしい,DVの配暴センターや女相の人をちゃんと配置してほしいということになります。これについて,ぜひもう一度御所見を。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 まず,現在つくっているアセスメントツールにつきましては,こういったものでいいかどうか,DVの視点を入れるように関係機関に協力をお願いしています。また,実際のケースでこういったことが必要であれば,その対応にふさわしい機関と連携して対応していきたいと思っています。
◆27番(田中のぞみ 議員) 最後,岡山市に児童虐待の手引とかガイドライン,厚労省が示しているんですけど,そういうものはあるんですか。
◎遠藤千里 岡山っ子育成局長 こども総合相談所の対応マニュアルというのは所にございます。これについても現在見直しを進めております。
◆27番(田中のぞみ 議員) それはぜひできたら公表してほしいなと思います。
では,次に移りたいと思うんですが,物価高騰の中での暮らしの支援で就学援助の件です。
答弁聞き漏れたんですけれども,私立学校が対象外の理由は何ですか。
◎三宅泰司 教育長 就学援助は,経済的理由で就学困難と認められる世帯への援助と考えており,授業料等を伴う私立学校は対象外としております。
以上です。
◆27番(田中のぞみ 議員) 授業料があるからこそ苦しんです,行く家庭はね。
今日は資料④で国から取り寄せました通知を見ておりますか。
◎三宅泰司 教育長 この当該通知の内容については担当課と共に精査しまして,この内容については私立学校へ就学援助を実施することを国が想定している内容通知と受け止めておりますが,就学援助は一般財源において執行されており,実施の判断は各市に委ねられているものと考えております。
以上です。
◆27番(田中のぞみ 議員) 多分,そういう自治体があるから国は通知を出しています。交付金にちゃんと算入していますという通知です,確かに。国の事業でもあります。なので,適切な実施についてという項目がわざわざ設けられていると感じました。適切に実施されていないんじゃないでしょうか。
◎三宅泰司 教育長 私立学校を対象とするかどうかについては,今後も全国的な動向や機運の醸成など,状況を適切に把握してから対処してまいりたいと思います。
以上です。
◆27番(田中のぞみ 議員) 子育てする家庭には3年しかないし,非常に苦しいんですね。今こそ,今が苦しいんですよ。選択肢がなかった場合があるということなので,これは早急に検討していただきたいと思います。
ちなみに,区域外に通う岡山市民は対象にしているんでしょうか。
◎三宅泰司 教育長 公立学校の子どもです,対象は。
以上です。
◆27番(田中のぞみ 議員) 再度確認しますが,この通知にある居住している市町村の区域外の小学校,中学校に通う人についても岡山市は対象にしていないということですか,公立であっても。
◎三宅泰司 教育長 今のところ,区域外の子どもは公立学校にはいないと認識しております。
◆27番(田中のぞみ 議員) 私立学校に通っている人も非常に少ないんですよね。文科省の調査によっても非常に少ないということを認識した上で対象にしてほしいということを言っているわけだからということになりますので,よろしくお願いいたします。
最後,子どもの医療費,障害児医療のところなんですけれども,障害を持っている方がどれぐらいかかるかというのは分からないと言われたんだけれど,医療費助成していますよね,岡山市は。だから,助成している額は分かると思うんですよ。それが無料になるということにならないんですか。違いますか。
◎福井貴弘 保健福祉局長 全体の額というのは計算できないと私は聞いております。
以上です。
◆27番(田中のぞみ 議員) 岡山市の心身障害者医療助成制度で一部助成しているんですよね,市長。今回,50億円の基金も積まれるわけだけれど,障害がある方,対象がはっきりされているので,ぜひ今後市長,中学生,高校生,18歳までの部分も障害があるとか難病がある方については検討してほしいなという気持ちがあるんです。もし御所見があったらお願いしたいです。
〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長 今回の中高生に関して1割負担をお願いしたのは,我々としては中高生まで医療費の助成をやっていこうと。子育て,今日も質問がありましたけど,少子化対策としてもやっていこうじゃないかと整理したわけであります。
そういう中で,コンビニ受診をできるだけ避けなきゃならないということで1割負担で整理させてもらったということであります。
一方で,入院についてはそういう傾向はないだろうと,コンビニ受診にはならないだろうということで全額無料にさせていただいたところであります。
今の田中議員の御指摘のものが,難病指定等々の話をおっしゃいましたけれども,それがどちらに位置しているのか,要はコンビニ受診の可能性が全くないというような話であれば新たな助成の対象ということにもなってくるだろうと思います。その実態をよく整理した上で,またお話し申し上げたいと思います。
以上です。
○和氣健 議長 以上で田中議員の質問は終わりました。(拍手)
本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,引き続き個人質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
御苦労さまでございました。
午後3時3分散会
ご利用について
この議会中継は岡山市議会の公式記録ではありません。
録画中継は、会議の翌日から起算して、おおむね3日後(土、日、祝日を除く)からご覧いただけます。ただし、編集の都合上、配信が遅れる場合があります。
映像配信を多数の方が同時にご覧になった際に、映像が正しく表示されない場合があります。
「岡山市議会インターネット議会中継」に掲載されている個々の情報(文字、写真、映像等)は著作権の対象となります。岡山市の許可なく複製、転用等を行うことは禁止されています。
戻る