録画中継

令和6年11月定例会
12月5日(木) 本会議 一般質問
日本共産党岡山市議団
林 潤 議員
*一問一答方式
1 図書館整備について
 (1) 司書がいる建物の機能について
 (2) 図書館用地と建物の配置について
2 1万人アリーナ建設について
 (1) 公費での建設と運営の採算性について
 (2) 周辺への影響について
 (3) 市の体制について
 次は,順序に従いまして林潤議員。
     〔33番林潤議員登壇,拍手〕
◆33番(林潤 議員)  皆さんこんにちは。今日の一般質問も最後となりました。いましばらくお付き合いいただきたいと思います。日本共産党岡山市議団の林潤です。
 通告に従いまして,質問いたします。
 大きい1,図書館整備について。
 (1)司書がいる建物の機能について。
 図書館を活用し整備を求めてきた市民によって,図書館の整備について考える市民フォーラムが9月に開かれました。1994年の図書館整備基本計画も,2002年の図書館整備実施計画もよく考えられていると改めて評価する声が出されました。実施計画では,図書館の役割としてあらゆる資料,情報の提供の窓口であるとともに,全ての市民の日常の生活に潤いと豊かさをもたらす図書館と書かれています。司書については,インターネットなどを利用できない人たちの求めに応じ必要な援助を行い,また図書館資料を一層活発に生かす働きも求められるとしていて,レファレンス業務は十分に訓練を受けた専門職員によって行われる業務とされています。建設に向けては,人口分布,交通の状況,既存の市立図書館の配置から西部地区と東部地区での必要性が強調されています。フォーラムでは,計画をもう一度検討しても同じ結論になるだろうとの声がありました。図書館には司書がいて,市民への本の提供を考え工夫するところです。館に入ると,入り口付近に時宜にかなった市民の関心に応える書籍の展示や館内のポップなどがあります。インターネットは,アルゴリズムで関連する情報を示してきます。図書館は訪れたついでに意図しなかった分野の情報に触れられる機会になり,大きな意味があると考えます。図書館の機能は,司書がいればこそです。
 そこで質問です。
 ア,司書がいる図書館ならではの機能があります。市として充実させる方策をどう考えていますか。
 イ,総選挙や兵庫知事選挙でインターネットとSNSによる情報の危うさが指摘されています。情報リテラシー教育の拠点として,確かな情報源として情報の専門家がいる図書館の意義が高まっていると考えます。御所見をお聞かせください。
 ICTの利用促進は,今の図書館整備実施計画のままで可能です。IT化で補えない図書館の役割を市民と議論すべきです。
 ウ,現在の図書館整備実施計画でICT化,ネットの利活用を妨げている部分がありますか。現在の計画を生かしたまま進められるのではありませんか。
 (2)図書館用地と建物の配置について。
 図書館整備計画に基づいて,高屋公園の隣接地が東部地区図書館用地として購入されています。未利用地の管理としてお聞きします。
 中区図書館用地は,土を入れる費用がかかってきました。現在は,幡多幼稚園の認定こども園化に向けての工事のための仮園舎の建設が行われています。
 そこで質問です。
 ア,中区の図書館用地について,取得費は幾らでしたか。土入れ等を加えて,これまでの総額は幾らになっていますか。
 イ,仮園舎としての利用が済んだ後こそ,図書館建設を具体化できるような議論を進めるべきです。どのような図書館を建てるのか,今から市民との対話を始めることについて御所見をお示しください。
 ウ,物理的な距離は重要です。さきに触れたフォーラムでも,身近に欲しいとの声がありました。子どもたちや高齢者が自力で行ける図書館として,西部地区にも整備を具体化すべきではありませんか。
 エ,市は土地を買ってあるのに中区の図書館建設を具体化しない理由に,県立図書館との近接性を上げます。図書館整備実施計画の改訂は2002年です。県立図書館は,1998年に現在の位置が決定されました。市は県立図書館の構想を考慮せずに計画を策定したのですか。
 オ,2014年の図書館の在り方についてでは,県立図書館との役割の違いを明記しています。その点からも,近接性は中区に建てない理由になりません。御所見をお示しください。
 カ,市は図書館整備が進まない理由に,公共施設マネジメントの公共施設の総量抑制を上げます。一方で,新たにアリーナを造ろうとしています。矛盾していませんか。
 大きい2,1万人アリーナ建設について。
 (1)公費での建設と運営の採算性について。
 11月20日に第3回アリーナ整備検討会議が開かれました。イベントプロモーターへのヒアリング結果について,最適規模の考え方について,アリーナ整備に関するアンケート(中間報告)についてが議題でした。アリーナ整備への期待度についての設問では,期待する44%,どちらかといえば期待する19%,どちらかといえば期待しない5%,期待しない24%でした。検討会議は,新アリーナの建設を前提としたものです。アンケートも,アリーナ整備を前提として巨額の費用や民間がエンタメに使う施設への税金投入の是非などの問題を聞く内容ではありません。そのアンケートで,期待しないが合計で29%です。会議出席者の多くが,期待しないの割合に触れていました。気になるわけです。期待しなかったり反対する人からは,採算性への疑問が聞かれます。重要な論点です。検討会議では,5,000席では採算が取れないとしてコンサート時に7,000席から8,000席,最大1万人収容の規模を検討することになりました。5,000席で145億円から費用の増加は必至です。
 そこで質問です。
 ア,無作為抽出ではないネットのみのアンケートは,市民全体での期待する人の割合を示していると考えますか。
 イ,アンケート終了後に記述を含めて全ての回答を公表すべきだと考えますが,どう扱うのか,お考えをお示しください。
 ウ,アリーナ建設を前提にしたアンケートに表れる疑問や異論をどう受け止めていますか。
 エ,2023年に全国で5,000人規模,8,000人規模,1万人規模のコンサートはそれぞれ何件でしたか。中四国と近畿圏では何件で,どこで開催されましたか。
 オ,岡山市に会場があったとして,何人規模のコンサートを何件どのように誘致しますか。
 カ,コンサートやプロの試合といったエンタメのために新アリーナの規模を大幅に拡大させることについて,市民にどのように説明しますか。市が税金で造るべき施設ではないと考えます。
 キ,建設費の増加について,青天井で認めるのですか。これ以上になるなら取りやめるという基準を設けることについて,御所見をお示しください。
 ク,新アリーナの規模を拡大する前に,岡山ドームや六番川体育館にエアコンをつけるなりジップアリーナの改修を県と協議するなり既存施設の活用を検討しませんか。
 ケ,市経済界に対して市から拠出額に条件をつけて,集まらなければやめるべきでありませんか。言い出しっぺの本気が見えません。
 (2)周辺への影響について。
 これまでの議会や委員会で交通アクセスも議論があり,JRをはじめとする交通事業者と協議するという答弁がありました。
 そこで質問です。
 ア,どのような協議が行われていますか。
 イ,1万人規模にするとなると,JRやバスの乗降客見込みが変わってくるのでありませんか。規模を決めてから交通事業者と協議するのか,安全にスムーズに移動できる乗降客数を協議してアリーナの規模を決める要素にするのか,どのように考えていますか。
 ウ,アリーナ本体が大きくなると,シャトルバスや臨時バスの発着場所も大きくする必要がありませんか。敷地が限られる中,どこまで検討しているのですか。自家用車で来る人の想定も必要です。
 エ,ほかの1万人規模のアリーナは,周辺の駐車場台数が何台ぐらいですか。北長瀬での確保台数の見込みはどれだけですか。
 (3)市の体制について。
 市は2025年度にスポーツ文化局を発足させて,スポーツ振興課にアリーナ整備推進室をつくる方針です。
 そこで質問です。
 市の考え方では,新しいアリーナは市民の体育施設ではありません。外来者の誘致やMICE関連で産業観光局の所管になるのではありませんか。位置づけが変わってきた,矛盾があるように思います。なぜこの機構なのですか。
 以上お尋ねいたしまして,1回目の質問とします。
 答弁よろしくお願いします。(拍手)
○森田卓司 副議長  当局の答弁を求めます。
◎三宅泰司 教育長  1,図書館整備についての項,順次お答えします。
 まず,司書がいる建物の機能についてのうち,司書がいる図書館の機能を充実させる方策はとのお尋ねです。
 日々のレファレンス等の業務経験事例の積み重ねと研修により,司書の専門性を高めることで機能の充実を図っているところです。また,司書による読書案内やレファレンスについて,ICTを活用してさらに充実したサービスを提供できるよう進めてまいります。
 次に,情報の専門家がいる図書館の意義についてです。
 情報源が多様化していく中で,検索した情報を正しく評価し活用する能力はあらゆる世代の市民が身につける必要があると考えていることから,生涯学習施設の一つである公共図書館としても様々なサービス提供の中で情報リテラシー教育の支援も行っていければと考えております。
 次に,現在の図書館整備実施計画を生かしたまま,ICT化を進められるのではないかとのお尋ねです。
 岡山市立図書館整備実施計画は平成9年に策定してかなりの年数が経過しており,この間本市の図書館を取り巻く環境は合併による市域の拡大やICTの急速な発展など大きく変化しています。こうした環境変化を踏まえ,全ての地域に差異なく図書館サービスを行き届けさせるためには,既存の図書館サービスとあわせてデジタル技術を生かしたソフト事業を充実させることが必要であると考えており,ICTを活用した具体的なサービスのほか現在の計画の在り方についてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
 続いて,図書館用地と建物の配置についてのうち,東部地区図書館用地の取得費やこれまでの総額についてのお尋ねです。
 岡山市土地開発公社が先行取得している図書館用地費は2億2,500万円余で,土入れの費用などを含めこれまでの総額は2億8,300万円余です。
 次に,図書館建設を具体化できるような議論を進めるべき,そして西部地区にも整備を具体化すべきとのお尋ねです。
 図書館をめぐる環境の変化を捉え,デジタル技術を活用したソフト主体の新しい時代にふさわしいサービスを提供できる図書館サービス網を整備していきたいと考えております。この考えを踏まえて,社会教育委員会議なども活用しながら今後の図書館整備について(後刻,「今後の図書館の在り方について」と訂正)検討してまいります。
 次に,市は県立図書館の構想を考慮せずに図書館整備実施計画を策定したのかとのお尋ねです。
 平成6年の岡山市立図書館整備基本計画には,岡山県立図書館の建設計画の成り行きも見定めながらとあり,実施計画策定時に一定の考慮はなされております。しかし,同計画において県立図書館は市町村立図書館では応えることができない範囲の資料を整備することによって市町村立図書館を援助することを主たる役割としており,現在のような市民に開かれ活発に利用される図書館となることは市の計画策定時には想定できなかったのではないかと考えております。
 次に,県立図書館との近接性は建てない理由にはならないのでは,そして図書館整備が進まない理由についてのお尋ねです。
 県立図書館は非常に多くの方に利用されていることから,市の図書館整備に当たっては県立図書館を考慮した検討は必要であると考えております。図書館の整備については,県立図書館との近接性や情報化の進展,公共マネジメントの総量抑制も踏まえながら,また情報技術の進化に伴い,より活用が広がるソフト事業の具体的内容など加味して,しっかり検討してきたいと考えております。
 以上です。
◎岩田修 市民生活局長  大きい2番,1万人アリーナ建設について順次お答えします。
 まず,公費での建設と運営の採算性についてのうち,ネットのみのアンケートは市民全体の期待度を示しているのかについてです。
 本アンケートは,アリーナに対する意識を把握し今後の参考とするとともに,アリーナ整備の必要性や意義について広く周知するために実施しているもので,全ての世代から幅広く回答いただいており有意義なアンケートであると考えております。
 次に,アンケートの回答を全て公表すべきと考えるがについてです。
 アンケートの結果については,分かりやすくまとめた形で公表する予定としております。
 次に,アンケートにある疑問や異論をどう受け止めるのかについてです。
 自由記述にある様々な御意見も,これからの検討の参考としてまいります。
 次,2023年の規模別のコンサート件数と中四国と近畿圏の開催実績についてです。
 5,000人から1万人規模のコンサートは,通常アリーナコンサートと称されております。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会によると,2023年に全国で2,151件のアリーナコンサートが開催されているとのことですが,開催地別のデータはございません。
 続いて,何人規模のコンサートを何件どのように誘致するのかについてです。
 コンサートの誘致件数については,今回の追加調査におけるイベントプロモーターへのヒアリングにおいて広島グリーンアリーナと同等の40日,20公演が期待できると聞いております。
 なお,具体的な誘致方法については,今後募集する運営事業者からの提案によるものとなります。
 続いて,規模の大幅な拡大について市民にどう説明するのかについてです。
 独立採算によるアリーナ運営の実現性を高めるためには,コンサート等のエンタメイベントに必要な規模を確保することが重要であり,引き続き丁寧な説明に努めてまいります。
 続いて,建設費について取りやめる基準を設けるべきではについてです。
 建設を取りやめる建設費の基準は考えておりませんが,建設費の検討に当たっては財政への影響を精査しながら進めてまいります。
 続いて,規模拡大の前に岡山ドーム等の既存施設の活用を検討すべきではについてです。
 このたびのアリーナ整備は,トップチームを含め会場確保は困難という観点からも検討しており,既存施設の改修による利便性の向上とは別の議論であると考えております。
 続いて,経済界へ拠出額の条件をつけるべきではについてです。
 1万人規模のアリーナ整備の実現に向けて,経済界としてできる限りの努力をしていただけるよう,しっかり協議してまいります。
 続いて,(2)周辺への影響について交通事業者とどのような協議を行うのか,それから規模を決めてから協議するのか,協議してから規模を決めるのか,またシャトルバスや臨時バスの発着場所について一括してお答えします。
 現在,独立採算に最適な規模感として最大収容者数1万人を示したところであり,今後施設規模の具体化と並行して乗降客数の推計など交通アクセスについて検討し,各交通事業者と協議を行っていくことになると考えております。
 続いて,ほかの1万人規模のアリーナの駐車場台数と北長瀬での確保台数見込みはについてです。
 あなぶきアリーナ香川,沖縄アリーナ,SAGAアリーナに確認したところ,いずれもアリーナ専用の一般用駐車場は確保していないとのことで,本市においても同様の考えとしております。
 この項最後,(3)市の体制について,アリーナの所管は産業観光局ではについてです。
 アリーナについてはコンサート利用等も想定しておりますが,トップチーム支援を含めたスポーツ振興のための事業でもあることから,引き続きスポーツ振興課において検討を進めてまいります。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  答弁の修正をお願いいたします。
 図書館建設を具体化できるような議論を進めるべき,そして西部地区にも整備を具体化すべきとの質問の答弁ですが,今後の図書館整備について検討してまいりますと答えましたが,今後の図書館の在り方について検討してまいりますに修正をお願いします。
 以上です。
     〔33番林潤議員登壇〕
◆33番(林潤 議員)  答弁ありがとうございました。
 教育長,早速修正が入って,そのまま整備を検討してもらやあよかったなと思ったんですが,それにしてもやっぱり在り方について県立図書館との近接性とかも含めて,それは民間の検討というか,さっき紹介したフォーラムなんかも行われていますが,教育委員会としてもちゃんとそういう聞く場を設けて議論する場を設けるべきじゃないでしょうか。御所見をお示しください。
◎三宅泰司 教育長  教育委員会としては,広く御意見いただく場として社会教育委員会議を設置しておりますので,まずそちらで意見を聞きたいと考えております。
 以上です。
◆33番(林潤 議員)  図書館も言いたいことあるんですが,アリーナのほうに移ります。
 アンケートの目的は赤木議員の質問にもありましたが,どちらかというとアピールも含めたものであって,本当にその額がこんだけ81億円と言っていたものが145億円になって今度200億円を超える他市事例が参考になるというような下で,改めてやっぱり無作為抽出とかでいわゆる世論調査的なことすべきだと思いますが,なぜやらないんですか。
◎岩田修 市民生活局長  施設規模,今の段階で最大収容者数1万人ということでお示しさせてもらっています。事業費については,それをベースにこれからちょっと算定していくことになると思います。改めてアンケートするかどうかということは今のところ考えておりませんが,そこも含めて丁寧な情報発信をするとともに,市議会の皆様とも協議させていただきたいと考えております。
 以上です。
◆33番(林潤 議員)  財界の本気度は赤木議員も指摘されていましたが,本当は彼らのほうこそがさきのアンケートの市場調査だとか,岡山に呼べる数だとか精査すべきだと思います。それをしてもらうべきじゃないんですか,市がやるんじゃなくて。
◎岩田修 市民生活局長  議員おっしゃるとおり経済界の本気度をどう出していただけるかということで,しっかり経済界とは協議してまいりたいと思います。
 以上です。
○森田卓司 副議長  以上で林潤議員の質問は終わりました。(拍手)
 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,引き続き一般質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
 御苦労さまでございました。
      午後2時51分散会
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