録画中継

令和7年6月定例会
6月18日(水) 本会議 一般質問
公明党岡山市議団
林 敏宏 議員
1 乳幼児健診について
2 地域公共交通とハレカハーフについて
 次は,順序に従いまして林敏宏議員。
     〔26番林敏宏議員登壇,拍手〕
◆26番(林敏宏 議員)  皆様こんにちは。私は,公明党岡山市議団の林敏宏と申します。
 手話で質問の紹介を始めて8年目になりました。今日は,1点目,乳幼児健診について,2点目,地域公共交通とハレカハーフについてお尋ねします。よろしくお願いいたします。
 一応,マラソンの抽せん結果だけ言わせていただこうと思うんですけども。今年も当選させていただきましたので,これからしっかり調整して,去年よりかはいいタイムで走れればいいかなと思っております。また頑張ります。よろしくお願いいたします。
 それでは,質問に入ります。
 大きな1番,乳幼児健診について。
 2024年の出生数が68万6,061人となり,初めて70万人を下回ったことが先日公表された厚生労働省の人口動態統計により明らかになりました。少子化の加速に歯止めがかからず,これまで以上に子どもを安心して産み育てられる社会づくりが重要な政策課題となっています。
 こうした中,乳幼児健診は子どもたちの健やかな成長を支え,保護者の不安を軽減し,必要な支援につなげる極めて重要な取組であり,少子化対策の一環としてもその充実が求められています。特に,発達障害などの早期把握の必要性が増している近年においては,健診の機会をいかに確保し,どのような形で実施していくかが自治体の責務であると考えます。
 乳幼児健診は,出生後の成長の確認,先天的な疾患の早期発見,予防接種の確認,育児に関する保護者の不安解消など,子どもの命と健康を守る上で極めて重要な役割を果たしています。加えて,児童虐待の未然防止や発達支援につなげる機会としても重視されており,厚生労働省からも未受診者への対応の強化や要保護児童対策地域協議会等への情報提供の期限設定などが求められています。
 私は,これまでの議会で,岡山市における乳幼児健診の受診率,無料健診の使用状況,7・8か月児健診の費用負担の在り方や健診時期の妥当性,また無料券の使用期限設定に伴う不公平性など,制度設計上の課題について繰り返し提起してまいりました。
 岡山市では,3か月から5か月,7・8か月の任意健診に加え,2回の無料受診券,1歳6か月,3歳の法定健診を含む計6回の健診機会を確保していますが,現状では7・8か月児健診のみ自己負担が生じるほか,無料券の使用期限においても,生まれた日によって利用できる期間に不公平が生じていることを指摘してきました。また,国において1か月児健診及び5歳児健診を対象とした新たな支援事業が創設されたことから,それぞれの導入についても伺ってきました。
 こうした中,昨年7月以降,岡山市では児童福祉審議会母子健康専門分科会が4回開催され,乳児期から就学前までの健診の在り方について議論が重ねられてきました。結果,1歳までの乳児健診は4回の受診機会を維持しつつ,時期については1か月児,3から5か月児,7・8か月児,9・10か月児が適当とされ,また5歳児健診については,希望者を対象とした健康相談を実施することが適当との答申がなされました。岡山市では,令和8年度以降,こうした新たな健診体系の実施を予定していると伺っています。
 岡山市ではこれまで,3歳児健診における弱視,屈折異常の早期発見機器の導入など,他都市に先んじた取組を行ってきました。乳幼児健診は,全ての子どもにひとしく健やかな成長の機会を保障する重要な社会インフラです。今回の国の制度創設と本市の議論の積み重ねを好機と捉え,保護者の安心,子どもの未来につながる制度設計を着実に進めていただきたいと思い,以下お尋ねします。
 (1)児童福祉審議会母子健康専門部会の答申を踏まえ,岡山市は1か月児健診の新設を含めた4回の健診体制への移行を予定していますが,実施に向けたスケジュールと体制整備の見通しをお示しください。
 (2)この1か月児健診の導入に当たり,国の補助制度を使用することにより財政的なメリットはどのように見込まれているのでしょうか。乳幼児健診の予算編成への効果についてもお聞かせください。
 (3)現行の7・8か月児健診については,唯一の自己負担が生じる時期となっており,時期や費用負担の在り方について見直しを求めてまいりました。専門分科会の議論や他都市の費用負担の状況を踏まえ,今後の対応をどのように考えているか,御所見を伺います。
 (4)無料券の使用期限について,現行制度では生まれた日によって最大1か月の不公平が生じていると指摘してきたところですが,そもそも無料券の取扱いはどのようになっているのでしょうか。使用期限の見直しも含め,今後の方針について御所見を伺います。
 (5)専門分科会では,5歳児健診についても議論され,希望者への健康相談実施が適当との答申が示されました。この判断に至った背景と今後の実施計画,体制構築の方向性を伺います。
 (6)支援が必要となる子どもに対しては,フォローアップ体制の構築が重要となります。健診結果や相談内容が必要に応じて教育や福祉など関係機関につながるよう,切れ目のない支援体制の構築に向けて,さらなる連携強化を図っていただきたいと考えます。保健,医療,教育,福祉の関係機関との連携による支援体制の構築について,どのような対応を考えているか御所見を伺います。
 大きな2番,地域公共交通とハレカハーフについて。
 本日は,高齢者や障害をお持ちの方々をはじめ多くの市民の暮らしを支える重要な福祉交通施策であるハレカハーフについて,その現状の課題と今後の展望,そして地域公共交通との連動可能性,社会的意義について質問いたします。
 本制度は,令和3年10月の開始以来,多くの高齢者や障害者の方々の外出を促し,生きがいづくりや健康増進,社会参加を支援する上で重要な成果を上げてきたと評価しております。実際,利用者からは,バスに乗るのが楽しくなった,気軽にまちに出られるようになったといった喜びの声が届いております。制度開始から4年目を迎えたハレカハーフの成果と,さらなる利用促進,持続可能性に向けた課題について,市としてどのように認識されているかお聞かせください。
 岡山市は,昨年度策定の地域公共交通計画に基づき,令和7年から令和9年にかけて,1,バス路線の再編,2,公設民営による支線バス10方面17路線の導入,3,都心部バス運賃の適正化,初乗り160円化を予定しており,既に妹尾・北長瀬線では4月から運行が始まっています。
 この取組により,幹線ネットワークの再編と支線網の充実が見込まれる中,ハレカハーフとの連携強化により,制度の公平性や地域間格差の是正をどのように図ろうとしているのか,現在の認識と今後の方針をお聞かせください。
 再編された路線,例えば妹尾・北長瀬線では,運賃均一化,200円均一が図られ,ハレカハーフやIC割引との併用も可能です。こうした事例をどのように福祉交通制度全体に展開していこうとお考えか,伺います。
 次に,都心部の運賃見直しと利便性の関係について伺います。
 バス運賃の均一化,適正化によって収益改善を図ることは理解します。しかし,そこに政策的に福祉施策を反映し,長距離割引や中心部と郊外での格差軽減をあわせて考える必要があると思います。都心部初乗りの運賃の160円化に伴い,ハレカハーフ利用者が利用しやすくなるような特別措置,例えば長距離利用割引や中心部,郊外間での統一運賃ルールの検討状況について,市としてどのように考え,どのような制度設計を進めているのか,御所見と今後の検討の方向性をお聞かせください。
 次に,具体的で切実な市民の声として,カードの払戻し窓口の問題を取り上げさせていただきます。
 現在,ハレカハーフのチャージ残金の払戻しは,岡山駅東口バス総合案内所の1か所でしか行えないと伺っております。郊外に住む高齢者や障害のある方がカードの解約,返却のためだけに市の中心部まで出向かなければならない状況は,制度の本来の優しさが終点のところまで少し届いていないように思います。
 他都市では,札幌市や名古屋市で地下鉄駅やバス営業所,京都市や神戸市では区役所,支所での対応が可能となっており,市民が日常的にアクセスしやすい場所で手続が完結する制度設計がなされています。
 岡山市において,なぜ窓口の多拠点化が進まないのか,技術的な問題も含めて御説明をお願いいたします。
 例えば,交通事業者と連携し,主要なバスターミナルや営業所等に払戻し窓口を拡大する方法や,区役所,支所の行政窓口で申請を受け付け,後日振込する仕組みを導入するなど,工夫は可能ではないでしょうか。市としてこれらの改善策について具体的な検討を進める御意思があるかどうか伺います。
 ここで制度全体の社会的意義について改めて確認させていただきたいと思います。
 ハレカハーフ,そして岡山市が進める地域公共交通の再構築は,高齢者が車を手放しても生活できる環境を整えるものであり,深刻化する高齢者による自動車事故の未然防止,すなわち社会的な交通安全対策としても非常に重要な意味を持っていると思います。移動の選択肢を増やすことは,免許返納後の不安を取り除き,高齢者の社会参加や健康維持にもつながります。制度の利便性と信頼性を高めることは,まさに命と暮らしを守る施策であるという認識を社会全体で共有する必要があります。制度をただ存続させるのではなく,誰一人取り残さない移動環境の実現に向けて,市民の声を反映した継続的な改善と交通施策との一体的な推進を強く求めますが,市長の御所見を伺います。
 以上で1回目の質問を終わります。
 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○小川信幸 副議長  当局の答弁を求めます。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  それでは,林敏宏議員の質問にお答えいたします。
 地域公共交通とハレカハーフ,継続的な改善と交通施策との一体的な推進をということであります。
 今回の議会の中でも,公共交通を取り扱った方というのは非常に多かったんじゃないかと思います。それだけ市民生活において大切な議題になっているということだろうと思っています。
 我々大きく言えば,この公共交通の施策として3本柱を挙げています。1つ目が,バス路線の再編,2つ目が都心の運賃適正化,3つ目が高齢者,障害者の運賃割引を位置づけ,まずはこの中で3番目の高齢者,障害者の運賃を半額とするハレカハーフを令和3年10月に導入したところであります。このハレカハーフについては,これまでも難病患者を交付対象に加えるなど,交通弱者にとってより利用しやすいものとなるよう改善してきたところであります。
 御指摘のように,将来にわたって路線バスのネットワークを維持していかなければなりません。公設民営にして新たに導入する支線バスだけでなく,既存の幹線バスも含め,市民の声を聞きながら繰り返し改善していくことが重要であり,それをもって利便性の向上を図り,多くの人に利用してもらうことが大変重要であると考えています。しっかり取り組んでまいりたいと思います。
 以上です。
◎高木由里 保健福祉局健康衛生担当局長  1番,乳幼児健診についての項,順次お答えします。
 健診体制移行のスケジュールと体制整備の見通しについてです。
 昨年度の審議会の答申を踏まえて,時期を特定した4回の乳児健診については,医師会などの関係機関と調整しながら,問診票や健診項目の作成,実施体制などを整理しているところであり,令和8年度中の開始に向け準備を進めています。
 次に,1か月児健診導入の財政メリット,7・8か月児健診の今後の対応,無料券の今後の取扱いについて一括してお答えします。
 1か月児健診を開始した場合,国庫補助の活用により,令和7年度予算ベースの試算で約1,400万円の一般財源の削減効果を見込んでおります。7・8か月児健診につきましては,審議会の議論の中で,寝返りなどの運動発達や離乳食の開始などを把握するため,現行どおりの実施時期が妥当とされました。
 なお,その費用負担については,関係部局と協議しながら整理してまいりたいと考えております。
 また,現在親子手帳の受診票つづりに添付している2回分の無料券については,審議会の答申を踏まえ,時期を特定した健診に移行する場合,議員御指摘の生まれた日による利用可能期間の差は生じなくなるものと考えております。
 次に,5歳児健診に係る答申の背景と今後の計画及び体制についてです。
 本市は,法定健診である1歳6か月児健診及び3歳児健診において,丁寧に発達経過の観察を行うなど,課題のある幼児の早期発見,早期療育に努めてきたところです。また,ほとんどの5歳児は,保育園などの集団生活の中で発達の遅れや発達障害の特性に気づく機会もあることから,一律の健診よりも希望者に対する健康相談を実施するほうが実際的であると答申で示されました。これを踏まえ,まずは希望者への健康相談の早期実施に向け,体制も含め準備を進めているところです。
 次に,支援体制の構築への対応についてです。
 乳幼児健診については,その後の保健指導や関係機関への連携などのフォローアップが重要であると認識しております。これまでも健診で何らかの指摘があった乳幼児や健診を受診しなかった乳幼児などについては,各保健センターにおいて丁寧にフォローを行っており,必要に応じて保健所の相談事業や医療機関などと連携を図りながら,それぞれに応じた支援をしているところです。今後の新しい健診や相談への移行に合わせ協議の場を設けるなど,医療,教育,福祉などとの連携を密にしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◎平澤重之 理事  2の地域公共交通とハレカハーフについての項,市長答弁以外についてお答えします。
 まず,ハレカハーフの成果,利用促進,持続可能性に向けた課題についてです。
 ハレカハーフは,路線バスの利用促進策の一つとして令和3年10月に導入し,令和7年5月末時点のカード取得者数は約4万6,000人で,現在も毎月500人から700人程度に交付しており,利用についても増加傾向を維持しております。
 アンケート調査では,ハレカハーフ取得をきっかけに,高齢者の約6割の方が外出する機会が増えた,約4割の方が自動車の運転頻度が減少したと回答するなど,様々な効果を確認しており,引き続き利用促進に向けてしっかりと周知してまいりたいと考えております。
 ハレカハーフによる割引額は,岡山市がその全額を負担しており,制度の持続性の確保が課題であるため,このようなバス路線の維持に向けた事業者への支援に対する財政措置について国に働きかけているところです。
 次に,公平性や地域間格差の是正,福祉交通制度全体への展開についてです。
 ハレカハーフは,利用区間や利用頻度などの利用特性にかかわらず運賃を一律半額割引としており,公平性が確保された制度であると考えております。
 現在取り組んでいるバス路線再編では,支線の導入によって新たに4駅にバスが接続するなど,バス停から300メートル圏内に居住する方が約1.7万人,バスで乗り換えずに病院にアクセスできる方が約5万人増加する見込みとなっております。このほか公共交通利用が不便な地域では,デマンド型乗合タクシーの導入を進めており,市が運行経費を最大8割まで支援することで,安価な運賃設定が可能となっております。このように,鉄道やバス,生活交通などを組み合わせて公共交通ネットワークを充実させることで,より多くの市民の移動手段の確保に取り組んでいるところです。
 次に,ハレカハーフ利用者が利用しやすくなるような特別措置についてです。
 都心の運賃見直しについては,事業者間の過度な競争によって認可運賃よりも安くなっている現在の運賃を認可運賃の水準に適正化するものであり,本年10月1日からの実施に向けて賛同事業者で国への申請などの準備が進められています。物価高騰の折,市民の皆様には御負担をおかけすることになりますが,市民の重要な移動手段である公共交通を維持していくためにはやむを得ないと考えております。
 運賃に関しては,ハレカハーフ利用者だけでなく,全ての市民にとって利用しやすい運賃体系となるよう,長距離運賃の値下げやゾーン運賃制度の導入などについて今後検討する必要があると考えております。
 次に,払戻し窓口の多拠点化に向けた課題と改善策についてです。
 ハレカハーフ制度を導入する際,チャージ残額の払戻しについては,通常のハレカカードと同様に,バス事業者の窓口で対応することを検討しましたが,ハレカハーフ専用の機器が各窓口で別途必要になることや,件数が少ないことが予想されたため,岡山駅東口の岡電バスの窓口のみで実施することとしたものです。
 ハレカハーフのチャージ残額の払戻し件数は,直近半年間で見ると1日当たり平均1件程度となっており,このことも踏まえ,今後どういった改善が可能か,議員御提案の窓口の多拠点化も含め検討してまいります。
 以上です。
     〔26番林敏宏議員登壇〕
◆26番(林敏宏 議員)  御答弁ありがとうございました。
 順次再質問させていただきたいと思いますが,時間がないので,乳幼児健診ですけども,ありがとうございました。いろいろと,令和3年に初めて質問させていただいて,ここでもいろんなやり取りをさせていただいて,今回の答申を受けて,言っていたことがある程度改善できるのかなと。一点だけ,7・8か月児健診の負担はやっぱりしっかりと検討していただきたいなと思います。1か月児健診を開始するということで,国からのお金も入ってきますんで,削減効果はさっき言っていただきましたけども,その生み出された財源を,さらなる市民サービス向上にどうつなげるかという視点がやっぱり大事なのかなと思っておりますので,ちょっとそこの辺はどうやっていくつもりなのか,どういうお考えなのかを一回お聞かせいただければと思います。
 あと5歳児健診も今回健康相談ということで開始されるという話です。
 昨日でしたかね,教育長がちょろっと答弁の中で,不登校のところでそういう医療的なところのデータもちゃんと出ているというふうな話がありましたけども,国のこども家庭庁の資料にもやっぱりそういったことがちゃんと明記されて,そこはこれから5歳児健診がしっかり進むということは,そういう不登校の改善にもつながっていくのかなと思っています。先ほど言っていただいたそういう体制の構築も含めてしっかり検討していただきたいなと思っております。
 もう時間がありませんけども,払戻しの件,理事,またしっかりと検討していただきたいと思いますので,要望させていただきます。
 よろしくお願いいたします。
○小川信幸 副議長  当局の答弁を求めます。
◎高木由里 保健福祉局健康衛生担当局長  1点,7・8か月児健診の負担軽減について御質問いただきました。
 母子保健事業費の全体における優先順位も勘案しつつ,新しい健診体制の移行に合わせてその費用負担についても関係部局と協議しながら整理してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○小川信幸 副議長  以上で林敏宏議員の質問は終わりました。(拍手)
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