録画中継

令和7年2月定例会
2月26日(水) 本会議 一般質問
日本共産党岡山市議団
田中 のぞみ 議員
*一問一答方式
1 水の安全と水道事業について
2 新アリーナの公費建設は本当に必要か
3 こども福祉の充実について
      午後5時15分開議
○田口裕士 議長  休憩以前に引き続き会議を開きます。
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○田口裕士 議長  この際申し上げます。
 会議録署名議員に難波議員を追加指名いたします。
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○田口裕士 議長  次は,順序に従いまして田中議員。
     〔34番田中のぞみ議員登壇,拍手〕
◆34番(田中のぞみ 議員)  こんにちは。日本共産党市議団の田中のぞみです。何か少ない。(笑声)お疲れのところ申し訳ありませんが,少ないぞ。皆さんここから残業ですね,すいません。
 通告に従いまして質問に入ります。
 大きな1番,水の安全と水道事業について。
 1,PFAS対策について。
 ア,環境省が昨年11月に対応の手引きを見直しました。健康調査の意義について実質的に認めたと考えます。今日手元に資料を配りしておりますが,資料の⑥対応の手引きの一部です。いろいろ書いてはあるんですが,健康調査,健康状態を把握することについて,するなとは書いていないわけですし,意義を認めたと考えます。この見直しについて市の所見をお伺いします。
 そのほか今日の資料①から⑤まで,PFASの歴史的な流れや世界的な位置づけ,まとめております。また,見てください。
 イ,血液検査は行わないとの答弁が繰り返されますが,他自治体の動向については注視するべきで,全国でも初めての公費による血液検査を行った吉備中央町はすぐ隣です。どのように見ておられますか。1人当たりの経費は御存じでしょうか。また,市内の民間病院でも対応実績がありますが,どのような取組か把握していればお示しください。
 ウ,NHKが独自に行った三谷川周辺の調査では,山の反対側,すなわち三谷川流域とは違うエリアからも高い濃度が検出されたとの報道でした。どう受け止めていますか。報道機関の独自調査が先行するというのは自治体としてどうなのかと感じました。市民の関心が高く不安が広がっています。広範囲で徹底的に水質調査することについて,特別対策チームをつくって──そういう自治体もありました。短期的に実施するべきですが,御所見を伺います。
 エ,熊本市では井芹川から検出された高濃度のPFASの発生源の一つを産業廃棄物最終処分場と確認したとの報道発表がありました。三谷川周辺における原因調査の中で,産業廃棄物最終処分場からの放流水についてPFASの検査は行っていますか。
 2,持続可能な水道事業について。
 今回の下水道管の事故などを受けて,上水道も注目されています。報道の中では,上水道の施設の耐震化を進めるためには,使用料金を値上げするしかないような報道もあります。自治体の根源的な衛生管理業務であり,基礎インフラでもある上水道管理を,市民の使用料だけで支えることは不可能です。下水道とは違い,水道管の耐震化への国庫負担は,決算委員会で令和4年も令和5年もゼロだったと答弁がありました。
 お伺いします。
 ア,岡山市のこの10年間の計画であるアクアプラン2017では,現在布設している水道管の使用可能年数を100年としています。そのため管路の更新率を年1%か年0.84%かで比べた試算で,年1%であれば100年後に一旦更新は完了し,事故リスクも断水リスクもゼロになるという試算をアクアプランで示していました。
 ただ,それは100年後であって,2017年時点で南海トラフ巨大地震発生時における断水人口は約47万人,2027年でも43万人が断水するとの予測でした。その後変化があるのか,現段階での断水人口をお示しください。
 イ,南海トラフ巨大地震の発生確率は日に日に増していると感じています。約40万人が断水する場合,具体的にはどのようなエリアで起こるのか,どのように対応する想定となっているのか,どれぐらいで復旧できるのか,詳細をお示しください。
 ウ,そもそも水道管の使用可能年数は100年で大丈夫なのでしょうか。法定耐用年数と使用可能年数は異なるそうですが,水道管の更新基準は,実態に合わせて各自治体が決めているようです。国交省が出している水道管の更新基準年数事例によると,40年から70年が多く,100年はありません。本市で使用している水道管の主な種類の割合と,それぞれ100年使用できる根拠をお示しください。
 エ,100年後ではなく,せめて10年程度で耐震化率を一気に上げる必要があると思います。せめて基幹管路は,耐震化50%台ではなく,100%に近づけるべきだと考えます。しかしながら,水道管更新率は上がるどころか下げられました。水道料金の値上げを抑えるためです。来年度行おうとする市民意識調査の趣旨について改めて伺います。
 水道料金はどこまで上げれば,更新スピードがどれだけ上がるのか,示す材料があって設問しているのでしょうか。
 大きい2番,新アリーナの公費建設は本当に必要か。
 基礎インフラの老朽化も社会問題になっている今,多額の税金を投入してアリーナを造っている場合なのか,自治体本来の業務こそ充実させてほしいという声が本当にたくさん届くようになっています。私たちは今,全国で500万人対話と称して,市民の皆さんの声を直接集めています。今回の事故に象徴されるような基礎インフラ管理の遅れ,日常道路の管理,スポーツ施設の老朽化,空き家対策など日常生活と直結した課題に困っていて,市政運営に満足していないという市民は多数おられると感じています。別調査でも,この物価高で暮らしが苦しくなった方が6割を超えています。アリーナより暮らしの支援をと望む声は多いと改めてお伝えしたいと思います。
 質問です。
 1,追加調査については,先ほど答弁ありましたので割愛します。
 2,1万人規模のアリーナ構想について。
 ア,敷地形状の検討,周辺の必要インフラ整備,備品について,主な中身をお示しください。備品については,最新DXについてどこまで対応しようとされているのでしょうか。
 イは先ほど答弁ありましたので割愛します。
 ウ,レイアウトについて,含まれる設備についてお示しください。特にサブアリーナ,VIPルームの仕様や数,キッズルーム,飲食ブースなど,どのような考え方でしょうか。基本計画からの変更点があれば,主な点についてお示しください。
 エ,資金調達についてです。民間寄附の取組など,他事例研究がどこまでできているのでしょうか。野犬対策事業ではクラウドファンディング型のふるさと納税に取り組むそうですが,アリーナ事業について検討されたことはありますか。
 オ,事業採算性についてはどのような評価でしょうか。30年,50年後についても想定されているのでしょうか。土日祝日の稼働率,料金をどう設定して計算されていますか。平日の稼働率はどうでしょうか。
 カ,独立採算で成功しているとする沖縄アリーナでは,自主事業が収入の半分を占めるとのことで,同じことができるのかは疑問です。沖縄アリーナの自主事業の中身,新アリーナでの考え方についてお示しください。
 キ,全国のアリーナ建設ラッシュの中で,建て替えではない,新規の単体での公設のアリーナの事例はありますか。
 ク,全国のアリーナ構想の大きな特徴が,宿泊施設や他スポーツ施設との複合的なものが多くなっています。プロモーターが使いやすいアリーナの条件についてはどのようにお考えでしょうか。
 3,市民利用について,アは重なりますので割愛しますが,メインアリーナは市民利用をあまり考えていないという答弁があったと思います。
 イ,岡山ドームについて,稼働率をお示しください。さらに,市民が使いやすくなるための工夫が必要ですが,課題と改善策などあればお示しください。
 大きな3番,子ども福祉の充実を。
 1,就学援助制度の私立学校への対応について。
 今年度から小・中学校の就学援助制度が私立学校に通う児童・生徒も対象となりありがたく思いますが,給食費,医療費など除外費目があることが分かりました。地元の公立中学校には行きたくても行けない理由があって,受け入れてくれた私立学校に通えているケースなどでは,家計が苦しくても,親としては通わせてあげたいと願っています。この制度は,私立学校を対象としているのに,支給の除外項目があるのは何に基づくどのような判断でしょうか。学用品費,給食費,通学費の平均的な支給額についてもあわせてお示しください。
 2,ファミリーサポート事業について。
 来年度利用料の減免制度が拡充されることになりました。女性議員,超党派でも勉強会などして大変うれしく思っています。特に困難を抱える家庭が気軽に使えるようになることを期待します。サポートを提供する会員も地域的な偏りがないよう増えていくことが求められますが,課題認識と今後の対応についてお示しください。
 シルバー世代産前産後応援事業の提供会員との違いについて,受け取る報酬や研修についてお示しください。重複登録されている方はどれくらいおられるでしょうか。
 以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
○田口裕士 議長  当局の答弁を求めます。
◎後河正浩 保健福祉局長  1番,水の安全と水道事業についての項,PFAS対策について,まず環境省の手引が見直されたことに対する所見です。
 環境省の手引には,新たに健康影響等に関する情報発信が追加されており,その中で地域住民の健康状態の把握と題して,健康不安の声が上がっている地域の対応が記載されているものと認識しております。血液検査についての考え方は,日本共産党岡山市議団を代表されての宿女議員に御答弁したとおりです。
 次に,吉備中央町の血液検査をどう見ているか,経費は把握しているか,市内民間病院での取組についてです。
 吉備中央町では,大学教授や地元医師等による健康影響対策委員会からの健康影響対策に関する報告書を踏まえ,町の判断で検査実施を決定したものと承知しております。また,吉備中央町にお尋ねしたところ,費用は非公表とのことでした。なお,市内民間病院における取組につきましては,詳細を把握しておりません。
 以上です。
◎見平孝行 環境局長  同じ項,PFAS対策についてのうち,広範囲で徹底的な調査を実施すべきについては,自民党を代表されての岡崎議員に御答弁したとおりです。
 次に,産業廃棄物最終処分場からの放流水について,PFASの検査は行っているのかについてです。
 放流水が三谷川に通じている産業廃棄物最終処分場については,放流先の河川でPFOS及びPFOAが暫定指針値を超えていなかったことから,PFASの検査を行っていません。
 以上です。
◎栗原諭 水道事業管理者  同じ項,持続可能な水道事業についてお答えします。
 まず1点目,南海トラフ巨大地震による現時点で予測される断水人口はについてです。
 アクアプラン2017の策定時に行った予測に対し,平成29年度から令和5年度までの管路の年間平均更新率は0.96%です。これを加味すると,現状で予測される断水人口は約43万4,000人と考えられます。
 次に,断水が起こる想定エリアと断水への対応は,またどれくらいで復旧できるのかについてです。
 具体的な断水エリアは想定しておりません。
 断水対応として,応急給水を行うこととしており,市内113か所の小・中学校に応急給水栓を設け,水源となる配水池や浄水場から給水車でピストン輸送することになります。
 また,応急給水の作業マニュアルを整備するとともに,大規模災害を想定した応急給水と応急復旧の訓練を東京都,広島市,堺市などの事業体と合同で毎年度行っております。
 なお,水道管での供給が可能となるまでの復旧期間は,業務継続計画において,4週間を目標としております。
 次に,水道管の主な種類とその割合は,それらが100年使用できる根拠はについてです。
 主な種類と割合は,ダクタイル鋳鉄管が59.8%,塩化ビニール管が30.7%,残りの9.5%は配水用ポリエチレン管等となっております。
 鋳鉄管については100年以上使用した実績がありますが,塩化ビニール管については70年程度の実績で,材質の強度が低いため,現在は配水用ポリエチレン管を採用しております。
 100年使用できる根拠は,ダクタイル鉄管協会や配水用ポリエチレンパイプシステム協会において,単体強度や腐食への対策など,様々な耐久試験を行った結果を基にしているものでございます。
 この項最後に,意識調査の趣旨についてです。
 意識調査は,市民の皆様の水道に対する様々な意見,要望や過去の調査からの意識の変化を把握し,次期経営計画策定の参考資料とするために実施するものです。
 災害対策に対する設問は,令和6年4月に実施した,料金改定の必要性について市民の皆様に御理解いただけているのかどうかを確認し,今後の広報等に活用するためのものです。
 以上です。
◎岩田修 市民生活局長  大きい2番,新アリーナの公費建設は本当に必要かについて順次お答えいたします。
 2,1万人規模のアリーナ構想についてのうち,ア,敷地形状の検討,必要なインフラ整備,備品の中身,最新DXへの対応はについてです。
 敷地形状やインフラ整備については,利用者の利便性の向上を念頭に,敷地周辺の道路の付け替え等による整理を検討しております。
 備品としては,スポーツ用品は必須と考えますが,詳細については今後検討してまいります。
 最新DXへの対応については,事業者に提案を求めることを想定しております。
 続いてウ,サブアリーナ,VIPルームの仕様,数,キッズルーム,飲食ブース等はどう考えているのか,基本計画からの変更点はについてです。
 基本計画から施設規模は変更になりましたが,実際のレイアウト等については,プロスポーツリーグの施設基準に適合させることを前提としている点については変更はございません。
 続いて,資金調達について事例研究はできているのか,クラウドファンディング型ふるさと納税の検討はについてです。
 岡山市のアリーナと同規模の事例,岡山市が想定する交付金や寄附金を活用した事例について,他都市等へ聞き取りを行っております。
 また,クラウドファンディング型ふるさと納税の活用も検討しているところでございます。
 続いて,事業採算性についての評価は,30年,50年後の想定は,土日祝日の稼働率,料金,平日稼働率についてです。
 30年,50年後の想定はしておりませんが,追加調査における試算によれば,独立採算での運営は十分に可能であると考えております。
 なお,稼働率は,平日が43%,土日祝日が88%,利用料金は,他都市の同規模の施設を参考にし,設定しております。
 カ,沖縄アリーナの自主事業の中身は,本市アリーナ整備での考え方についてです。
 沖縄サントリーアリーナの自主事業の内容については,飲食販売の運営や自主興行イベント等と伺っております。岡山市のアリーナにおいても,同様の事業の実施を含め,事業者から幅広い御提案はいただけるものと考えております。
 続いて,新規の単体での公設のアリーナの事例はあるかについてです。
 新規で同規模の公設アリーナの事例としては,沖縄サントリーアリーナがあります。そのほかには,徳島県,静岡市において計画があると伺っております。
 次に,プロモーターが使いやすいアリーナの条件はについてです。
 追加調査で行ったヒアリングによると,プロモーターが使いやすいアリーナの条件として,立地がよい,深夜の搬出入等,柔軟な利用ができる。土間床で大型車の乗り入れが可能,十分な天井高があり,耐荷重を備えたつり点の数が多い等を伺っております。
 以上です。
◎鈴木豪 都市整備局都市・公園担当局長  同じ項,(3)市民利用について。
 岡山ドームの稼働率,市民が使いやすくなるための工夫についてお答えします。
 令和5年度の稼働率は,午前,午後,夜間の区分ごとに一部の時間帯でも利用されていることを稼働として,利用可能時間帯から算出すると,97.0%でした。このような状況でありまして,施設の予約について,今までのウェブサイトでの情報提供や電話予約に加えて,令和7年4月からオンライン決済に対応した施設予約システムによる受付を開始します。その他,利用環境の改善等については,指定管理者と共に引き続き検討してまいります。
 以上です。
◎榎並義忠 岡山っ子育成局長  3番,子ども福祉の充実についての項,ファミリーサポート事業について,課題認識と今後の対応,シルバー世代産前産後応援事業との違い,重複登録の人数についてお答えします。
 提供会員と依頼会員のマッチングはおおむねできておりますが,今後より利用者のニーズに対応していくためにも,提供会員を増やすことが必要であると考えており,休日の説明会開催や子どもが小学校を卒業される依頼会員を提供会員に勧誘するなどの対応をしたいと考えております。
 シルバー世代産前産後応援事業は,家事及び育児支援を行うもので,1時間当たりの報酬は1,000円です。また,ファミリーサポート事業は,子どもの送迎や預かりを行うもので,平日の7時から19時までが700円,休日,夜間等は900円です。研修については,両事業とも子どもとの関わりや安全対策など子育て支援に必要な内容のものを実施しております。重複登録されている方は,令和7年1月末現在で5人です。
 以上です。
◎三宅泰司 教育長  同じ項,就学援助制度の私立学校への対応についてです。
 要保護児童生徒援助費に関する国の通知において,私立学校の支給対象費目には,給食費及び医療費が含まれていないことから,支給対象外としております。
 また,令和6年度の就学援助は,学期ごとに支給しておりますが,平均支給月額に直すと,学用品費,小学校1,060円,中学校2,070円,給食費,小学校6,360円,中学校7,540円,通学費,小学校1,418円,中学校5,112円となっております。
 以上です。
     〔34番田中のぞみ議員登壇〕
◆34番(田中のぞみ 議員)  まず,ちょっとアリーナ,意見だけ。
 備品はこれから検討する,スポーツ備品。DXについてちょっと聞こえなかったかもしれないけれども,ちょっとはっきり分からない。30年,50年後についても想定はしていない。そして,唯一独立採算で成功している沖縄アリーナでは,半分が自主事業だけれども,これから提案される。分からないことだらけなのに,どうして独立採算が成り立つんだというのはやっぱり思いました。負の遺産になるかもしれないという不安は拭えないということだけはお伝えしておきます。
 あと,就学援助。文科相が給食費を外しているとは思いませんので,これから確認していきますけれども,私立に通うか公立に通うかで大きな差別をしないでいただきたいというのは,まず言っておきます。この方,もらえる支援が減りましたからね。
 では,今日はPFASについて再質問させていただきたいと思います。
 市長,必ず聞きます。いいですか,最後にいいですか。(笑声)8月,9月,10月,11月と高濃度のPFASが検出され続けてきました。広がり続けています。これまでの答弁でも,井戸水からも検出されていて,飲料用や散水用に使っていたという答弁がありました。
 まず,水道局にお伺いしたいんですけれども,2か月前,12月末に水道法の改定方針について,方針決定したという報道がありました。この方針内容では,この資料の②,一番下に書いてはいるんですけど,これ2026年4月からの予定ですが,PFASが水質基準に引き上げられる,規制が強化されるという方針が決まった。これはPFASは大腸菌やヒ素や水銀などと同じ扱いになるという認識でよろしいでしょうか。
◎栗原諭 水道事業管理者  議員御指摘のとおり,水質基準の51項目に,PFOS,PFOAが加えられますので,同じと考えてよろしいかと思います。
◆34番(田中のぞみ 議員)  そうなると,PFASの検査や対応が義務となるわけですね,法定義務に。そうなると,あと今と具体的に変わることがあればお知らせください。
◎栗原諭 水道事業管理者  現在は水質管理目標設定項目ですので,検査回数等は国から指示はありません。
 今度,法改正されて基準になれば,検査回数,検査の方法等が規定されますので,それに基づいて行うこととなります。そのために,水質検査計画であるとか,それから体制の整備を進めていくことになるかと思います。
 以上です。
◆34番(田中のぞみ 議員)  基準値を超えた場合の対応はどうなりますか。
◎栗原諭 水道事業管理者  基準値は今のところ,合わせて50となっておりますが,もしそれが変わるとなれば,もちろんそれが基準値になりますので,それに向けて検査して,超過すればそれに対する対応を取ることになるかと思います。
◆34番(田中のぞみ 議員)  改善が義務になってきますね。この水質基準というのは井戸水も対象でしょうか。
◎栗原諭 水道事業管理者  井戸水,もちろん局に井戸水を原水としているところもございますので,それは対象となります。
◆34番(田中のぞみ 議員)  井戸水から基準を超えていますから,対応が必要になると思いますんで。先週,福山市でもPFASが検出されたんですけれども,福山市では周辺住民,井戸水からも地下水からも検出されましたので,周辺住民に対して飲料水を配布し,希望者には血液検査を含む健康調査を実施すると発表しました。迅速な判断だなと思いましたが,市長,政治判断だなと思ったので,この資料の②のところにも書かせていただいておりますが,福山市が,先週のことです。今回,資料①でPFASの歴史についてちょっと調べてみました。間違いもあるかもしれませんが,このPFASというのは,戦前戦後にアメリカの大企業が相次いで開発して,軍事産業と一体的に一気に広がるわけですが,健康被害による訴訟が相次いだ。まさに公害だと思うんですね。裁判の過程で,7万人の疫学調査を既に行っていて,これ10年以上かかった疫学調査です。6つの病気で明らかに発症率が高いという違いがあった。これが裁判で健康被害が認定されています。3,550人の健康被害を裁判が認定しています。映画にもなっている。今テキサス州がこの2社を起訴しているわけですね。もうアメリカでは大問題なわけなんです。別機関のナショナルアカデミーが同時期に,健康に影響する十分な証拠があるとして,医療現場でのガイドラインを出しました。これが資料③です。血液中の濃度によって対応を示したわけです。こういう流れを受けてアメリカの水質基準の値は非常に厳しく改定されました。資料①の一番下,4ナノグラム/リットルになるわけです,2024年ですね。改定されました。同じくして,資料④になりますが,WHOが発がん性物質に認定した,2段階引き上げています。これアスベストやヒ素と同じ扱いになります。発がん性があるということです。
 保健福祉局長にお伺いしますが,これでも本当に影響がないと言い切れるのか,認識をお伺いします。
◎後河正浩 保健福祉局長  血液検査に関しましては,代表質問でもお答えしたとおりなんですけれども,現状で血液検査ということをする予定はないというお話はさせていただいておりますけれども,あわせて当然情報収集といったことも答弁させていただいたとおりでございまして,実際そのPFASについては,国においても健康影響に関連する研究を推進するということでございますので,先にこれから将来において事情変更ということがあり得る可能性はあるとは思っております。ただ現在,我々が把握している情報に基づいて,直ちに血液検査をするという状況にはないという判断で答弁させていただいております。
 以上です。
◆34番(田中のぞみ 議員)  直ちにする必要がないのはどういう意味ですか。
◎後河正浩 保健福祉局長  血液検査を実際していくということに関しまして,有識者の方にも御意見を伺ったりということもさせてはいただいているんですけれども,血液検査をする以上は,目的なり,対象なり,評価なり,またそれを住民の方に説明したり,またそれに伴ってどういう形で対応していくかということもあわせて説明させていただくということが必要だろうと思っております。現状の情報において血液検査をしたとしても,明確な基準ということが,今御紹介いただいた資料にはそういうことの記載がありますけれども,少なくとも,今我々が整理させていただいている中で,そういったことをきちんと御説明できないということは,逆に健康不安をあおるようなことになってもいけないだろうということを今は懸念しているところでございます。
 以上です。
◆34番(田中のぞみ 議員)  血中濃度が分かったところで,対応ができないと言っているんですが,資料③で,岡山県医師会は血中濃度に対応してちゃんと見ていきますよというのを岡山県医師会が示しております。あわせて,資料⑦でお示ししましたが,暴露量を知るということで予防的な措置は取れるんですね,本人が。ストレスの軽減にもなるということになっておりますので,知ることに意味がないとは思わないんですが,市長,希望者にね,全員と言っていないわけですが,希望者に健康調査をするというのは政治判断だと思うんですが,前向きに検討していただきたいんですけど,お考えをお聞かせください。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  まずは,PFAS等の暫定基準というか,国の基準を超えるものがあったと,そういった地域があったというときに,私が環境局,そしてその関連の部局でありますけれども,とにかく広範囲に調査してほしいという指示をいたしました。そして,一定の頻度を持ってやったほうがいいということも申し上げたところであります。
 また,その周辺の方,ごく少数,飲用に使っている方がおられるし,あと散水の方もおられると,そういったことで,そういった方に対しては,一定のお話をして,例えば飲用はまずは控えてほしいというようなことで,できるだけのことをしているところであります。
 今度はそれを超えるものというのは,一体,具体的に何をすればいいのかということでありますが,ほぼ12年間,田中のぞみ議員の質問をいろいろと受けてきましたけど,田中議員もこのアメリカのデータなどは調べられたかもしれませんが,専門家ではないですね。私も同じなんですよ。
 今,保健福祉局長や環境局長がよく国の指針と言っているのは,これは政治的な対応の問題ではなくて,国の専門家の話をしている。専門家から聞いて,これは厚労省といえども,環境省といえども,そんなに専門家がいるわけじゃないんです。その意見を聞いて,いろいろな要請をしてきているところであります。
 一つは,我々はやっぱりそれを参考にしていかなければならないということはあるわけであります。それからもう一つは,卑近な例で岡山大学の先生などの話もやっぱり聞いていく,そういったことが重要だろうと思います。確かにアメリカで大きな疫学調査をやられたのかもしれません。そういう結果が出ているのかもしれませんが,それを我々がどう具体的にやるのかというのは,アメリカの調査が一体どういう経緯で何をやってこうなっているのかというのは,そこまでは分からないわけなんです。
 次のステップとして,何をしていくのがいいのか,それが住民にとって,市民にとって何がいいのかということを考えていくというのが,我々にとっての最大の使命であるわけです。血液検査の話もありました。血液検査も,これは昨日,関係部局と随分議論したところでありますが,今,血液検査自身をやっていくというのは,必ずしもふさわしくないというような,いわゆる研究者の意見もあり,そういったことを基に我々として判断しているところであります。もちろん,そういう知見が変われば,対応することはやぶさかじゃありませんし,我々にとっていえば,最も市民の,特にこういう指針を超えているような濃度が出ている地域の方々にとって何が一番いいのかという視点で物を考えていきたいと思っております。それに関して言うと,臨機応変の対応は取っていこうかとは思っております。
 以上です。
◎栗原諭 水道事業管理者  先ほどの質問で,答弁をちょっと付け加えさせていただきたいと思います。井戸水もということでおっしゃっておりましたが,水道法の対象はあくまで水道水ですので,井戸水を検査することはありません。
 以上です。
◆34番(田中のぞみ 議員)  井戸水,言及ありますから,もう一回そこを私も調べますけど,市長,水道基準にはなるわけなんです,2年後にね。それを超えている。アスベストもどれだけ受けたら発症するかというのは,今分かっていないんですよ。ヒ素だってそうなんです。だからこそ,政治判断だと言っているわけなので,そこを臨機応変,もう一回前向きにどうでしょう。
     〔大森雅夫市長登壇〕
◎大森雅夫 市長  政治判断と言われても,給食費をどうするかというのは,ある面政治判断の要素はあると思うんですね。これを何というか,どういう検査をするか,ごく少数の方が飲用されているという話もしましたが,何ていいますか,もうあまり申し上げられないんです。やっぱりプライバシーの問題もあるわけですよ。そういう中で,我々として今の知見から見てどうすればいいか,国の専門家,また我々が岡山大学,ほかの専門家の方の意見を聞いて,最善と思って対応させていただいているんで,それを政治判断でというのはちょっと田中のぞみさんのお言葉とも思えないような(笑声)そんな感じがいたします。
 以上です。
○田口裕士 議長  以上で田中議員の質問は終わりました。(拍手)
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