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12月5日(木) 本会議 一般質問
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内容
会議録
令和6年11月定例会
12月5日(木) 本会議 一般質問
みらいえ
高成 壯磨 議員
1 生物多様性の保全にむけて
2 釧路市との観光交流について
次は,順序に従いまして高成議員。
〔1番高成壯磨議員登壇,拍手〕
◆1番(高成壯磨 議員) 皆様おはようございます。会派みらいえの高成壯磨でございます。
この議会の委員会協議会,11月26日でした。この日は,いい風呂の日でございました。皆さんもいい入浴ができたでしょうか。ぜひこの11月に限らず,毎月26日は市内の公衆浴場へ皆さんも行っていただきたいと思います。
それでは,今回この通告に従いまして質問してまいります。
1番,生物多様性の保全に向けて。
まず,議場の方,資料を使いながら質問してまいります。
まず,この生物多様性の保全をめぐる国際的な動きについてお話しいたします。
2022年,新たな世界目標である昆明・モントリオール生物多様性枠組がCOP15で採択されました。その2030年グローバルターゲットのうち,生物多様性への脅威を減らすためのターゲットスリーとして2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする30by30目標が盛り込まれました。この30by30目標の中心となる考え方にOECMがあります。OECMとは,既にある国立公園など保護地域の拡張と管理の質の向上だけではなく,保護地域以外で生物多様性保全に資する地域の設定や管理を進めることであります。この目標は里地里山,河川や干潟,そして都市部の緑地も含め自然を賢く活用し守り続けてきた地域の営みが生物多様性保全のグローバルターゲットの貢献者として認定されること,これが大きなポイントの一つになっております。
我が国においても,生物多様性国家戦略2023-2030の中で30by30目標が位置づけられ,OECMに該当する区域は民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域である自然共生サイトとして環境省に認定されております。
そして,本市では唯一南区藤田にございます藤クリーン株式会社のガーデンがこの自然共生サイトに登録されております。議場にいらっしゃる方には,その様子を写真で紹介します。
こちらコンケンビオガーデンには,ビオトープが造られ200種類を超える動植物が観察されているといいます。このように再生砕石を基盤材として利用したり,古い畳を細かく砕いて分解したものを池の底に敷き詰めたりと,循環型社会の庭造りの理念が体現されております。また,セラピーガーデンというところでは,瀬戸内海気候に適した植物が植えられ,リサイクル材を利用した庭造りが行われていました。
最後に,1つ印象的な写真を紹介します。
私がこのガーデンを視察させていただいて写真を撮ったのは11月30日でございましたが,このように季節外れの桜の開花が見られました。これは不時現象というもので,桜の植物体内のホルモン異常によって引き起こされます。花を咲かせ種を残すことは植物が次世代に生き残るための重要な過程ですから,異常気象など様々なストレスがあると早く花を咲かせ種子を作ろうとする状況がしばしば見られるようです。私たちの暮らしの足元にあるものと,この地球規模を見据えた環境政策のつながりを実感した瞬間でございました。
話を戻しまして,質問に入ります。
まず,この環境省が指定している自然共生サイト,本市でもほかに増やすことはできないでしょうか。例えば本市で認定している身近な生きものの里,これも自然共生サイトの理念に合致していると考えます。もし申請に当たり生じている課題があれば,その内容にも触れながら現在の検討状況をお示しください。
そして,本市では2024年1月10日に生物多様性のための30by30アライアンスに参加されています。これにより市としてどのような取組を推進していこうとするのか,その意気込みを聞かせてください。
次に,2024年4月19日に地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律が公布されております。こちらも資料がございますのでお見せいたします。
このポイントは,既にこのOECMの基準を満たしていて生物多様性が豊かな場所を維持する活動に加え,耕作放棄地などにおける生物多様性を回復する活動や開発跡地などで生物の多様性を創出する活動も新しく国が認定することを考えているといいます。この法律を踏まえ,来年度以降の取組として本市としてどのような検討が行われているのか,お示しください。
このような国際的な動きがある中で,このたび岡山市では環境保全条例の改正作業が進んでいます。そして,従来の環境保全条例の一部を分離する形で,新たに岡山市環境基本条例が制定されます。
そこでお尋ねいたします。
まず,この環境保全条例の改正の概要と環境基本条例制定のポイントをお示しください。
環境保全条例改正案の第29条以降では,環境の保全に関する重点的施策等として生物多様性の保全が示されております。
そこでお尋ねいたします。
この第29条の5から8では,貴重野生生物種について定められておりますが,現在本市では貴重野生生物種の指定はございますか。また,今後新たな指定が行われる場合の考え方をお示しください。
また,第29条の9では,外来種の放出等の禁止について定められております。条文の新旧をこのように見比べますと,改定案では移入種から外来種へと用語が変更されております。この外来種放出を防ぐための啓発として,どのような取組を行っているのか,お示しください。
さて,環境保全条例が制定されている一方で,本市では地域主体による生物多様性の保全を推進する条例が平成22年に制定されています。
こちら生物多様性の政策を研究した論文によると,生物多様性というキーワードが条例名に含まれている条例を制定している自治体は,全国でもこの6つの市に限られているようです。
この条例の各項に照らし合わせる形で,本市での取組についてお尋ねしてまいります。
まず,この第3条第2項で示されている科学的な知見に基づく情報はどのように収集しておりますでしょうか。また,社会的な合意形成を図るについても,具体的な事例をお示しいただきながら取組を御紹介いただければと思います。
次に,この第6条第5項の専門的な知識又は経験を有する人材の育成は前段にございます教育の推進により実現するものかと存じますが,本市の取組として特徴的なものをお示しください。また,広報の充実についても,工夫していることをお示しください。
そして,第6条第6項で示されている生物多様性の保全を損なうおそれについて,現状チェックするための各部署の連携についてお示しください。
関連してもう一点,令和4年3月25日に締結された本市と公益財団法人岡山県環境保全事業団との連携協定により生物の多様性保全の推進がどのように行われているか,市と事業団の役割分担にも触れながらお示しください。
次の項目に移ります。
2,釧路市との観光交流について。
アフターコロナを迎え昨年度から海外各国との姉妹都市,友好都市との交流が再開しておりましたが,一方で国内では北海道釧路市との観光交流が長年行われてきました。
(1)今年度に実施された釧路市との友好親善訪問団の相互訪問について,概要をお示しください。
(2)岡山市・釧路市交流事業として,これまでにどのような取組を行ってきたか,お示しください。
(3)第28回釧路市・岡山市友好親善都市訪問について,この公式訪問団は阿寒アイヌクラフトセンターを視察されております。また,市民訪問団は世界自然遺産知床国立公園にあるオシンコシンの滝を見学されたとのことですが,これはアイヌ語でエゾマツが群生するところという意味です。北海道への訪問を通じてアイヌの人々が自然と共存しながら暮らしてきた歴史,文化に触れる機会が多々あったのではないかと想像しております。
今朝この本会議の議事録を見返していると,令和元年9月定例会の提案理由説明の中で市長がアイヌの挨拶に触れられている1文を見つけました。前回,釧路市との友好親善訪問された際のコメントでしたが,アイヌのイランカラプテという挨拶を耳にされ,この言葉はあなたの心に寄り添いますという意味で,人と接する上での原点に改めて思い至りましたとの御感想を述べられていました。
釧路市のアイヌ施策推進地域計画によると,釧路市には1,091人のアイヌの人々が居住し,この数は北海道のアイヌ人口の約8.3%に当たるとのことです。明治以降,旧土人保護法の下,いわゆる同化政策の中でアイヌの人々の生活を支えてきた狩猟や漁労は制限,禁止され,またアイヌ語の使用といった伝統的な生活環境の保持も制限されてきました。そのため,アイヌ民族の誇りである文化や伝統は,十分に保存伝承されているとは言い難い状況にあります。
さらにアイヌの人々に対する理解が十分でないため,偏見や差別の問題が依然として存在していることも引き続き私たちが向き合っていかなければならない問題であります。長年続いてきた釧路市との観光交流を続けるに当たり,岡山市民にとってもこうした歴史的経緯を踏まえたアイヌの人々への理解が必須であると私は考えます。
そこでお尋ねいたします。
本市で行われているアイヌの人々についての人権教育と人権啓発についてお示しください。
以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
○田口裕士 議長 当局の答弁を求めます。
◎見平孝行 環境局長 1番,生物多様性の保全に向けての項について順次お答えします。
まず,自然共生サイトを増やすことはできないかについてです。
現在身近な生きものの里の認定団体等に対して,自然共生サイトの制度の周知を図っているところです。また,本市では申請の申出があれば,要件の適否を確認しつつ必要に応じて支援しているところです。
なお,申請に際しては土地所有者の同意が必要となっておりますが,制度に対する理解が得られにくく地権者の同意を得るのが難しいという課題があります。
次に,生物多様性のための30by30アライアンスへの参加による市の取組の推進についてです。
30by30推進のための有志連合である30by30アライアンスへの参加により,本市の生物多様性の保全に取り組む姿勢を示したところであり,現在は環境省からの最新の情報の取得のために活用しています。今後は,本市の取組状況の発信や参加団体等との情報交換の場として活用するとともに,他の参加団体との連携についても検討してまいります。
次に,地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律に関する取組についてです。
この法律は令和7年度の施行予定とされており,今後国から示される具体的な内容を注視しながら,どのようなことができるのか検討してまいります。
次に,環境保全条例の改正の概要とそのポイントについてです。
今回の改正は,現行の環境保全条例から基本理念に関する内容を独立させた岡山市環境基本条例を新たに制定し新たな環境問題に対応する市の考え方や取組を市民等へ分かりやすく示しています。
次に,本市における貴重野生生物種の指定についてです。
現在本市が指定している貴重野生生物種はありませんが,今後有識者等の意見を参考に特に保全が必要と認められる種については指定を検討してまいります。
次に,外来種放出を防ぐための啓発についてです。
特定外来生物の取扱いについては,現在ホームページや自然体験教室の中で周知を図っているところです。今後も,様々な機会を捉えながら積極的に周知啓発に努めてまいります。
次に,科学的な知見に基づく情報の収集方法と社会的な合意形成を図る取組についてです。
科学的な知見に基づく情報については,環境DNA調査や専門家による現地調査などで収集しています。また,社会的な合意形成を図る取組については,収集した情報をホームページ等で公開し,例えば希少種が生息している可能性のある地域での事業を実施する際には適切な配慮がなされるよう働きかけを行っています。
次に,人材の育成に関する本市の特徴的な取組や広報の充実についてです。
本市の特徴的な取組としては,岡山連携中枢都市圏事業の一つとして赤磐市及びおかやまコープと連携して実施している自然体験教室や身近な生きものの里に認定する団体が実施するイベントの支援等があります。また,紙媒体による広報だけではなく,インスタグラムや公式LINE等のSNSを活用し広報の充実を図っています。
次に,生物多様性の保全を損なうおそれについて各部署の連携についてです。
現在,各部署が行う事業が自然環境に影響を与える可能性のある場合には環境保全課に相談があり,その際には自然環境配慮ガイドラインに基づき事業実施してもらえるようアドバイスしています。今後さらに生物多様性の保全を推進するため,改めてガイドラインについて庁内での周知を図ってまいります。
この項最後に,環境保全事業団との連携協定による取組についてです。
生物多様性の保全の推進には,野生生物情報の充実が必要です。そのため,連携協定に基づき野生生物情報の調査が十分でない地域を中心とした自然環境モニタリングを連携して実施し,その結果についてはホームページや報告会を通して広く周知しています。役割分担としては,岡山県環境保全事業団は野生生物に関する専門的な知識を生かした現地での調査を担当し,岡山市は実施区域における地元調整など円滑な事業実施に向けたバックアップを行っています。
以上です。
◎田中哲也 市民協働局長 2番,釧路市との観光交流についての項,アイヌの人々に対する人権啓発についてお答えいたします。
アイヌの人々への理解については,令和3年3月に改訂した人権教育及び人権啓発に関する基本計画中,様々な人権課題の項でアイヌの人々に対する歴史や文化について理解や認識を深めることが差別や偏見をなくすことにつながっていくとの表現を盛り込み,人権啓発を行っているところでございます。
以上です。
◎木内啓子 産業観光局観光・MICE担当局長 同じ項,釧路市との友好親善訪問団の相互訪問の概要についてお答えします。
本年7月に岡山市長や市議会議長,おかやま観光コンベンション協会会長など9名の公式訪問団と一般公募した28名の市民訪問団で構成する友好親善訪問団が釧路市を訪問し,歓迎レセプションにおいて相互交流を図りました。公式訪問団は釧路市長を表敬訪問するとともに,釧路市の観光資源を生かした誘客の取組を視察しました。
11月には,釧路市長や市議会議長,釧路観光コンベンション協会会長など8名の公式訪問団と17名の市民訪問団で構成する友好親善訪問団が本市を訪問し,岡山城での歓迎レセプションで相互交流を図りました。公式訪問団には市長の表敬訪問とともに,造山古墳など本市の歴史文化遺産を視察していただきました。
次に,これまでに行ってきた取組についてです。
本市と釧路市は,岡山後楽園のタンチョウのパートナー探しがきっかけで昭和55年から観光と物産の両面で交流を続けているところです。
観光面では,公式訪問団と市民訪問団で構成される友好親善訪問団の相互訪問を5年ごとに行っています。物産の面では,おかやま桃太郎まつりや釧路大漁どんぱくなどのイベントに相互に出展し,特産品の販売を通じて交流を図っています。
中でも,岡山の桃やブドウは開始前から行列ができるほど好評で,毎年楽しみにしているとの声もお聞きしております。
以上です。
◎三宅泰司 教育長 同じ項,アイヌの人々に対する人権教育についてです。
学校では,社会科の授業でアイヌの人々には独自の伝統や文化があることやアイヌの人々に対する人権問題について学習しておるところです。
以上です。
〔1番高成壯磨議員登壇〕
◆1番(高成壯磨 議員) 御答弁ありがとうございました。
まず,生物多様性のほうから再質問いたします。
先ほど外来種の放出等の禁止について御答弁いただきまして,様々な機会を見据えてこのような啓発をされたいという御答弁がありましたので,ここで1つ提案したいです。
ぜひ環境部局として岡山市の動物愛護フェスティバルの場においても,この外来種の放出の禁止の啓発をしていただければと思います。やはり私たちにとっては,身近なペットという存在がこうした外来種に触れる機会だと思います。アメリカザリガニやミドリガメといった,そうした指定の外来種もありますが,昆虫や爬虫類や魚といったほかにも外来種もたくさんありますので,そうしたことも分かってもらえるような,そうした出展をぜひ他の部局とも連携して進めていただきたいと思います。そちら御所見をお願いいたします。
そして2つ目,アイヌの人権啓発について,ちょっとあえてここ本会議でも取り上げさせていただきたいのですが,アイヌの人々の表現を盛り込んでいる基本計画でございますが,現在この改訂を進められています。この委員会の中で示された8月の時点ですけども,最初はこのアイヌの人々の項目を削除すると。あまりにもあっさり削除するという議題について私はとても驚きました。その理由は,この地域の実情に基づいて策定するということになっているということであったんですけれども,先ほど紹介した釧路市との観光交流という行政間の交流に加えて,文化的,歴史的背景という地域の実情を踏まえてこそ岡山市の人権基本計画にアイヌの人々への記述を残すべきだと私は考えています。
本市も寄港地だったとして認定されている日本遺産の北前船,これも松前藩がアイヌ交易によって得た昆布やニシンを北前船で蝦夷地から大阪まで運んでいたものです。そのおかげで,この西日本にも昆布を使っただし文化が根づいたと言われています。ここにもアイヌの人々と私たちの生活の密接な関係が見いだせると思います。
先ほど引用させていただきました相手の心に寄り添うイランカラプテの精神で,ぜひこの北海道釧路市へのリスペクトを表してほしいと望んでおります。
そこで,提案がございますが,現在人権基本計画でハラスメントの章が新しく盛り込まれることになりました。
そこで,この改訂内容ですけれども,このアイヌの人々の記述がかなり圧縮された状況になっているところですので,そのハラスメントの章でこのアイヌの人々の人権を尊重することにも関連したレイシャルハラスメントの観点で記述を追加していただきたいと思います。我が国の先住民族であるアイヌの人々のみならず,外国人に対する差別や偏見をなくしていくことにもつながる考え方だと思っております。ほかの市では,和歌山県新宮市の人権教育・啓発推進計画でも盛り込まれていることを確認しました。現代の人権意識の高まりをより一層反映した計画になるかと思いますので,局長の御所見をいただければと思います。
以上になります。
○田口裕士 議長 当局の答弁を求めます。
◎田中哲也 市民協働局長 基本計画の中で,レイシャルハラスメントについての記載について再質問いただきました。
現在,基本計画の改訂に向けて作業を進めているところでありまして,パワハラまたセクハラなど法律で規定されている,また規定が検討されているものについては新たな課題として記載のほうさせていただこうということで今進めております。
今お話しのありましたレイシャルハラスメントにつきましては,今後実施いたしますパブリックコメントでいただく意見の結果なども踏まえながら,記述の追加についてまた検討してまいりたいと思います。
以上です。
◎見平孝行 環境局長 外来種放出の啓発に関しての再質問いただきました。
議員御提案の岡山市動物愛護フェスティバルへの出展については,今後出展の可否や条件等について主催者側に確認したいと考えております。
以上です。
○田口裕士 議長 以上で高成議員の質問は終わりました。(拍手)
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