録画中継

令和7年6月定例会
6月16日(月) 本会議 一般質問
日本共産党岡山市議団
林 潤 議員
*一問一答方式
1 アリーナの財源と運営の見込みについて
2 訪問介護事業の経営環境について
 次は,順序に従いまして林潤議員。
     〔33番林潤議員登壇,拍手〕
◆33番(林潤 議員)  皆さんこんにちは。本日も10人目,最後の登壇となりました。いましばらく御質問,お付き合いいただきたいと思います。
 それでは,通告に従いまして質問に入ります。
 大きい1,アリーナの財源と運営の見込みについて。
 依然としてお米をはじめとする諸物価の高騰が市民の生活を苦しめています。市民から,アリーナがあってもいいけど今じゃない,税金の優先順位が違うのではないかとの声を聞きます。市民がスポーツ観戦やコンサートを楽しめるように暮らしを応援することが市の第一の仕事です。エンタメの箱づくりは,それで潤う事業者が行えばいいと考えます。
 第5回アリーナ整備検討会議に追加調査の結果と財源の考え方,ふるさと納税のアピールの資料が示されました。概算事業費280億円のうち,100億円が一般財源と寄附などとするものです。お手元に資料をお配りしているとおりです。この部分,100億円が一般財源と寄附などとしています。
 そこで質問です。
 1,2,000万円の予算を組んだ追加調査について,イベントプロモーター等へのヒアリング数と内容,概算事業費と維持管理費及び経済波及効果の算出根拠等,どのような資料の収集と分析を行ったのかお示しください。
 2,国の補助が受けられる部分を180億円と見込んでいます。算定される項目と対象面積など補助メニュー,補助率,金額といった見込みの内訳をお示しください。有利な起債を使っても,市の負担は少なくとも122億円ではありませんか。
 3,ふるさと納税等で50億円達成の見込みはどう判断しますか。
 4,ふるさと納税を募るためのパンフレットで,アリーナへの期待についてのアンケート結果をアピールしています。無作為抽出でフラットにアリーナの是非を聞いたのではなく,整備に向けてアピールの一環としてのアンケートでした。それで64%が期待すると書いているのは,市民の6割以上が賛成しているとの誤解を招く表現ではありませんか。
 5,第5回アリーナ整備検討会議に示した財源の在り方こそ,広く市民にアンケートをすべきではありませんか。
 6,費用の見込みは,スマート・ベニューハンドブックに基づく一般論です。岡山のアリーナとしての見通しはどの時点で固まりますか。
 運営の見込みについてもお尋ねします。
 建設資金の調達を含めて,比較的新しい手法であるBT+コンセッション方式が高評価になっています。ホームアリーナの試合だけでは採算が取れず,コンサートのほうが大きな収入源になっています。
 そこで質問です。
 7,昨シーズンのホームゲームでの平均観客数は,シーガルズ,トライフープ,リベッツでそれぞれ何人でしたか。
 8,シーガルズ,トライフープ,リベッツの3チームがホームアリーナにするのですか。それぞれのリーグで,ホームアリーナでの必要試合数は何試合ですか。
 9,メインアリーナの土間は縦横何メートルですか。アイススケートとサッカーに対応していますか。
 10,コンサートに使える週末は何回になりますか。
 ここで資料をお配りしています沖縄アリーナの実績です。御覧ください。
 11,1万人の来場者の移動手段の確保についてどう考えていますか。
 12,BT+コンセッション方式で懸念される点をお示しください。地元チームのホームアリーナという位置づけを逸脱しない運営はどのように担保しますか。
 大きい2,訪問介護事業所の経営環境について。
 市民の暮らしが大変な中で,高齢者の生活を支えるサービスも困難に陥っています。介護保険料を何とか払っても,必要なときにサービスが受けられない不安があります。介護では,既にその基盤崩壊とも言える深刻な事態が進んでいます。特に昨年度,政府が訪問介護の基本報酬を2%から3%削減したことで,ヘルパーなどの不足と事業所の閉鎖が進み,事業所がゼロ,1か所のみという自治体が増え続けています。
 東京商工リサーチの調査で,2024年度の介護事業者倒産が最多の179件で,前年度から3割増,報酬が改定された訪問介護が半数だったと報じられています。
 国が,介護保険の国庫負担割合の10%引上げで1.3兆円を支援し,保険料,利用料の負担にならないようにしながら,公的助成による介護・福祉職員の賃上げと労働条件の改善,事業所の経営再建,介護事業が消滅の危機にある自治体における事業継続への公的支援などを行えば地方の介護事業の維持が可能になると日本共産党は提案しています。
 そこで質問です。
 1,岡山市での訪問介護の基本報酬削減後の事業所の閉鎖と開業の数はそれぞれ何件ですか。
 2,在宅介護のニーズに見合っているかの評価はどうなっていますか。
 3,国に対して,訪問介護報酬の削減を元に戻すように意見を上げませんか。
 4,訪問介護事業所のサービス提供に当たっての困り事をどのように把握していますか。
 訪問介護を提供する側から,報酬以外にも具体的な負担について御意見を聞いています。訪問サービスの際の駐車場所の確保と費用は,事業者にとって負担になっています。全国的にも課題で,自治体が対策に動いているところもあります。
 愛知県春日井市では,ハートフルパーキングとして,医療・介護事業者等が駐車スペースのないお宅を訪問する際に,近隣の登録された駐車スペースを一時的に借用することで,路上駐車などを防ぎ,円滑な在宅医療・介護サービスを提供するための事業を行っています。
 東京八王子市では,民間の駐車場を活用する取組があります。駐車料金は必要ですが,駐車する場所がないという事態を避けるために自治体が予約制の駐車場の活用を広げる取組をしています。
 そこで質問です。
 5,岡山市が市民や事業者に働きかけて,駐車スペースを提供してもらったり,駐車場事業者と提携して駐車場所を確保したりすることについて御所見をお示しください。
 以上お尋ねして,答弁よろしくお願いします。(拍手)
○田口裕士 議長  当局の答弁を求めます。
◎岩田修 スポーツ文化局長  大きい1番,アリーナの財源と運営の見込みについて順次お答えいたします。
 まず,追加調査について,イベントプロモーターへのヒアリング数と内容,概算事業費と維持管理費及び経済波及効果の算出根拠等,どのような資料の収集と分析を行ったのかについてです。
 追加調査では,適切な観客規模の検討のほか,5項目について調査を実施しております。
 イベントプロモーター等へのヒアリングは,計79社を対象に,利用可能性等について実施しております。
 概算事業費は直近の類似施設の事例を参考に,維持管理費は参考書籍の金額から算出しております。
 経済波及効果は,想定される年間来場者数,消費単価により,産業連関表を基に算出しております。
 その他としては,事業採算性の検討や事業手法の評価,交通量調査等を実施しております。
 次に,財源について,国の補助について,算定される項目,対象面積など補助メニュー,補助率,金額の見込みの内容について,有利な起債を使っても市の負担は122億円ではないかについてです。
 補助金の推定に当たっては,防災機能に資する設備に対して2分の1の補助率で交付される国の防災・安全交付金の活用を想定しており,他都市では,交付額が全体事業費の3分の1程度となっている事例を踏まえ,90億円と見込んでおります。
 なお,現在の財源構成における市の負担額は122億円と考えております。
 次に,50億円達成の見込みと判断はについてです。
 企業版ふるさと納税をはじめとする寄附金額の見込みやその他の財源についての検討を行い,財源構成について市民の皆様に説明できると判断される状況になりましたら,速やかに議会にお諮りしたいと考えております。
 続いて,パンフレットにおけるアンケート結果について64%が期待するという表現は,市民の6割以上が賛成しているとの誤解を招くのではないかについてです。
 アンケートに寄せられた約1万3,000件の回答のうち,64%がアリーナに対して期待する,どちらかといえば期待するという回答だったという事実を記載したものでございます。
 続いて,財源の在り方こそ市民にアンケートすべきではないかについてです。
 財源の在り方についてのアンケートを実施する予定はありませんが,全体の事業費やその財源等について,今後市議会へお諮りし,議論していただくものと考えております。
 続いて,岡山のアリーナの費用の見通しはどの時点で固まるのかについてですが,最終的な金額は,事業者からの提案により決まるものと考えております。
 続いて,昨シーズンのホームゲームでの平均観客数についてです。
 岡山シーガルズが864人,トライフープ岡山が1,445人,岡山リベッツが950人です。
 続いて,3チームがホームアリーナにするのか,各リーグのホームアリーナでの必要試合数はについてです。
 3チームともホームアリーナとしたいという意向は確認しております。また,ホームゲームに占めるホームアリーナでの必要試合数は,バレーボールのSVリーグが80%以上,バスケットボールのBリーグONEが60%以上,卓球のTリーグが過半数とされております。
 続きまして,メインアリーナの土間は縦横何メートルか,アイススケートとサッカーに対応しているのかについてです。
 追加調査でのメインアリーナの面積は,おおよそ65メートル掛ける45メートル,床面積3,000平米を想定しております。
 なお,アイススケートの利用は可能と考えますが,サッカーには対応できないものと考えております。
 続きまして,コンサートに使える週末についてです。
 プロスポーツチームの利用として想定されている18週末以外の週末はコンサート等で利用が可能と考えております。
 それから,1万人の来場者の移動手段の確保についてです。
 シャトルバスの運行やパーク・アンド・バスライドなど,公共交通への利用促進を検討してまいります。
 この項最後,BT+コンセッション方式で懸念される点はについてです。
 PFI(BT+コンセッション)方式は,導入から日が浅く実績が少ない点と,自由な運営への過度な配慮により公の目的が阻害されぬよう,適切な配慮が必要と考えております。
 以上です。
◎西謙一 保健福祉局長  大きい2番,訪問介護事業所の経営環境についての項を順次お答えいたします。
 まず,報酬削減後の訪問介護事業所の閉鎖と開業の数についてです。
 介護報酬の改定がありました令和6年4月から現在までの訪問介護事業所の廃止は13件,新規開設は16件となっています。
 次に,在宅介護のニーズに見合っているのかの評価についてです。
 事業者は,サービスの提供区域を定め,市に届け出ることとされており,その届出状況では岡山市全域をカバーしていることから,必要なサービスが提供されていると認識しております。
 次に,国に対して,訪問介護報酬の削減を元に戻すよう意見を上げないかについてです。
 国では,令和6年度の介護報酬改定の影響について調査・検証し,丁寧に検討していくとしておりますので,その動向を注視してまいりたいと考えております。また,国に対しては,諸所の実情に応じたきめ細やかな報酬体系の構築を検討するよう,指定都市連名で提案しております。
 次に,サービス提供に当たっての困り事の把握についてです。
 特に困り事の把握をする機会を設けてはおりませんが,制度や運営に関する質問や問合せを随時受けております。また,運営指導の際などに御意見を伺うことはございます。
 この項最後ですが,駐車場所を確保することについての所見についてです。
 これにつきましては,岡山県警察が訪問介護事業所等がサービス提供に当たり,駐停車禁止場所への駐車許可証の発行を行っていることなどから,本市において駐車場所を確保することは考えておりません。
 以上です。
     〔33番林潤議員登壇〕
◆33番(林潤 議員)  それでは,一問一答方式で再質問に入りたいと思います。
 アリーナで市の負担,先ほど122億円,寄附があるとその分があと50億円,172億円ですね。則武議員の答弁で,市長が100億円のうちのフィフティー・フィフティー,半分ふるさと納税,民間だみたいな答弁でしたけど,172億円の3分の1弱が集まればという話じゃないんですかね。そもそものアピールの仕方がちょっとずれているんじゃないかと思うんですが,どうでしょうか。
◎岩田修 スポーツ文化局長  アピール自体に関しましては,先ほど資料で示していただいたように,国庫補助金90億円を見込んでおります。その対象にならなかった90億円に対して有利な起債ができると,ここは岡山市しか対応できない起債ということで,ここが当然岡山市だろうということで書かせていただいております。残りの100億円に対してどうするかということで,280億円という事業費を仮置きした中での積算ということで,半分は岡山市で,その他半分を岡山市以外の財源を確保しようということで御説明させていただいております。
 以上です。
◆33番(林潤 議員)  アンケートを答えてくれた人のうちの64%も事実が違っているとは言っていないんです,こちらもね。ただ,さっきの100億円のうちの国の補助金のうちのどこかって,事実としてはそうかもしれないけれども,ミスリードじゃないかということは指摘しておこうと思います。
 それから,この寄附金のことなんですけれども,ここは市長にもちょっと御所見をお願いしたいなと思うところがあるんですが,以前,岡山市で平成19年,2007年度予算までに津山線高速化募金委員会助成金というものがありました。これは,沿線自治体と民間も負担して津山線高速化を図る事業で,民間としては商工会議所などから成る募金委員会もお金を集めたんですが,目標額が集まらないということで,岡山市が10年間にわたって補填しました。募金委員会の目標3億7,500万円に対して未達成が3億円,大半を県と岡山市と津山市で尻拭いをしました。
 私が当選したときには最後の予算が通っていて決算審査だけだったんですが,6期以上の議員各位は議論の御記憶があるかと思います。商工会議所の中にも市の肩代わりを覚えている人がいると思います。前例があるから今度もとしてはいけないと思うんですね。市としては,民間での集めるお金がいかなかったらこういう前例に倣うのかどうか,そこははっきりさせておいていただきたいと思います。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  私の見解ということをおっしゃったんで,お話し申し上げたいと思います。
 今,岩田スポーツ文化局長から話がありましたように,全体は280億円,防災系で180億円で,残りの100億円,経済効果が2回出していまして,その平均を取って50,50ということで則武議員に説明したようにフィフティー・フィフティーという形になっております。目標額,したがって民間の企業から50億円ということを今我々が整理させてもらって,ちょうど企業を回っているところであります。
 津山線の話は,私の市長時代の話ではないんで承知はしておりませんが,この50億円がどうなるか,達成するのかどうかというのは気になるという点はよく分かるところであります。我々としては,今精いっぱい企業を回らせていただき,経済界もプロスポーツ界も回っているところであります。全体としての感触,非常にいいところでありますが,まだ額として積み上がっているわけではありません。これらについては,どういった額になっていくのか議会にも説明しながら最終的な意思決定をしなければと思っているところであります。現在のスタンスは,そういうことでありますんで,御理解をいただきたいと思います。
◆33番(林潤 議員)  今の募金委員会,当時,議会のほうからも本当に集まっているのか,払えるのかという議論がある中だったんですね。だから,スキームはもちろん違いますが,同じ課題を引き続き注視していきますし,こちらとしても説明を求めていきたいと思います。
 それから,先ほどこれは沖縄アリーナの公式ホームページから数を拾ったものです。この中で沖縄でも,コンサートは土日連続は9週末の18件,岡山市は20週末の40公演を見越しているわけですが,実際にこの20週末40公演ってこういう実績上げているアリーナを市としては把握しているんでしょうか。
◎岩田修 スポーツ文化局長  実績としての確認は取れておりませんが,イベントプロモーター等々へのヒアリングの中で,岡山の交通の利便性を考えると40公演は可能であるという回答を得ております。
 以上です。
◆33番(林潤 議員)  プロモーターとしては,あれば自分の選択肢が増えるし,ないほうがいいし,できないかもなんていう話はしないと思うんですね。ただ,そこは事業者でしっかり本当にそうなるのか,改めて精査が必要なんじゃないかと思います,実績含めて。
 このBT+コンセッション方式について則武議員からもありましたが,市民利用,あるいは市民の優先利用や減免制度,こういったことを予算要求水準書に盛り込むような考え方はありますか。
◎岩田修 スポーツ文化局長  まだそこまでの検討はできておりませんが,基本的には,市民利用,新しい施設で金額もそれなりにいきますので,どこまで対応できるかということはありますけれども,そういう配慮はしていきたいと考えております。
 以上です。
◆33番(林潤 議員)  する施設より見る施設という印象が強いんですけれども,そうなってはないんでしょうかね。そこの担保をお聞かせください。市民がです。
◎岩田修 スポーツ文化局長  今回のアリーナに関しましては,見るアリーナということで考えております。当然,見る対象としては,市民,県民の方に楽しんでいただくということで,基本的には見るほうを重視していこうと考えております。
 以上です。
○田口裕士 議長  以上で林潤議員の質問は終わりました。(拍手)
 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,引き続き一般質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
 御苦労さまでございました。
      午後3時46分散会
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