録画中継

令和7年2月定例会
3月3日(月) 予算特別委員会
公明党岡山市議団
早野 賢一 議員
■甲第3号議案 令和7年度岡山市一般会計予算について
1 里親養育包括支援(フォスタリング)事業について
2 地域の資源をいかした観光振興事業について
3 不妊治療費助成事業について
4 障害児保育対策事業について
 次は、順序に従いまして早野委員。

◆早野賢一 委員  公明党岡山市議団の早野賢一でございます。
 それでは、早速質疑に入ります。
 大項目1、甲第3号議案令和7年度岡山市一般会計予算、第3款民生費第10項児童福祉費のうち、里親養育包括支援(フォスタリング)事業についてお尋ねします。
 昨年の11月定例議会において、里親養育包括支援(以下、フォスタリング)事業の民間委託について検討状況を伺ったところ、委託の検討状況については里親等委託率が伸びている自治体のフォスタリング業務委託の取組を分析、研究するとともに、本市の実情に合わせた里親支援業務の委託も含めた適切な在り方を検討しているという趣旨の答弁がありましたが、2025年度当初予算における事業内容としては里親制度等普及促進・リクルート事業及び里親等研修・トレーニング等事業が示されています。
 以下お尋ねします。
 (1)本事業について内容を簡単にお示しください。
 (2)フォスタリング事業の民間機関への部分委託に至った経緯をお聞かせください。
 (3)部分委託を受ける民間機関はどのような事業者が想定されるかお聞かせくださ
 い。
 (4)民間委託する事業について、それぞれどのような事業なのかお聞かせください。
 (5)4年後をめどにフォスタリング業務を包括的に行う里親支援センターの設置を目指している中、今回の民間委託の意義について御所見をお聞かせください。
 (6)今回の民間委託により、こども総合相談所の業務負担はどのようになりますか。
 以上で1回目の質問を終わります。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 岡山っ子育成局長  1番、里親養育包括支援事業についての項に順次お答えします。
 まず、本事業の内容についてです。
 国の実施要綱においてフォスタリング事業は里親の普及啓発、募集、研修、子どもと里親のマッチング、里親家庭への支援等一貫した支援を行うものとされております。
 次に、民間機関への部分委託に至った経緯についてです。
 国は家庭での養育が困難な子どもが家庭における養育環境と同様の環境で養育されるよう里親による養育を推進しており、令和11年度までに乳幼児の里親等委託率を75%以上、学童期以降の委託率を50%以上に引き上げるという目標を設定しております。一方で、岡山市の令和5年度の里親等委託率は22.8%であり、さらに里親による養育を推進する必要があります。こうした中で、民間の力も活用しながら進めることがより効果的だと考え部分委託するものです。
 次に、部分委託を受ける民間機関はどのような事業者が想定されるかについてです。
 国の実施要綱では、児童養護施設、乳児院、児童家庭支援センター、里親会などが示されております。
 次に、民間委託する事業はどのような事業かについてです。
 岡山市が来年度実施する事業のうち、里親制度等普及促進・リクルート事業は里親制度等の広報活動を行うことで里親等に関する社会の理解を深め里親が養育しやすい環境を整えるとともに里親を開拓するものです。
 次に、里親等研修・トレーニング事業は里親登録研修や登録後の里親を対象とした実践的な研修を実施し里親による養育の質を確保するとともに、委託が可能な里親を育成するものです。
 次に、今回の民間委託の意義についてです。
 今後里親養育を推進するためには、増加する業務への対応や民間の強みを生かすという面から民間機関と協働して進めていくことが効果的であると考えております。今回の民間委託は、民間との協働により里親養育の推進を加速するものと考えております。
 次に、今回の民間委託により、こども総合相談所の業務負担はどうなるかについてです。
 普及促進・リクルート事業や研修事業を委託することにより、こども総合相談所は子どもと里親家庭のマッチングや里親として子どもを養育中の家庭への相談支援などにより注力することができるようになります。
 以上です。

◆早野賢一 委員  それでは、再質問入ります。
 フォスタリング業務において最も注力が必要な業務は里親になりたいと希望する人の開拓であると考えますが、希望者を増やしていくには多くの民間機関の協力が必要です。今後、委託先はどのように決定されるのか、お聞かせください。

◎ 岡山っ子育成局長  委託先についてですが、公募による企画競争により決定したいと考えております。
 以上です。

◆早野賢一 委員  フォスタリング事業には今回の民間委託された2つの事業のほかに様々ありますが、民間委託する業務についてなぜ里親制度等普及促進・リクルート事業及び里親等研修・トレーニング等事業の2つに選定したのか、お示しください。

◎ 岡山っ子育成局長  里親養育をさらに進めていくためには、まず里親の登録数を増やすこと、そして里親養育の質を上げていくことが必要であるということから、この2つを選定いたしました。
 以上です。

◆早野賢一 委員  民間委託した結果、業務の質が落ちてしまっては本末転倒です。業務の質を確保するため、どのように民間機関と連携していくのでしょうか。

◎ 岡山っ子育成局長  まず、民間機関と業務の趣旨、目的についてしっかり共通認識を得たいと思います。その上で、業務の進行をしっかり確認していくということが必要だと考えております。また、民間機関としっかりコミュニケーションを取りまして、協働して進めるというような形で業務の質を確保していきたいと考えております。
 以上です。

◆早野賢一 委員  次に移ります。
 大項目2、第7款商工費第1項商工費のうち、地域の資源をいかした観光振興事業についてお尋ねします。
 (1)歴史を伝える城、集う城、岡山城活用事業について。
 ア、まず、岡山城一帯でのイベント開催等による集う城の体現についてお尋ねします。
 インバウンド向け和文化体験事業は、具体的にどのような内容でしょうか。また、今年度歴史好きの方向けに鼎談会「宇喜多氏研究の最前線2024」を開催したところ、多くの人が集まり非常に好評だったと聞いていますが、来年度も同様の鼎談会を開催するのでしょうか。
 イ、次に、戦国宇喜多家を発信する事業(大河ドラマ誘致事業)についてお尋ねします。
 昨年12月に、市長をはじめ戦国宇喜多家を顕彰する会メンバーでNHKに対して大河ドラマ実現の要望をされました。
 そこで、市長にお尋ねしますが、改めてNHK大河ドラマ誘致に向けての思いについてお聞かせください。また、県内全ての市町村が顕彰する会または応援する自治体の会に入っていますが、来年度県内の市町村と連携して何か取り組む予定はありますでしょうか。
 ウ、XRを活用した岡山城展示事業についてお尋ねします。
 かつての岡山城をVR等で体験できるコンテンツの制作がなされるとのことですが、具体的にどのような内容になるのでしょうか。
 (2)日本遺産北前船寄港地・船主集落推進事業について。
 昨年日本遺産に追加認定された北前船寄港地・船主集落の構成文化財に、国の重要無形民俗文化財にもなっている西大寺会陽の様子を描いたものが3つあります。そのうちの一つは、「金陵山西大寺観音院 狩野永朝絵馬会陽図」という絵画で、岡山市の指定文化財となっています。西大寺地区にとって日本遺産への追加認定は地域活性化の大きな起爆剤ですが、認定だけで終わらないよう今後の事業展開が重要です。その点、このたびの2025年度当初予算においては、西大寺地区の観光促進につながる事業として看板等の環境整備及び観光ガイドブックの作成が挙げられています。
 以下お尋ねします。
 ア、看板等の環境整備について、具体的に内容をお示しください。
 イ、観光ガイドブックの作成について、具体的に内容をお示しください。
 ウ、日本遺産「桃太郎伝説の生まれたまち おかやま」のシンポジウムが3月9日に開催されますが、北前船寄港地・船主集落についてもシンポジウム等、今後の展開として何か想定はされているのでしょうか。
 エ、地元の皆様の動きも活発です。本市として後押しする方法は様々あるかと思いますが、資金面でのさらなる援助も御検討いただきたいと考えます。御所見をお聞かせください。
 (3)各エリアにおける主な観光施設整備等について。
 昨年の11月定例議会において宇喜多家ゆかりの城跡の一つ、亀山城跡の駐車場整備について調査状況をお聞きしたところ、現在市が民間に貸し出している亀山城跡近くの土地を候補地とし関係者と協議を進めており、次年度以降整備してまいりたいという答弁がありましたが、このたびの2025年度当初予算に早速亀山城跡観光駐車場整備推進事業が計上されています。また、NHK大河ドラマ誘致を目指している中、今後の観光事業を見越して宇喜多家ゆかりの城跡の一つ乙子城についても城跡を訪れたくなる環境整備の必要性を訴えていたところ、2025年度当初予算に新規事業として乙子城跡環境整備推進事業が計上されています。
 以下お尋ねします。
 ア、亀山城跡についての当局の認識をお示しください。
 イ、亀山城跡観光駐車場整備推進事業が新規事業として2025年度当初予算に計上されていますが、内容について具体的にお示しください。
 ウ、乙子城跡についての当局の認識をお示しください。
 エ、乙子城跡環境整備推進事業が新規事業として2025年度当初予算に計上されていますが、内容について具体的にお示しください。また、予算化に至った経緯をお示しください。
 よろしくお願いします。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 市長  それでは、早野委員の質問にお答えいたします。
 大河ドラマ誘致に向けての今後の展望、そして県内市町村との連携であります。
 昨年12月25日にNHKを訪問しました。議会、そして経済界の方々、また八丈島の町長さんも一緒にやってきたところであります。NHK側の責任者は、今再放送している坂の上の雲をプロデュースした方でありまして、歴史には相当興味を持っている方とお見受けいたしました。我々も話をさせていただいて直家公、また秀家公の活躍だけではなくて、その奥さんのおふく、豪姫などの話をしたところ、非常に興味深く聞いていただいたと理解しております。今後の展望というのははっきりとは分かりませんけれども、我々としては十分大河ドラマの対象になるものだという理解でやっているところであります。
 ありがたいことに、早野委員も言っていただいていますように、各市町村みんなで応援しようということになっています。話にもありました瀬戸内の砥石城だけではなくて、例えば鶴姫伝説の残る玉野市の常山城、直家の奥さんが最初に結婚していた真庭の高田城とか、また浦上宗景の和気町にある天神山城、いろんな関連の施設があります。三浦家の総本山である備中高梁の松山城もそうでありますけど、そういったものを整理しながら一緒になって各市町村とやっていきたいなと思っております。
 それから、言わずもがなかもしれませんけれども、大河ドラマの過程でやはり岡山の先人にこんな立派な人がいたんだということをみんなに分かってもらうということが重要なんではないかなと思っております。三大梟雄の一人と戦国時代の三大悪の一人と言われておりましたけども、その一人の悪、斎藤道三は国盗り物語、司馬遼が書かれたときとはもう全然今評価が変わっていまして、斎藤道三自身1人でやったわけでなく2人でやったものなんだというところから、楽市楽座も実写上は織田信長が始めたんではなくて斎藤道三が始めたんだというような評価で、もう一人の松永弾正久秀も三大悪というのは将軍殺しと主君殺し、それから東大寺の焼き討ち、この3つで言われているわけですが、最初の2つは少なくとも本人は関与していないというのが明らかになっています。
 我々の宇喜多直家公の実像についても、18世紀の後半に書かれた池田家の家臣である方が備前軍記というものを書いて、それがベースになっています。徳川の世から見た宇喜多直家公、またそういう安定した時代から見た戦国時代の下剋上などの問題点というのがあるのと、それから別途残っているのが毛利の文書なんですが、毛利も一時期は一緒にやったものが離反したというようなこともあってやっぱり悪く書かれています。宇喜多直家、秀家両氏の本当の姿をできるだけ岡山の市民、県民に伝えていくというのも一つの大きな目的ではないかなと思っております。
 以上です。

◎ 観光・MICE担当局長  市長答弁以外についてお答えしていきます。
 まず、和文化体験事業の具体的内容と来年度も鼎談会を開催するのかについてです。
 和文化体験事業は今年度着つけ、書道、抹茶、生け花などの体験イベントや高校の書道部によるパフォーマンス、邦楽演奏、武将隊によるおもてなしなどを開催し好評だったことから、来年度も実施したいと考えております。
 また、鼎談会につきましては、多くの方にお越しいただき宇喜多家への関心の高まりを実感したところです。鼎談会かどうかという形態などにつきまして詳細は未定ですけれども、来年度も歴史学者や専門家によるトークイベントを企画したいと考えております。
 次に、岡山城VRは具体的にどのような内容かについてです。
 岡山城VR事業は、多くのやぐらや建物が集積した江戸時代最盛期の岡山城本丸の姿や城下町の遠景をCGで再現するとともに、そのCGを活用して岡山城の魅力や奥深さを伝えるVR動画を観光コンテンツの一つとして制作するものです。
 次に、日本遺産について、日本遺産北前船看板等の環境整備の具体的内容を示せについてです。
 日本遺産の構成文化財であることが分かるよう、日本遺産のロゴマークを付した案内看板を設置します。そして、日本遺産北前船のストーリーや文化財の紹介をしたいと考えております。また、西大寺観音院にある絵馬会陽図のカバーが劣化し見えづらくなっているため、それを交換したり構成文化財の展示ケースを設置するなど展示環境を整えていく予定です。これらの整備により、観光客のみならず地域の方にも日本遺産北前船の魅力を伝えてまいりたいと考えております。
 続いて、観光ガイドブックの具体的内容についてです。
 ガイドブックについては、日本遺産北前船のストーリーや構成文化財の説明、構成文化財を巡るモデルコースのほか、西大寺地域の観光スポットなどを掲載する予定としております。また、二次元コードから北前船日本遺産推進協議会のウェブサイトを閲覧できるようにするなど、工夫してまいりたいと考えております。
 日本遺産北前船のシンポジウムなど、今後の展開についてです。
 昨年12月に開催した認定記念式典では、有識者の講演等を行いました。令和7年度は、地域への出前講座やイベントへのブース出展などによりストーリーの魅力や構成文化財の歴史的価値等を発信していきたいと考えております。
 続いて、地元への資金援助についての所見についてです。
 日本遺産の認定を受け地域を盛り上げていくため、地元の方々と役割分担や事業内容についてただいま協議を重ねているところです。引き続き地元の活動を支援しながら、協力して事業を進めてまいります。
 次に、各エリアにおける主な観光施設整備、亀山城跡についての当局の認識と亀山城跡観光駐車場整備推進事業の内容について一括してお答えします。
 亀山城は、宇喜多直家公が十数年にわたって居城した城で勢力拡大の拠点だったことから飛躍の地とされており、おふくの方と出会い秀家公が生まれたとも言われるなど宇喜多家にとって重要な場所の一つと認識しております。現在、近隣のこども園が駐車場として使っている市有地の一部を観光駐車場として整備する予定です。普通車のほか、大型バス2台が止められるスペースを確保し、また園児や保護者への安全にも配慮しながら整備を行います。
 続いて、乙子城跡について、乙子城跡についての当局の認識と乙子城跡環境整備推進事業の内容と経緯について一括してお答えします。
 宇喜多直家公が初めて賜った乙子城は、吉井川や瀬戸内海、千町平野を臨む城であり、水運を押さえるとともに、荒れ地を耕し家臣と苦労を分かち合った場所と言われるなど、宇喜多家にとって重要な場所の一つと認識しております。現在本丸の周囲には樹木が茂り、吉井川、千町平野への視界が遮られているため、樹木の伐採や剪定を行うことで本丸からの眺望を確保しようとするものです。
 以上です。

◆早野賢一 委員  非常に勉強になりました。
 それでは、再質問に入ります。
 最近、AIを活用して昔の写真や肖像画を基に動画に加工するアプリが生まれていますが、そのようなAI活用アプリなどを使って構成文化財の絵画に描かれている会陽の様子や北前船が停泊している姿を再現する短い動画を作成し、二次元コードからアクセスできるようにしてはいかがでしょうか。そうすることで、歴史をより深く感じることができると考えます。御所見をお聞かせください。

◎ 観光・MICE担当局長  委員御提案のAIを活用した動画も、観光客や地元の方々の興味を喚起するものとして一つの手法ではあると考えます。一方で、著作権の問題など注意すべき点も報道等で聞くこともございます。そのため、多くの方々に魅力を伝えるにはどのような方法が適切で効果的か、検討してまいりたいと考えます。
 以上です。

◆早野賢一 委員  ガイドブックは、紙製のものに限るのでしょうか。デジタル版のガイドブックについても作成する予定でしょうか。

◎ 観光・MICE担当局長  来年度は、紙のガイドブックを作成する予定としております。現在のところ、デジタルマップの作成の予定等はございませんが、引き続き効果的な方法について検討してまいりたいと考えます。
 以上です。

◆早野賢一 委員  駐車場が整備されることにより、亀山城跡に来やすくなることは大変喜ばしいことですが、環境整備についてはどのように認識しておられますか。

◎ 観光・MICE担当局長  亀山城跡本丸には、現在市指定史跡としての看板や八丈島から寄贈されたソテツなどが設置されているところです。今後保存や顕彰活動に取り組んでおられる地元の亀山城跡保存会などの声も聞きながら、どういったことができるか研究してまいりたいと考えております。

◆早野賢一 委員  乙子城跡の頂上からの眺めは大変すばらしいのですが、登るのには若干難儀するように感じます。登りたくても登れない人のために、頂上から動画を撮影するか、もしくはドローンを使って空撮してはいかがでしょうか。

◎ 観光・MICE担当局長  来年度に実施する本丸からの眺望確保の状況を踏まえた上で、委員御指摘の手法を含めより多くの方に乙子城からの眺めを体感していただける方法を検討してまいりたいと考えます。
 以上です。

◆早野賢一 委員  乙子城跡についても、いずれ駐車場の整備が必要になってくると考えます。御所見をお聞かせください。

◎ 観光・MICE担当局長  駐車場整備につきましては、これからの取組等を踏まえ来場者数などの需要、地域の声、周囲の状況などを総合的に勘案しながら今後検討してまいりたいと考えます。
 以上です。

◆早野賢一 委員  次に移ります。
 大項目3、第4款衛生費第1項保健衛生費のうち、不妊治療費助成事業についてお尋ねします。
 2022年4月に不妊治療の保険適用が開始されており、3年が経過しようとしています。保険適用により経済的なハードルが下がったことで、今までちゅうちょしていた方々が不妊治療へ一歩を踏み出しやすくなりました。実際2022年に体外受精や顕微授精といった治療法で誕生した子どもの数は7万7,206人と過去最高を更新し、その数がこの年の出生数の約1割に相当することから、出生数の増加に寄与していると言えるのではないかと考えます。その意味で、本市が2025年度当初予算に計上している不妊治療費助成事業は、少子化対策の後押しとして有効であると考えます。
 以下お尋ねします。
 (1)本市の不妊治療に対する認識をお示しください。また、不妊治療における課題認識も、あわせてお示しください。
 (2)本事業の予算化に至った経緯をお示しください。
 (3)1回の治療につき10万円を上限とのことですが、1回の治療というのは具体的にどのような流れでしょうか。また、その積算根拠をお示しください。
 (4)非常によい施策だと思いますが、不妊治療を行っている方々、またこれから不妊治療を行おうと考えている方々へ周知していくことが何より重要です。広報の仕方について、どのようにお考えでしょうか。
 よろしくお願いします。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 保健福祉局長  3番、不妊治療費助成事業についての項、まず不妊治療に対する認識、課題意識、予算化に至った経緯についてあわせて御答弁いたします。
 令和4年に不妊治療の保険適用が開始されたことで、経済的負担の軽減だけでなく効果が認められた標準的な治療が受けられることで、不妊に悩む皆さんが治療を安心して進めることにつながっているものと捉えております。一方で、保険適用されたとはいえ不妊治療や不育症治療は長期間に及ぶ場合や複数回の治療を受ける場合も多く、身体的な負担をはじめ時間的な負担や経済的な負担、心の負担等様々な負担があるものと認識しております。そうしたことから、子どもを持ちたいと望む方が経済的な理由で不妊治療を断念することのないよう市として後押しするため事業化したものでございます。
 次に、1回の治療の流れ、10万円の積算根拠についてです。
 生殖補助医療では、胚移植を行うまでの一連の診療を治療計画として作成しまして、患者及びそのパートナーの同意を得ることとなってございます。治療計画の作成から始まり、採卵、採精の後、体外受精等を行い胚移植するまでを1回とカウントいたします。金額の根拠につきましては、令和5年度の岡山市国民健康保険のレセプト情報から生殖補助医療を受けている方の年間自己負担額を試算したところ、高額療養費控除後の平均額が約11万6,000円であったことを踏まえ、事業化の検討を経て10万円としたものでございます。
 次に、治療中の方、治療を考えている方の広報につきましては江田委員に御答弁したとおりです。
 以上です。

◆早野賢一 委員  それでは、再質問に入ります。
 現行制度では、年齢や回数で保険適用が制限されています、そのため、保険適用の対象から外れても自費で治療を継続する方は少なくないようで、改善を望む声が出ているようです。年齢や回数超過により保険適用外となる場合にも、助成拡大を今後検討していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。

◎ 保健福祉局長  不妊治療には様々なものがある中で、種々議論の上、有効性、安全性が確認された治療に対して補助するという、このたびの予算案として整理させていただいたものでございまして、まずはこの事業を適切に開始して安定的に運用していく、そうした中で申請状況等について把握してまいりたいと考えております。
 以上です。

◆早野賢一 委員  助成金額を10万円としていますが、今年度実施した結果、好評を得られるようであれば金額の上積みも御検討いただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。

◎ 保健福祉局長  繰り返しのようになってしまいますけれども、このたび整理させていただいた予算案には種々議論を経てこのような整理させていただいております。実際にそれを市民の皆さんにお届けする中で、どういった反響があるか、評価であったり、あるいは課題であったりという部分もあろうかと思いますので、そのあたりを踏まえてとは思いますけれども、まずはこの事業をしっかり運用していくことに注力したいと考えております。
 以上です。

◆早野賢一 委員  広報の仕方として、ホームページや公式LINE等SNSを活用するという答弁がございましたが、動画が有効ではないかと考えます。不妊治療に対する本市の取組を広く周知できるよう、動画の作成を検討してはいかがでしょうか。

◎ 保健福祉局長  おっしゃいますように一般的に動画というのは若年世代に訴求力もあるとは思うんですけれども、不妊でありますとか不育についてデリケートな部分も含めてどういう方法で情報発信していくのがいいのかということにつきまして、動画といったオプションも含めて種々ちょっと検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

◆早野賢一 委員  最後、次に移ります。
 大項目4、第3款民生費第10項児童福祉費のうち、障害児保育対策事業についてお尋ねします。
 これまで私立保育施設においては障害児2人に対して1人の保育士を配置した場合、17万円の補助金が本市から支給されていました。このたびの当初予算に障害児保育対策事業が計上されていますが、金額は22万円に拡充されると聞いています。
 そこでお尋ねします。
 (1)、(2)については割愛します。
 (3)障害児保育には相応の人数が必要ですが、より適切な対応力が求められます。障害児保育における課題認識をお聞かせください。
 (4)障害児保育における質の向上のため、本市はどのような施策を展開しているのでしょうか。
 よろしくお願いします。

○則武宣弘 委員長  当局の答弁を求めます。

◎ 岡山っ子育成局長  4番、障害児保育対策事業についてに順次お答えします。
 まず、障害児保育における課題認識についてです。
 障害の種類、程度、子どもの特性に応じたサポートを行う必要があるため、対応する保育士等は幅広く専門的な知識を身につけ日々の保育の中で経験を積む必要があります。また、子どもの特性を大切にした保育を行うためには保護者の理解と連携が非常に重要であり、日々の保育の中で気づきなどについてコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。こうしたことから、幅広く専門的な知識やコミュニケーション力を持った保育士を増やすことが課題と考えております。
 次に、質の向上のため、どのような施策を行っているかについてです。
 研修や研究会を通じて障害児保育に必要な知識を深めるとともに、日々の保育実践の中で習得した知識を生かしながら経験を積むことによりスキルアップを図っております。また、専門家や公立園長経験者が各施設を訪問し、障害児それぞれの特性に応じた関わり方や保護者への対応の仕方について相談、助言を行うなど支援しているところです。
 以上です。

◆早野賢一 委員  それでは、再質問に入ります。
 障害児保育の現場で必要とされる専門性を深める意味で、民間資格の児童発達支援士や発達障害児支援士の資格取得は効果的であると考えますが、取得に向けての後押しを実施してはいかがでしょうか。

◎ 岡山っ子育成局長  現在、障害に関する研修などによりまして、保育の専門性の向上を図っているところでございます。こうしたことから、資格の取得の支援までは考えておりません。
 以上です。

◆早野賢一 委員  障害児と接する際に、応用行動分析が非常に効果的であると聞きます。応用行動分析は、発達障害のある子どもを療育する際にベースとなる心理学の考え方の一つで療育の現場で活用されていますが、障害児保育の現場でも十分に有効であると考えます。
 そこでお尋ねしますが、応用行動分析を学べる研修を導入してはいかがでしょうか。御所見をお聞かせください。

◎ 岡山っ子育成局長  市では研修に力を入れておりまして、障害児保育に有効と思われる研修はしっかり取り入れていきたいと考えるところでございます。どのような研修が有効かは十分に考えながら、今後取り組んでいきたいと考えております。
 以上です。

◆早野賢一 委員  質の向上という観点では、障害児だけではなくて保護者へのサポートも重要です。どのような取組をされていますか。

◎ 岡山っ子育成局長  まず、日常の登降園や懇談のときに、保護者の方とそういう場面で日々の子どもの様子をお伝えして保護者との相互理解を図るように、まずしております。また、悩みを抱えている保護者も多いことから、個別の御相談にも応じているところでございます。また、保護者の御希望に応じて専門機関を御紹介して、御紹介後もその専門機関と連絡を取り合うことによって連携して対応するなど保護者のサポートをしているところでございます。
 以上です。
◆早野賢一 委員  障害児が保育施設を卒園した後も、サポートは継続していく必要があります。スムーズに小学校へ移行できるように、どのように配慮されているのでしょうか。お聞かせください。
 以上で質疑を終わります。

◎ 岡山っ子育成局長  小学校への就学の際には、子どもの園の様子やその対応をまとめました資料を小学校のほうにしっかり引継ぎさせていただきまして、円滑な接続に努めているところでございます。
 以上です。

○則武宣弘 委員長  以上で早野委員の質疑は終了いたしました。
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